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2018年01月22日

恒例の「CES」年頭報告
〜2018年のIT分野の最新トレンドを見る

皆さんこんにちは井之上 喬です。
2018年「犬年」が始まってはや20日が過ぎました。

インフルエンザが流行っているようですが、私も新年早々インフルエンザB型に感染し自宅療養を余儀なくされました。

皆さんも手洗いうがいを励行し感染しないようにお気を付けください。

■急速に進化し身近になったAI、IoT
このブログでは毎年恒例になっていますが、米国時間の1月9日から12日までの4日間、ラスベガスで開催された世界最大規模のIT関連見本市「CES 2018」の報告をいたします。

私が経営する井之上パブリックリレーションズは、2004年からCESの日本市場向けPRコンサルテーションと開催期間中の日本のメディアの招聘と現地取材の支援を継続しています。
今年もCES出張から帰国した社員の報告を中心に、CESと民生分野を中心とした2018年の最新技術動向を見てみましょう。

CESは従来のテレビやAVなどの家電中心の展示から、最近は自動車、スマートホーム、インターネット家電などIoT(モノのインターネット)に象徴されるような、私たちの生活に身近なインターネットに接続するさまざまな機器やサービスの展示へ急速に移行しています。

それを反映して展示会名も略称であったCESを正式名称にするとともに、主催団体の名称も全米家電協会(CEA)から全米民生技術協会(CTA:Consumer Technology Association)に2015年から変更しています。

今回、CESに初めて参加した社員は「まずその規模に圧倒された」と率直な感想を語ってくれました。

51回目を迎えたCES 2018の規模は、過去最大の展示フロアとなる東京ドームグラウンドの約20倍の275万平方フィート超の巨大な展示スペースに、世界各国から3,900社以上が出展、約19万人の来場者が訪れています。

それと音声アシスタントの「Alexa」と「Google アシスタント」が、数え切れないほどの電子デバイスを通じ家庭に入り込んでおり、消費者が意識しなくても最新のテクノロジーが身近なものになっていることを実感したようです。

日本からも多くのジャーナリストの皆さんがCESを取材していますが、その中の一人である日本経済新聞の関口和一編集委員によれば「今年のITトレンド」は、?クルマのIT化、?家電のIT化、?映像のIT化、?サービスのIT化、?金融のIT化、と語ってくれました。

このようなIT市場のトレンドのなかで、家電だけでなく自動車、半導体、インターネット関連など様々な分野の大企業からベンチャー企業も入り乱れて最先端技術を競い合っている場になっていたとしています。

■台頭するプラットフォーマー
AI(人工知能)やIoTに代表される最先端技術の進化は、IT市場だけでなく世界の経済にも大きな影響と変化をもたらしています。

一例をあげると企業価値を測る指標の一つである時価総額を見ると、最近は上位にアップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックが顔を並べ、さらにはテンセント、アリババと言った中国企業も台頭しています。

このような企業を「プラットフォーマー」と呼んでいますが、その勢いには目を見張るものがあります。

この背景には技術の進化が、半導体のムーアの法則に代表されるような直線的な進化から、指数関数的な急カーブを描く進化に激変していることがあげられます。

技術の進化が新しいプラットフォーマーを誕生させ、AIやVR/ARなどを駆使した新しいサービスが現実のものにしています。

事実CES 2018でも、トヨタが自動運転EVを発表したり、SONYが自動車分野への進出を表明したり、Panasonicが家電の展示をなくしたり(近くのホテルで開催)、などの日本企業の変化を示す取り組みも見えてきたようです。

CESでのトヨタ

CTAシャピロCEOの基調講演

企業業績が好調な今こそ、日本企業は旧来の常識の殻を打ち破る創造的イノベーションを目指した経営戦略に積極的に投資し、ハイパー・グローバルな競争のなかでも成長を持続可能にするスピードを伴った経営に思い切って舵を切る必要があると思います。

“良いものを作りさえすれば売れる”時代から、良いもの、良いサービスを積極的に世界に情報発信し世界規模での新しいパートナーシップを構築、その結果として世界に通用する新しい製品やサービスを生み出す。そのためにもパブリック・リレーションズ(PR)は企業にとって不可欠な経営資源といえます。

投稿者 Inoue: 09:50

2018年01月10日

パブリック・リレーションズ(PR)を日本から世界へ
〜国内では幼児から中等教育向け教材の開発

新年あけましておめでとうございます。皆さん、お正月はどのように過ごされましたでしょうか?

週刊ダイヤモンド新年合併号の特集『総予測2018年』巻頭では、「新次元──。2018年はまさしくそんな年になるかもしれない」と紹介しています。

同特集では、トランプ政権の誕生により昨年は行く先が不透明であったが、「18年は明確に異なる。強気、楽観の予測が圧倒的に多いのだ。多くの識者、経営者が17年の好調が持続あるいは拡大するとみている。まさに、18年は日本と世界が未曽有の好景気──新次元へと突入していくのではないかとすら思えてくる」と記しています。

国内で注目すべきは、5月に集中する18年3月期の企業の決算発表、9月の自民党総裁選、そして何よりも18年が新次元とされる所以は、翌19年4月に控える天皇退位。国際関係では、日本にとっての最大の問題は北朝鮮情勢であり、日・中・韓首脳会議が予定通り1月に開催されるかどうか、また、11月の米中間選挙も見逃せないとしています。

こうした内外情勢の中で、私は今年を海外展開も含めた出版活動を通し、リレーションシップ・マネジメントをコアとしたパブリック・リレーションズ(PR)普及の新次元ともいうべき年にしたいと思っています。

■日本発世界へ
写真左は拙著『パブリックリレーションズ』(日本評論社:第2版)の2刷で2017年12月に、中央はその中国語版で同じく12月に北京の東方出版社より出版されました。

右は英語版で今年3月に英ロンドンのRoutledge(ラウトレッジ)より出版予定。同社は1851年設立され人文科学・社会科学分野の学術書、ジャーナル、オンライン文献を扱う英国の大手出版社です。

世界には数千もの言語があるといわれており、その中で中国語を母国語として使用している人口(母語人口)は世界最多で13億人以上となります。また、世界人口約70億人のうちおよそ17.5億人(25%)が英語人口といわれています。

日本語、中国語、英語版が発刊されることで世界人口約70億人のうち30億を超える人々の目に触れる可能性を持つことになります。またアラビア語訳など日本語版に加筆された英語本の多言語への翻訳本出版も進めていく予定です。

周知のとおり日本のパブリック・リレーションズの歴史は浅く、その起源は1945年の敗戦によるGHQの占領政策にみることができます。戦後、米国からもたらされたパブリック・リレーションズが、奇跡的ともいえる経済成長遂げる中で日本的な特性が加味され、日本発で英語圏、中国語圏に拡がっていくことを思うとき感慨深いものがあります。


既にRoutledgeのサイトでは、“Public Relations in Hyper-globalization”の予約販売が始まっています( https://goo.gl/aTg5mJ )。

■ハイパー・グローバリゼーションでの必要不可欠なスキル
Routledgeのサイトでは同著について次のように紹介されています。(日本語は筆者訳)

Public relations is the essential skill top leaders need to inspire and motivate globalized stakeholders, survive crisis, and take advantage of rapid technological and social change in today’s hyper-globalization.

Embedding this book’s ethics based "self-correction model" assures governance to navigate a rapidly changing global environment. The book’s unique strategic PR Life-Cycle Model brings the power of PR to achieve goals fast, economically, and consistently.

これを要約すると、「パブリック・リレーションズは、トップリーダーがグローバルなステークホルダーに対してインスピレーションと意欲を与え、危機を回避し、今日のハイパー・ グローバリゼーションにおける急速な技術的、社会的変化に対応していくために必要不可欠なスキルとなる」とし、「倫理をベースにした自己修正モデルは、急速に変化する地球環境を確実な方向へ導くものであり、同書のユニークな戦略的PRライフサイクル・モデルは、目標を迅速かつ経済的に、継続性をもって達成するためのPRの力をもたらすものである。」

また、各界のリーダーから推薦の言葉をいただいています。日産自動車カルロス・ゴーン会長からは「井之上教授の著書は、経営幹部がコミュニケーションを高め、より良いストーリーを披露し、ビジネスの成長と変革を促すための実践的なアドバイスと実例を提供している」としています。

パブリック・リレーションズ業界のレジェンドともいうべきメリーランド大学のJ・グルーニッグ名誉教授とサンディエゴ州立大学ジャーナリズムメディア学部G・ブルーム名誉教授からもコメントをいただき、この本がユニークな視点で書かれていることを強調しています。

「日本を代表するプロフェッショナルである著者井之上は、パブリック・リレーションズが組織やその管理者に対し、如何にハイパー・グローバリゼーションに対応していくかについて説得的なケースを提示している。」(グルーニッグ教授)。

「グローバリゼーションがステークホルダーの多様性を高めているのに対し、決定、行動、コミュニケーションの時間枠は急速に減少している。著者の主張するハイパー・グローバリゼーションのコンテクストにおいて、PRがより重要性を増していることを事例を通して強く訴えている。PR担当者や企業リーダーは、新しいPRスキルを必要としている。この著書は正しい方向性を与えるだろう。」(ブルーム名誉教授)。

また京都大学経営管理大学院小林潔司教授は、ほどなく世界一位のGDPを占めるであろうアジアだが世界のトップブランドに入るためにはパブリック・リレーションズの導入を図らなければならない。ハイパー化が進む世界で「自己修正モデル」をベースにしたリレーションシップ・マネジメントは、これまでの「コミュニケーション・マネジメント」とは異なるもので、パブリック・リレーションズの果たす役割はますます重要になるだろう、とエンドースいただいています。

■幼児向けの「絆(きずな)教育」
パブリック・リレーションズ(PR)の専門家として従来から日本の教育に必要なのは人間関係構築能力、つまりリレーションシップ・マネジメントだと強く感じていました。

2004年から、高等教育(大学・大学院)でのパブリック・リレーションズ講座の導入を図っていますが、今年は加えて、絵本を通じた幼稚園、保育園、そして小学校での「絆(きずな)教育」の取り組みに始まり小・中・高の生徒や教職員向けのパブリック・リレーションズ(PR)教育導入プロジェクトを始動させています。

教育事業は、日本パブリックリレーションズ研究所が担当し、今年は、幼児教育と中等教育の取り組みに注力していきます。

幼児教育では、子供が他者との絆(きずな)づくりのためのコミュニケーションの基本について絵本を使って学習するプログラムを提供します。

絵本は、パブリック・リレーションズに欠くことのできない目的達成のための3つの要素である「倫理観」「双方向性コミュニケーション」そして人間が自らの意思で修正する「自己修正」を抱合した「自己修正モデル」の研究をベースに私が監修するものです。

この絵本「なかなおり」(NAKANAORI)の制作チームには教え子たちも参加してくれています。
そして今年5月には朝日学生新聞社からの発刊が予定されています。将来英語訳、中国語訳などにも取り組み、NAKANAORIを世界共通の言葉にできればと考えています(イラストは絵本に登場するキャラクター達)。


並行して先述の中等教育向けの教材開発(テキストと指導要綱)を進め、今春をめどにドラフトを作成し、いくつかの教育機関で実証研究を行う計画です。

これまでのパブリック・リレーションズ(PR)の経験を活かし、こうした活動を通して次世代を担う人々に有益でサステナブルな教育システムの構築に少しでも貢献できればと考えています。

年初にあたり、井之上ブログ読者の皆さまのご健勝とご活躍をお祈りいたします。

投稿者 Inoue: 15:07