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2015年10月29日

輝きの40代
〜来年のセ・リーグ監督の平均年齢は43.7歳

皆さんこんにちは井之上 喬です。

秋晴れの日が続いており、仕事にレジャーに様々な活動をするのには良い季節ですね。
ただ秋の花粉症には要注意。花粉症というと春のスギ花粉、ヒノキ花粉を連想しますが、ブタクサ(豚草)、ヨモギ、カナムグラなどの雑草やイネ科の花粉が飛ぶ「秋の花粉症」にもご用心ください。

秋と言えばスポーツの秋でもあり、ラグビーや野球、体操などの話題が毎日ニュースで流れています。

■若い感性に期待
プロ野球は日本シリーズたけなわですが、こうした中で来季に向けてすでに始動しています。

今年のストーブリーグでは、セ・リーグの新人監督人事が注目されました。顔ぶれを見ると、阪神の金本知憲新監督(47歳)、DeNAのアレックス・ラミレス新監督(41 歳)、そして巨人は高橋由伸新監督(40歳)の就任会見が10月26日に行われました。

これにより来季のセ・リーグ監督は、続投のヤクルト真中満監督(44歳)、広島の緒方孝市監督(46歳)、中日の谷繁元信監督(44歳)と6球団の監督全員がなんと40代、平均年齢43.7歳というフレッシュな陣容になっています。

ちなみにパ・リーグは楽天の梨田昌孝新監督(62歳)が最年長で、ソフトバンクの工藤公康監督(52歳)、日本ハムの栗山英樹監督(54歳)、ロッテ伊東勤監督(53歳)、オリックス福良淳一監督代行(55歳)、最年少の西武の田辺徳雄監督(49歳)も来年5月で50歳となり、平均年齢は54.2歳となっています。

企業の経営者も若返りが進んでおり、文字通り40代は働き盛り!といったところでしょうか。

40代で最近注目した人物に将棋の羽生善治四冠(45歳)がいます。

■知見と経験で潮目を読み切る!
10月26日に将棋・第63期王座戦五番勝負最終局が行われ、羽生善治四冠が佐藤天彦八段(27歳)をくだし、見事に4連覇を達成しました。これで羽生四冠は名人、棋聖、王位、王座と現在保持するタイトル全てを防衛したことになります。七大タイトル獲得は通算94期目で、相変わらずの強さには敬服します。

今回王座戦で対戦した佐藤八段は、今期最も勢いがある棋士とも言われており、対局前はさすがの羽生さんも危ういだろうと言われていたようですが、昨年と同じく最終局で勝負を制しました。

日本経済新聞で解説の豊川孝弘七段は、「シリーズを通して佐藤八段が押していたようにも見えたが、終わってみれば羽生善治。さすがの勝負強さというほかない」とコメントしています。

プロ野球、将棋と勝負の世界での40代を紹介しましたが、ビジネスの世界にも当てはまる要素があるのではないでしょうか。

私が生業にしているパブリック・リレーションズ(PR)の世界でも、日々の勉強と経験を生かし大きな潮目を的確に読み切り、一気呵成に攻めに転じることが重要です。

PRパーソンには幅広い知見や経験そして森羅万象を読み取る力が求められますが、40代の働き盛りの皆さんに負けないように、PRを通してよりよい社会の実現のために、これからも前に進んでいきたいと思っています。

投稿者 Inoue: 18:45 | トラックバック

2015年10月23日

「サステナビリティ」に関する国際シンポジウムから
〜1400余年も前から持続性は日本の伝統文化

皆さんお元気ですか、井之上 喬です。

先週イタリアのベネチア国際大学(Venice International University:写真)で、「サステナビリティに関する国際シンポジウム」(共催:アルカンターラ社、10月15-16日)が開催され、私もキーノートスピーカー、パネリストとして参加しました。

118の島々からなるベネチアの歴史は5世紀中ごろに始まりますが、会場は同大学があるサン・セルヴォロ島。

10か国を超える国の産業界、学術界からの専門家やポリシーメーカー、国連機関、NGO団体などで国際的に活躍する多くの関係者が集い、サステナビリティの重要課題に対処する議論が2日間にわたって交わされました。

また、アジア、ヨーロッパ、アメリカにおけるサステナビリティの現状や各国の規制の状況、また自動車産業とそのサプライチェーンにおけるサステナビリティがいかに変革の原動力となり得るのかなどについて熱く討論されました。

■シンポジウムで挙げられた3つの課題
1つ目は規制の枠組み。アジア、ヨーロッパ、アメリカにおけるサステナビリティ規制の主な違い。そして、これらの違いは今後、各地域におけるエコシステムへどう影響していくのかについて。

2つ目は財務への影響。企業が行うサステナビリティへの投資は、その業績にどのような影響を与えるのか。そして3つ目は、消費者にとってサステナビリティが、製品のプロセスや製品・サービスの選択を左右するほど重要な要因となっているのかどうかについてでした。

シンポジウムでは各国、各分野を代表した基調講演をはじめプレゼンテーション、双方向のラウンドテーブルやオープン・ディスカッションを通じて、それぞれの体験や実証的資料、公式の見解が前述の3つの課題を含めまとめられました。

シンポジウムはサステナビリティに関する共通のビジョン構築に貢献し、今後の活動の方向づけを行うこともでき、有意義な国際会議となりました。

写真右から呉燁(Ye Wu)教授(中国・清華大学環境学院)、ウンベルト・ヴァッターニ学長(ベネチア国際大学)、大聖泰弘教授(早稲田大学理工学部)と筆者


日本からの私以外の講演参加者は、自動車工学の専門家で早稲田大学理工学部の大聖泰弘教授、同時期にドイツ滞在中の世界初の燃料自動車Miraiのチーフエンジニアのトヨタ田中義和さんもビデオ・プレゼンターとして参加しました。田中さんは以前私の主宰する水素研究会水素燃料電池車(Mirai)についてお話しいただいたゲストのお一人。

私の基調講演では、「Japan's Tradition of Sustainability and a 2011 Tsunami Turning Point」をテーマにサステナビリティ概念の日本の伝統的な捉え方と、2011年3月11日に東日本を襲った津波が日本の諸政策に歴史的転換を促したこ
となどについてお話しました。


■脈々と流れる日本のサステナビリティ精神
以前、私のブログで「日本は世界最古の国家」であると紹介しました。日本の建国については諸説ありますが、考古学者たちが主張するように大和朝廷の基盤となる王権が畿内で成立した三世紀前期とした場合でも、1800年前となるようです。

建国だけでなく、創業1000年を超える企業が日本には7社もあります。世界的に見ても1000年以上続いた企業は12社で、上位6位までを日本企業が独占しています。

世界最古の企業は金剛組です。金剛組は寺社建築工事業を営む企業で、創業は飛鳥時代西暦578年に四天王寺の建立に携わって以来、1437年間も続いている組織体。

金剛組が今日まであるのは、これまで四天王寺が何回も火災に遭い、再建を通して建築ノウハウが後世に伝承されたとされています。

一方、伊勢神宮は20年に一度、建て替えします。その理由のひとつに「建築などの職人は30年で一世代がかわるので、師匠と弟子が技をゆずる期間を考えると20年に一度がちょうどいい」ということが挙げられているようです。

記録によれば神宮式年遷宮は、持統天皇が690年に行ったのが第1回目でおよそ1300年以上続いているとのこと。最近では、62回目の遷宮式が2013年に行われています。

持続可能性を意味する「サステナビリティ」は、近年、欧米を中心に企業活動分野でも広く用いられるようになりましたが、日本において同様な考え方が、既に1400年以上も前に存在し、これまで伝統として脈々と受け継がれてきたことになります。

また近江商人の経営理念に「三方よし」という江戸時代に由来をもつ言葉があります。「売り手よし、買い手よし、世間よし」というもので、売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということを意味しています。

近江商人が実践してきたこの理念は、パブリック・リレーションズ(PR)の根幹をなすリレーションシップ・マネジメントの萌芽といえなくはありません。

一般的にサステナビリティにはハード的側面とソフト的な側面があります。
これまで日本は幾多の困難に遭遇しながらも乗り越えてきましたが、先の大戦では、国土は完璧なまでに破壊し尽されたものの、こうしたハードウェアを失っても日本人の精神性やこれまで継承されてきた文化、技術などのソフトウェアは残りその後の「日本の戦後経済の奇跡」を起こす原動力となりました。

2011年3月11日の東日本を襲った未曾有の震災は、福島原発事故とも重なり、大参事となりましたが、一方で日本の産業やエネルギー政策に根本的な変革を迫り、日本はいま水素社会に向かって走り出そうとしています。

私たち日本人が長い時をかけて脈々と受け継いできた「サステナビリティ」は、水素社会実現のためのイノベーションに繋がることが期待され、さらに夢は広がります。

シンポジウムにおける私のスピーチを通して、人類の未来を支えるかけがえのない地球を次世代に渡すために、「倫理」「双方向性」「自己修正」を抱合するパブリック・リレーションズ(PR)が果たすべき役割への大きな期待を強く感じました。

投稿者 Inoue: 14:51 | トラックバック

2015年10月15日

NASAが「火星に水が流れている新たな証拠」を発見
〜宇宙開発の革新的な技術やアイデアのコンペも

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

米航空宇宙局(NASA)は先月28日、火星に液体の水が流れている新たな証拠を発見したと発表しました(9/29朝日新聞)。

同時に探査機が撮影した「水が形成したとみられるしま模様を示す写真」が紹介されていました。新聞やテレビでこの報道に接し、改めて火星に興味をもった人も多いことと思います。

■火星の生命探査の歴史
望遠鏡による火星観測に強い関心がもたれるようになったのは、19世紀後半から20世紀にかけてといわれます。火星の自転周期がほぼ24時間であることや四季の変化があることから、火星が地球に似ているという認識が生まれたようです。

当時は、明るい地形が陸地、暗いエリアは海と思われ、季節による色の変化は植物によるものと考えられたようです。やがて、火星表面にスジ状の構造が確認されると、これは火星に住む知的生物が建造した運河であるとする説まで登場してきました。

私が子供の頃、「火星人」といえばタコに似た生物をイメージしたものです。
これは、イギリスのSF作家によって書かれた1897年の小説『宇宙戦争』の中にタコのような宇宙人が登場しますが、そのイメージがそのまま定着したというのが有力な説のようです。

タコのような「火星人」はともかく、地球のすぐ隣の惑星に何か生物体が存在するかもしれないという想いに私は興奮し、火星に対する興味を深めていきました。

生物の存在を打ち砕いたのはマリナー4号でした。1965年にマリナー4号が撮影した火星の表面には、生物のいない荒涼とした砂漠が広がっていたこと。また、火星には生命にとって有害な紫外線を遮断する磁場が存在しないこと、加えて気圧が低く液体の水は存在できない等々、いずれも生物体の存在を否定する根拠が挙げられました。

その後も火星探査は続きます。1971年には、マリナー9号が火星周回軌道に到達。周回軌道上から約350日に及ぶ火星探査によって7000点以上の画像が得られたのです。

マリナー9号に送れること数日、ソビエト(当時)のマルス2号、3号が火星周回軌道に到達。米ソによる火星探査の競争が始まった時期です。

1976年には、バイキング1号が火星への軟着陸に成功。火星は高等な生物にとっては厳しい環境であっても、バクテリアのような生命体であれば火星にいるかもしれないという期待がもたれました。

1996年には火星からの隕石に生物の痕跡が発見され、NASAの研究者(デイヴィッド・マッケイ博士)が、火星起源の隕石に生物の痕跡らしき形状を確認したとサイエンス誌に発表。

2000年には火星からの隕石にバクテリアが生成する結晶が確認されました。 2002年、火星にメタンの存在確認、そして水の痕跡が2004年に発見され、2006年には数年前の新しい水流が、翌2007年には南極の氷が発見されます。

こうした発見を通して、火星での生命体の存在に期待が高まる中でのNASAの「火星に水が流れている新たな証拠」の発表は、「火星ファン」にとってまさに心躍る出来事でした。

■火星での居住施設の設計コンペで日本人建築家たちが最優秀賞
もう一つ、「火星ファン」の私をワクワクさせるニュースが最近ありました(10/10朝日新聞夕刊)。

NASAが、2030年代に火星で建設する宇宙飛行士用の居住施設の設計コンペを行っていて、ニューヨーク在住の日本人建築家、曽野正之さん(45歳)たち「Clouds AO と SEArch チーム」の作品が最優秀賞に選ばれたというものです。

コンペは、宇宙開発の革新的な技術やアイデアを一般から募る試みの一つ。NASAが35年ごろに計画する有人火星探査で、宇宙飛行士4人が1年間、火星に滞在すると想定し、安全で快適に暮らせる施設(約93平方メートル)を募集したもの。火星にある材料で宇宙飛行士の到着前にできていることが条件となっていたようです。

最優秀賞に選ばれた曽野さんたちは、火星の極地に大量にある氷に注目。ロボットが地下から削り取った氷を溶かして3Dプリンターに流し込み、壁などを作ることにした。居住空間は、厚さ5センチの氷壁をドーム状に二重に覆い、内部は4階建てで、キッチンやトイレ、寝室などが備わっているとのこと。

氷壁を採用したことで、昼は外光が差しこみ、夜は砂漠の一角に明かりがともったように見えるといいます。「人類が火星に到達した記念碑となる文化的で美しい施設を提案したかった」と話しているとのこと。

実際に建設されるには技術審査などに合格する必要があるようですが、何とも夢の拡がるニュースではないでしょうか。

私は今、ベネチア(イタリア)のマリオットグランドホテルで、このブログをしたためています。ベネチア国際大学が主催するシンポジウムで講演するために、一昨日、到着しました。

次回のブログでは、風光明媚なベネチアでのシンポジウムの様子や私の講演内容について紹介したいと思います。

投稿者 Inoue: 10:52 | トラックバック

2015年10月08日

連日の日本人ノーベル賞受賞でニッポンブランド大幅向上
〜世界市場での日本企業のブランド力はまだまだ

皆さん、こんにちは井之上 喬です。

今週は日本中を元気付けるニュースが続きましたね。

■大きなニュースが連続した1週間
そうです、日本人による連日のノーベル賞受賞のニュースには正直驚きました。5日には大村智北里大学特別栄誉教授が医学生理学賞、続く6日には東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章教授が物理学賞をそれぞれ受賞。

本当におめでとうございます。

ノーベル賞のほかにも環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意、「1億総活躍社会」の実現を謳った内閣改造などテレビや新聞などマスコミが大きく取り上げるようなニュースが集中しましたね。

このように大きなニュースが続くときは、時として我々パブリック・リレーションズ(PR)会社にとっては悩ましい事態になることもあります。

記者会見やプレスリリースでクライアント企業が新製品や新技術を発表しても、大きなニュースに呑み込まれてしまい、通常でしたら記事になりやすい情報も流されてしまうケースがあります。

ニュースを予測することは出来ませんから致し方ないといえばそれまでですが、発表に向けて準備してきた努力が水の泡になってしまうときもありますから、PRでの情報発信のタイミングを計ることは難しいですね。パブリック・リレーションズ(PR)がリアルタイム・」ソフトウエアーであることの一例といえます。

しかし、今回のノーベル賞連続受賞は世界に向けて日本ブランドを強くアピールしました。

■世界ブランドランキング上位100社、日本勢はわずかに6社
そんな中、10月5日にブランドコンサルティング大手の米国Interbrand社は "Best Global Brands 2015"として、世界のブランドランキング上位100社を発表。

このランキングは、グローバルなビジネス展開を行う企業を対象に,そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするもので,今年で16 回目の発表となります。

それによると、首位は3年連続で米国アップル、2位も3年連続でグーグル。 アップルのブランド価値 は1,702億ドルとなり,昨年に対し43%増加、2位のグーグルは同じく12%増の1,203億ドルとなっています。

3位はコカ・コーラ(前年順位3位)、4位マイクロソフト(同5位)、5位にIBM(同4位)、6位がトヨタ自動車(同8位)、7位がサムスン(同7位)、8位がGE(同6位)、9位がマクドナルド(同9位)、10位がアマゾンで前年の15位から大きくランクアップしています。

日本勢は、昨年燃料電池車(MIRAI)を発表したトヨタ自動車が順位を上げ、同社を含め6社がランクイン。6位に浮上したトヨタは2008年以来の最高位。一方で2001年から毎年ランクインしていたゲーム機大手の任天堂が初めて100位圏外になっています。

自動車大手ではホンダは19位(前年20位)、キヤノンが40位(同37位)、日産自動車は49位(同56位)、ソニーが58位(同52位)、パナソニックが65位(同64位)となっており日本の自動車メーカーの健闘が目立っています。

Interbrand社のグローバルCEOジェズ・フランプトン氏はプレスリリースで、人々のニーズやそれに対応するサービスが、加速度的かつ全方位的に細分化されてきているとし、今日の世界では、成功するブランドが有する要素にも変化がみられることを強調しています。

また同氏は、「革命的な技術の発展に伴い、人々が瞬時に、真にパーソナライズされた特別な体験を求める中、ブランドは同じ速度でその要求に応えなければならない、今回発表されたTOP100ブランドの多くは,直感的に人々のプライオリティを見定め、一人ひとりの生活の中に入り込み、そしてシームレスに関係性を持ち続けることによって、ブランド価値を高めることに成功している」とコメントしています。

ビッグデータIoTなどのキーワードに見られるように、現代は私たちがこれまでに経験したことのないスピードで変化しています。企業の価値、ブランド力もこの変化を先取りする必要があるのではないでしょうか。

価値観が大きく変化する、そんな時こそパブリック・リレーションズ(PR)の役割が重要になってきます。今回紹介した世界ブランドランキングでも、100位以内にランクしている日本企業はわずかに6社です。その要因には、他社との差別化を図った開発に加え戦略的なPR展開の欠如があるのではないかと痛感しています。

皆さんはどのように感じられましたか。

投稿者 Inoue: 19:48 | トラックバック

2015年10月01日

国慶節で10月1日から7連休
〜中国人海外旅行に対する中国・韓国メディアの視点

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

前々回のブログでは、6年ぶりの大型連休となったシルバーウィークについて記しました。今回は中国の大型連休における海外旅行について中国・韓国メディアの視点を交え紹介したいと思います。

中国では、10月1日から国慶節に合わせ7連休となり、海外へ渡航する旅行客が増大しているとのこと。9月26日(土)と27日(日)の中秋節後の3日間(28、29、30日)を休暇にして12日間という超大型な連休を取る人もいるようです。

こうした大型連休を背景に中国の旅行社では、懐具合が厳しい旅行客を取り込むため、頭金だけ払えば出発できる「ローン旅行」を新しい商品として打ち出したともいわれます。

日中両国で活躍するジャーナリストで私の友人でもある徐静波さんが発行兼編集人を務める「中国経済新聞」(9/15号)では、江蘇省揚州市内の旅行社数社の取材記事を載せています。

■団体旅行から個人旅行や自由旅行へ
同紙によると、この国慶節期間中に中国人が選ぶ旅行先として日本をはじめタイ、香港、マカオ、台湾、アメリカ、欧州への人気が高く、次いで韓国やインド、マレーシアがダークホース的な存在となっているとしています。

また、中国から日本へ旅行する多くの観光客は従来型の団体旅行に満足しておらず、「東京?大阪」というお決まりの訪日ルートから離れ、地方観光スポットへと拡散する傾向も出てきているといいます。

自分のペースで日程を組み、観光先も自分で選ぶといった中国旅行者がだんだん増えてきているとのこと。つまり、団体旅行から個人旅行や自由旅行への移行が強まっていると伝えています。

外国人観光客、特に中国人観光客を呼び込もうと、国内最大手の家電販売店「LABI」(ヤマダ電機)新宿東口館をリニューアルの件も下記のように紙面で紹介しています。

「家電はもちろん、お土産や国産時計・バックなどのブランド品、くすり・化粧品・日用品などを集めた総合ショッピングセンターとして中国人観光客の呼び込みを図っている。」

■日中韓3カ国の旅行者の違い
韓国のモーニングトゥデイ(7月28日)は、「日中韓3カ国の海外旅行者を区別する方法」として旅行者の異なる特徴について次のように紹介しており、興味深く読みました。

「中国人は非常にうるさいが、金は勢いよく使う。日本人は静かで、入念に比較して買い物をする。韓国人は他国の遺跡にハングルで落書きをして痕跡を残し、仏教寺院で賛美歌を歌い、金を使わずに帰る。」

中国人旅行者の旅行費用は世界平均の2倍以上で4789ドル(約59万円)。その特徴は、目的の行動を先ず決定し、それに必要な旅行費用を後で計算するともいわれています。

また、旅先での活動は、ショッピング(63%)、観光(61%)、夕方の外出(57%)が人気。中国人が主に行く旅行先は、日本(34%)、カナダ(34%)、韓国(31%)、香港(27%)、オーストラリア(26%)の順で、パッケージ旅行(35%)より自由旅行(65%)を好むことが分かったとしています。

今日(10/1)から始まる中国の大型連休「国慶節」。爆買いで注目を集める訪日中国人が日本で何を購入したいかについて株式会社ホットリンクが提供するレポートサービス「図解中国トレンドExpress」でまとめています。

ベスト3の中で、先ず1位は、酵素ダイエット食品/サプリメント。中国では「酵素」を使ったダイエット商品が最近人気となっており、中国で購入するよりも品質が良く、安全かつ効果があるということで日本の「酵素」製品が上位にランクされています。

2位は、文房具(消せるボールペン、高品質のメモ帳やノート)。日本の可愛らしい文房具は中国の若い女性に人気が高く、さらに国慶節の時期が新学期開始から1ヶ月後となり、お土産として文房具の需要が高まると見られています。

3位のカーメンテナンス用品も、以前から日本製品の人気が拡大しているカテゴリー。自動車の車内用芳香剤を例にあげると、日本で300 円で売られている商品が中国では1,200 円もするといいます。中国ではこれからアウトドアシーズンに入ることもあり、この時期に人気が高まる可能性があるようです。

周知の通り中国からの観光客は年々増加しており、2014年度の訪日中国人は240万人を超えています。前年度比約80%増(=100万人以上増)という驚異的な伸長を示し、対訪日中国人ビジネスが有望な市場であることを示しています。

2015年1月からは中国人観光客に対するビザの発給要件がさらに緩和されたこともあって、この勢いはさらに強まると予測されます。

中国・韓国メディアに示された中国人旅行者の新たな変化、つまり中心都市から地方観光スポットへの拡散やパッケージ旅行(35%)から自由旅行(65%)を好む傾向などを踏まえた新たな対応が事業関係者に求められています。

とりわけ日中関係においては、先の尖閣問題でも見られたように、リスクファクターも考えながらビジネス展開を行うことも危機管理上必要となり、パブリック・リレーションズ(PR)戦略の見直しが迫られています。

投稿者 Inoue: 18:10 | トラックバック