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2016年05月26日

日本が誇る最先端技術の組み合わせで新たな産業を
〜自動車、通信そして映像・放送

皆さんこんにちは井之上 喬です。

5月26日と27日に日本で8年ぶりとなる主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)が開催されています。そして27日には現職のアメリカ大統領としては初めて、オバマ大統領が被爆地・広島を訪問することになり世界中の注目を集めています。

多くの困難はあるでしょうが、核の無い平和な世界の実現に向け、日本から各国首脳が力強いメッセージを発して欲しいものです。

■最近の展示会から見る日本の可能性
今週は個人的に注目している展示会・イベントが開催されています。

いずれも興味深いもので、25日から27日に開催される「人とくるまのテクノロジー展2016横浜」(パシフィコ横浜)、「ワイヤレスジャパン2016」(東京ビッグサイト)そして26日から29日のNHK「技研公開2016」(東京都世田谷区のNHK放送技術研究所)です。

産業分野的には自動車、通信そして放送・映像と技術進化が著しい最先端分野であり、かつ日本企業が世界的に見ても競争力のある分野だと思います。

自動車分野では、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)など、そしてセンサー技術を駆使した先進運転支援システム(ADAS)など環境や安全性に配慮した次世代型自動車、関連技術が展示されているようです。

通信分野では、次世代通信規格(5G)に代表される最新のモバイル・ワイヤレス技術をコアにした、近距離無線、ネットワークインフラ、クラウド、ビッグデータ関連の製品やサービス、ソリューションが注目されているようです。

展示会は大いに盛り上がっているようですが、この背景には自動車をはじめ多くの“モノ”がインターネットにつながるIoT(Internet of Things)時代を目前に、さまざまな関連技術の融合による新しい、革新的なビジネスを創出しようとの意気込みが感じられます。

その表れか異業種からの参入やベンチャー企業、そして海外からの出展も多いようです。

■8K技術は放送だけ?
私が個人的に注目したのは放送・映像関連のニュースです。NHK放送技術研究所公開を前にした24日にNTTドコモとKDDI(au)は8K映像の伝送実験に成功したとそれぞれ発表しています。

8Kはフルハイビジョンの約16倍の解像度を持ち、総務省は2020年の東京オリンピック開催に合わせた実用化に向け、早ければ今年中に試験放送を始める予定だそうです。

ドコモはフィンランドのノキアと研究を続けている8Kの配信実験の結果を公表、無線配信できる独自技術を利用し、データ量が多い8Kの映像をほぼリアルタイムで伝送可能で、スポーツやニュース配信などの利用にも問題がないとみており「五輪の中継を鮮明な動画で楽しめる」としています。

この実験では次世代通信規格(5G)を活用しており、今後、5G対応の端末機器や通信インフラが整えば、いつでもスマホやタブレットで8K動画を視聴できるようになるとのこと。

またKDDI(au)はNHKと共同で、光ファイバー回線を使い8K放送の配信に成功、テレビなどに接続してスポーツの試合でグラウンド全体の画面と選手個人の顔のアップなどを同時に観戦するといった、1つの画面で複数の映像を見ることが可能になるとのことです。

8Kの実用化に向けては、通信インフラ、カメラ、放送機材、中継器、ディスプレイ、最新端末の開発など多くの課題もあるようですが多くの日本企業の英知を結集しオールジャパンで世界をリードしてもらいたいものです。

以前、NHK放送技術研究所で8K映像を視聴したことがあります。その素晴らしさは今でも目に焼き付いています。8K映像にはこれまで考えられてきたテレビなどの用途ではない新たな可能性はないのでしょうか。

例えばハイビジョンの約16倍の高精細さを活用した遠隔治療など医療への応用、大画面でのミニシアターへの応用、空港やターミナル駅などでの大型の情報表示装置への応用など。

そのためには多くの企業のさまざまな優れた技術の組み合わせが不可欠になります。これまでのパブリック・リレーションズ(PR)を通じたネットワークを活かし、新しいビジネス創出に向けたネットワーク構築が出来ないか胸躍る一週間でした。

投稿者 Inoue: 17:38

2016年05月20日

就活学生へのアドバイス
〜面接で大事なのは「言葉のキャッチボール」

皆さんこんにちは井之上 喬です。

2017年春の入社に向け、本年3月1日からの就活解禁(企業エントリースタート)に続いて、6月1日からは経団連加盟の大手企業を中心に面接選考が本格化します。

志望する企業の内定を取るために、就活学生が面接で気をつけるべきことについて、先日の日本経済新聞(5/16朝刊)で紹介されていました。就活されている人たちに少しでも役立つ情報を提供できればと思っています。

■文章を丸暗記して話すのはよくない
就職情報サイト「マイナビ」の吉本隆男編集長によれば、企業が面接を通じて知りたいことは、(1)入社後に成果を出してくれそうか、(2)組織の中で周囲とうまくやっていけそうか――の2点に絞られるそうです。様々な質問を投げかけてきますが、(1)、(2)に適した人物像かどうかを見定めようとしてとのことだとか。

またマイナビが昨夏、面接で何を聞かれたか就活生に調査したところ(複数回答)、回答の多い順に「自己PR」「学生時代に打ち込んだこと」「志望動機」がベスト3に挙がったとのこと。

これら3点については、よく求められる質問でほとんどの学生は準備しているようですが、失敗を恐れて文章を丸暗記して話すような対応は棒読みや早口、一方的な会話に陥りやすくマイナス。面接で大切なのは面接官との「言葉のキャッチボール」だといいます。

この「言葉のキャッチボール」は、パブリック・リレーションズ(PR)の定義を支えるキーワードである「倫理観」「双方向性コミュニケーション」と「自己修正」。まさに「言葉のキャッチボール」は、「双方向性コミュニケーション」と同じ意味を持つものです。

学業や研究・サークル活動、アルバイトなどの経験を話す時に気をつけたいのは「自分が成長した点」だけでなく「周囲の人とどう関わったか」にも言及すること。仕事が1人で完結することはほぼないので、面接官に「協調して業務をこなせる人材」と印象づけることが大切。

また、吉本編集長によれば「一番差がつくのは志望動機」。企業や業界、市場トレンドなどは即興で話すのが難しい。テレビや新聞、ネットのビジネスニュースと、各企業のホームページなどで事前にしっかり情報収集しておくとよいとのこと。

面接が1次、2次と進むにつれ面接官の役職が上がりますが、面接官の役職が上がると「企業の価値観に共感してもらえるか」をより重視する傾向にあるといいます。相手企業のホームページや報道記事などから経営トップのメッセージを把握しておきたいものです。

ノックの仕方などビジネスマナーを気にし過ぎる学生もいるようですが、まずは笑顔や元気なあいさつを心がければ相手にいい印象を与えられるといいます。
留意する必要がありますね。

■就活ファッションの心得
面接のマナーや身だしなみで気を付けることは何か?ビジネスマナー講座などを手掛けるYDサポートの美土路雅子さんは「なぜそうした方がいいのか理由を理解することが大切」と指摘しています。

例えば髪形。前髪は眉にかからないように、髪の長い女性は後ろで束ねて、などと言われますが、これらは「表情が明るく見える」という理由があるといいます。縁の太い眼鏡を避けた方がいいのは、眼鏡で相手が表情を読み取りづらくなるためだとか。

女性のスカートの長さは膝下数センチといわれますが、これは品があるというだけでなく人前で立ったり座ったりする際に自分のスカートの裾に気を取られずに済むという実用性もあるようです。面接官に好感を持ってもらうだけでなく、就活生自身にもメリットがあるようです。

6月になればますます暑さが増します。面接会場に汗だくで現れるのも見苦しいので、移動で汗をかきそうな場合は、あらかじめ汗が引く時間も考えて早めに行動したいものです。

米国の心理学者アルバート・メラビアンは、彼の著書『 Silent messages(邦題:非言語コミュニケーション)』の中で、非言語コミュニケーション(「言葉」以外の要素、すなわち、声のトーンや大きさ、ボディランゲージや 見た目の印象)の重要性を説いています。

同氏が「好意や反感などの感情を伝えるコミュニケーション」という特定の状況下において「相手が重視するのは何か」という実験の結果を下記のように発表しています。
・言語情報:メッセージの内容が7%
・聴覚情報:声のトーンや口調が38%
・視覚情報:ボディランゲージや見た目が55%

面接選考においては、面接する側も面接を受ける側にとっても言語情報が、より重要性をもつことはいうまでもないことですが、併せてビヘイビアについても気を使うべきことをメラビアンは示唆しています。

私もたびたび大学の教え子に就活のアドバイスをしたり、彼らから頼まれ志望企業の紹介をすることがあります。

その際必ず助言することは、単に企業に雇ってもらうのではなく、自分が仕事を通してその企業や社会に如何に貢献できるかをしつかり伝えることが重要であるということです。

そして、パブリック・リレーションズ(PR)の手法を使い、リレーションシップ・マネジメントを実践することの必要性を伝えるようにしています。

これから面接選考が本格化する時期を迎えますが、就活生の皆さんが体調管理に留意して、一日も早く志望する企業から内定を得られるよう願っています。

投稿者 Inoue: 14:06

2016年05月12日

パブリック・リレーションズ(PR)業界は人材不足?
〜世界に通用するPRパーソン育成を

皆さんこんにちは井之上 喬です。

ゴールデンウィークも終わり5月も中旬となりました。

「五月病」という言葉があるように、新年度4月から新生活スタートされた方は、ちょうど1カ月で疲れも出るころかと思います。

新緑が目にまぶしい季節、自分のペースをしっかり保ち、自信を持って五月病を吹き飛ばしましょう。

■PRニーズの高まりと人材不足
GW直前の4月27日付けの日経MJに、業界関係者にはちょっと刺激的な「敏腕 広報欲しい! ベンチャー、熱き争奪戦」との見出しの記事が掲載されていました。

リード部分を紹介しますと「広報担当が足りない。メディアへの露出を狙うベンチャー企業などが広報部門を相次ぎ新設し、足元の求人数が急増・・・・」と言うもの。

メディア・リレーションズを中心とするパブリック・リレーションズ(PR)にかかわる人材不足を指摘する記事でした。

記事の中では、経済広報センターが3年ごとに実施する調査委結果として「広報の人員が少ない」と言う悩みを抱える企業は2014年で2011年比7ポイント増の40%になった、と紹介しています。

それを裏付けるデータとして、エン・ジャパンでは2016年1?3月の広報の求人数は前年同期比で70%増加していると紹介しています。

日本のパブリック・リレーションズ業界にとって、業界自体の地位確立とともに、パブリック・リレーションズ業務を通じ社会貢献できる人材の育成は以前から急務でした。

公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会は、広く社会の発展に寄与するPRパーソンとしての知識やスキル、職能意識を有することを認定する資格制度として「PRプランナー資格認定制度」を導入し、2007年度からスタートさせました。

私の会社(井之上パブリックリレーションズ)でもPRプランナー資格を持つ社員が多く在籍していますが、協会によると累計でPRプランナー資格を持つ方は現在2000人を超えているそうです。

■人材育成はライフワーク
この制度の骨格づくりには、私も資格制度委員会メンバーの一員として深く関わってきました。

業界関係者がスキルアップも含め資格認定制度を活用することも重要ですが、業界の底上げのためにも学生や若い人たちがパブリック・リレーションズに興味を持つきっかけになることを期待したいところです。

そのためにもPRプランナー資格認定制度自体のさらなる充実と、制度自体の価値向上への取り組みを協会には期待したいと思います。

また、世界的に通用する質の高い実務家の輩出を実現するには、大学をはじめとする教育機関でのパブリック・リレーションズ講座の設置が必要とされます。しかし現状ではその数はまだ限られています。

私も「パブリック・リレーションズを通し社会に貢献すること」を企業理念に掲げ、会社経営に関わるとともに2004年から早稲田大学(一部大学院)でのパブリック・リレーションズ講義、2012年から京都大学経営管理大学院、今年は国際教養大学での同講義を通してこれまで2000人以上の受講生がPR業界だけでなくメディア、商社、政府機関など広く社会で活躍しています。

究極的には、幼児段階からのパブリック・リレーションズと近い意味を持つ、「絆(きずな)」教育にも力を注いでいきたいと考えています。

世界で活躍できるパブリック・リレーションズ(PR)パーソンの育成は私のライフワークであると強く感じています。

投稿者 Inoue: 10:00

2016年05月05日

四方洋さんの死を悼んで
〜人間味と慈愛に溢れたジャーナリストの帰天

こんにちは、井之上 喬です。

毎日新聞(2016年4月30日)の訃報で「四方洋さん80歳(しかた・ひろし=元サンデー毎日編集長)4月29日、特発性間質性肺炎のため死去」と報じられました。

つい2週間前の日曜日には、元気な姿をみせ、近くのお店でランチをご一緒しただけに、突然の知らせに心の整理がつきませんでした。

連休で東京を離れていた私は急ぎ5月2日、聖イグナチオ教会(千代田区麹町)で執り行われたお通夜に出席させていただきました。

四方洋さんとの初めての出会いは、四方さんがサンデー毎日編集長時代。私がパブリック・リレーションズ(PR)の仕事に邁進し始めた頃でした。

当時日本楽器製造(現在のヤマハ)の取締役広報部長の佐野雄志さんが急逝された際の遺稿集編集責任者として私のオフィスを訪ねてこられたのが最初でした。

以来今日まで40年に及ぶお付き合いになります。暫くお付き合いが途絶えたこともありましたが、偶然、奥様を通じてご近所同志であることが判明してから再び交流が深まっていったのでした。

■厳しく、優しいジャーナリスト
四方さんは、私が尊敬するジャーナリストの一人ということだけでなく、公私ともにお世話になった方です。

とりわけこの何年か一緒に仕事をする機会が多くなっていました。ご自身が蕎麦専門誌の編集長(季刊誌「蕎麦春秋」)だったこともあり蕎麦通で、休みの日には近くの行きつけのお蕎麦屋さんを二人で梯子しながら、時事問題を論じたり、危機管理やメディア対応などで意見交換したものでした。

こうした折に、四方さんのジャーナリストとしての厳しい視点とともに、人間性溢れる温かさや優しさを感じたものです。

四方洋さんは、京都府綾部市の出身で京都大学を卒業後、毎日新聞社に入社。社会部副部長、サンデー毎日編集長、学生新聞本部長などを歴任し、平成元年に退社。その後、東邦大学薬学部(人間科学)教授、高速道路調査会参与、町田市民病院事業管理者を経て、『蕎麦春秋』編集長。

著書に『土着権力』(講談社)、『離婚の構図』(毎日新聞社)、『いのちの開拓者』(共同通信)などがありますが、ジャーナリストとして、教育者として、また著者としての幅広い人生経験が、豊かな人間性の源泉になったのでしょうか。

写真:左から、在りし日の四方洋さん、北村憲雄さん、岡崎幸治さん、筆者、山根公高さん(昨年7月20日、「ナレオ・パーティ」にて)

写真:昨年7月、当社 設立45周年パーティーで祝辞を述べる四方さん

■「レッスン、オネ」のエピソード
四方さんの郷里は、京都綾部ですが、4年ほど前に当時立ち上がったグローバルビジネス学会の最初の全国大会に興味を示し出席いただいた際、私に話したことが今でも鮮明に心に残っています。

当日の朝、大会会場の早稲田大学国際会議場に向かう車の中で、「グローバルビジネス学会は英語と深い関係があるのに、私は英語が全くダメ」と終戦直後の新制高校一年生時の体験を語ってくれたのでした。

それは四方さんが当時通っていた高校が地理的事情で農業高校だったことからか、英語教師から受けたショッキングな体験でした。

新学期の最初の授業でその先生は英語の教科書を開き「レッスン、オネ」と第一声を発したのでした。その時、英語のたしなみがあるクラスメートから、「Lesson Oneの間違い」と教えてもらったと言います。

戦後の学制の混乱もあり、その教師の本職は漢文の先生だったにもかかわらず、急遽英語の授業に駆り出され、前述のように笑えない状況が作り出されたようです。

以来、この授業での体験がトラウマになり、社会に出ても英語に対する苦手意識がぬぐえなかったと言います。

そんな四方さんが、この学会には強い興味を示され、学会が注力する地方再生がこれからの日本にとって重要とし、昨年からグローバルビジネス学会の理事を引き受けてくださっていました。

四方さんは何年か前に大病を患ったことがきっかけで、カトリックの洗礼を受けたと言います。信仰を得たことで、これまで見えなかったものが見え、人生の味わいが大きく変わったと生前語っていました。

四方さん、これまで本当にありがとうございました。

四方洋さんの上に神の豊かな祝福がありますようお祈りいたします。

投稿者 Inoue: 20:01