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2015年08月28日

大河ドラマ「花燃ゆ」佳境に
〜2018年の明治維新150年に向け「平成の薩長土肥連合」も発足!

皆さんこんにちは井之上 喬です。

台風の影響でしょうかあの残暑が信じられないほど、東京は涼しい日が続いています。特に夜は窓を開けたままにしていると、肌寒さも感じるほどです。

■やはりワクワクする明治維新モノ
さて日曜日の夜は定番ともいえるNHK大河ドラマ、2015年は「花燃ゆ」。
NHKホームページによると、明治維新期に活躍した志士を育てた吉田松陰と、その松陰を育てた杉家の家族が同家四女の文(ふみ)を中心に、多くの困難を乗り越えていった杉家の強い絆と、松陰の志を継いだ若者たちの青春群像がダイナミックなスケールで描かれている、と紹介されています。

8月30日放送のあらすじを見ると、「薩長同盟が成立し長州藩は薩摩藩から密かに武器を入手し、幕府との戦いに備え始めた。そしていよいよ幕府軍が長州に迫ってきた。兵の数では圧倒的に幕府軍が上だが、長州藩は武士から農民まで一致団結し、士気は高まっていた。だが、敵を迎え撃つ準備が追い付いていなかった。・・・」いよいよドラマは佳境を迎えてきたようです。

例年のことですが、この大河ドラマの舞台となった地方ではさまざまな観光イベントが展開され、大きな経済効果をもたらしています。

山口県が発表した2014年の観光客などの動向調査によると、観光客数は前年比1.9%増の約2900万人でこれまでで最高、5年連続の増加となったとのことです。

大河ドラマ「花燃ゆ」放送に関連した事前の売り込みなどが功を奏し、宿泊者数も2.5%増の約448万人とこちらも5年連続で最高を更新したとのこと。2015年は年間を通じさまざまな集客イベントが展開されていますから記録更新が期待されます。

そんな2015年の8月31日(月)、江戸幕府のおひざ元であった東京で非常に面白い記者会見が開催されます。

■新たな地方活性化の取り組みに期待
それは「明治維新150年に係る薩長土肥連携事業連絡会議」主催による、「平成の薩長土肥連合」の盟約締結式、および設立共同記者会見です。

ご縁があって私が経営する井之上パブリックリレーションズが、この楽しい記者会見の運営に携わることになりました。

「平成の薩長土肥連合」の設立経緯などを少しご紹介しますと、2009年10月に観光産業の育成・強化を目的に鹿児島県観光連盟と山口県観光連盟が盟約を締結し「薩長連合」が発足。

まずは両県での観光情報発信や観光客の誘致などの展開を開始。その後、平成30年(2018年)の明治維新150年に向けた連携拡大について高知県、佐賀県に打診し、2014年2月に「明治維新150年に係る薩長土肥連携事業連絡会議」が発足、今回の平成の薩長土肥連合の盟約締結に至ったとのこと。

広域観光ルート形成、相互誘客体制の構築など、観光需要拡大に向けた本格的な連携が始動することになり、新たな地域活性化の取り組みとして注目されます。

当日は東京の明治記念館で、明治維新150年に向け「薩長土肥」、現在の鹿児島県(薩摩)、山口県(長州)、高知県(土佐)、佐賀県(肥前)の4県が連携した新たなプロジェクトの成功に向け各県知事や観光団体代表者などが集結し出陣式が行われます。

地方創生を目的とした取り組みが日本の各地で展開されていますが、2020年の東京オリンピック開催に向け多くの外国人観光客が急増している今こそ、日本の歴史、文化などを理解してもらうのには絶好の機会だと思いませんか。

ひいてはそのような取り組みが私たち日本人にとっても、歴史を改めて考える良い機会になるものと思います。

さまざまな取り組みを効果的に情報発信する、国内外に向けたそんな役割もパブリック・リレーションズ(PR)に関わるものとして担っていければと考えています。

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著者:井之上 喬
井之上パブリックリレーションズ社長/京都大学大学院特命教授

投稿者 Inoue: 12:15 | トラックバック

2015年08月20日

まだ、夏休みに間に合う行楽地
〜東京エンタメ・スポットランキング

皆さんこんにちは井之上 喬です。

私は例年この時期、亡き母の故郷の瀬戸内海に浮かぶ美しい小島、「弓削(ゆげ)島」(愛媛県)で夏休みを過ごします。皆さんはどのような夏休みを過ごされましたでしょうか。

今年は高知や東京から大学の教え子やメディア関係者が来島し楽しい休みになりました。

さて今回は東京近郊をテーマにしたお話しです。
日経BP社発行の雑誌、『日経エンタテインメント』が東京近郊で行ってみたいエンタテイメント(エンタメ)・スポットはどこなのか?そして、実際行ってみて満足が高かったスポットはどこなのか?全国の男女1000人を対象に調査した結果を最近公表しています。

まだ夏休みが続きますが、これからでもご家族で、あるいは友人たちとお出かけする際に参考になればと思い、今回のブログでは日帰りで楽しめる東京のエンタメ・スポットを紹介します。

■ディズニーパークの人気が他を圧倒
「この夏、行ってみたい東京のエンタ・スポット」で、1位に選ばれたのは、東京ディズニーシーでした。2位は、東京ディズニーランド。いずれもオリエンタルランドが運営するディズニーパークが他を圧倒する人気を示す結果となっています。

得票数で見ると、回答者1000人のうち、約6割もの人がディズニーシーとディズニーランドの両施設に票を投じており、老若男女を問わず楽しめるという声が多かったといいます。

東京ディズニーシーでは8月末まで、スペシャルイベント「ディズニー・サマーフェスティバル」を開催。また、東京ディズニーランドでも8月末まで、ちょうちんに加え太鼓の音も流れる「ディズニー夏祭り」が開催されます。出かけてみてはいかがでしょうか。

3位は東京スカイツリータウン。高さ634mの東京スカイツリーを中心に300を超えるショップや「すみだ水族館」含む複合施設。「まだ行ったことがないから」(20代女性)、また、「お店や施設が充実しているから」(40代女性)という意見が数多く寄せられたとのことです。

4位に入ったのは三鷹の森ジブリ美術館。宮崎駿監督作品に代表される『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』など歴代のスタジオジブリ作品を展示しており、幅広い層に人気のスポット。

5位は東京タワー。東京スカイツリーに展望台としてのお株は奪われた感があるものの、今年3月にタワー内に大ヒットマンガ『ワンピース』をテーマにした大型テーマパーク「東京ワンピースタワー」を開園。オープンからからわずか48日で来場者が10万人を突破する人気ぶりで、「ワンピースの展示を見に行きたい」(20代男性)など、新たな客層を開拓しています。

以下、6位はリニューアルされた歌舞伎座。7位渋谷ヒカリエ、8位六本木ヒルズと商業施設が続き9位にはフジテレビ。今やフジテレビのあるお台場は一大観光スポットで夏休み恒例のイベント「お台場夢大陸」が8月31日まで開催中とのこと。10位は四季劇場がランクイン。

■満足度ランキングでは4?10位に変化
「満足度の高かった東京のエンタ・スポットランキング」のトップ3を見ると、1位は東京ディズニーシー、2位は三鷹の森ジブリ美術館で3位は東京ディズニーランドと先の「行ってみたいランキング」と順位的に大きな違いは見られませんでした。

しかし、4?10位に入ったスポットは、歌舞伎座を除いて、大幅に順位を上げています。それぞれの順位とその理由が記され、興味深いところです。

4位の四季劇場(行ってみたいランキングでは10位)は、『ライオンキング』や『アラジン』など劇団四季の公演を上演している常設劇場。8月9日に『サウンド・オブ・ミュージック』が開幕し、人気を高めているとのこと。

5位のキッザニア東京(同14位)は90を超える職業の中から子どもたちが好きな仕事に挑戦し、楽しみながら社会の仕組みを学ぶ体験型施設。子どもたちがいきいきと仕事に取り組む様子が見られ、親世代からの評価が高かったようです。

6位は国立能楽堂(同14位)で7位歌舞伎座(同6位)、8位東京宝塚劇場(同18位)、9位はニューヨークの"Blue note"を本店に持つジャズクラブ(行ってみたいランキングではベスト20圏外)で10位は浅草演芸ホール(同20位)という結果でした。

私は、「行ってみたいランキング」よりも「満足度ランキング」により関心を持ちました。4?10位に入ったスポットは、歌舞伎座を除いてそれぞれが大幅に順位を上げている点などです。

四季劇場やキッザニア東京、国立能楽堂、東京宝塚劇場、そしてBlue noteへの来場者は、それぞれの施設が提供するサービスのうち、どのようなエンタテインメント要素に満足や感動をしたのでしょうか?

このように来場者の満足度を分析し、そのデータを基にパブリック・リレーションズ(PR)を戦略的に構築し、継続的にPR活動を展開させることで「行ってみたいランキング」においても上位ランクを十分に狙えるのではないかと思います。

こうした分野においてもパブリックリレーションズの役割が期待されています。

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著者:井之上 喬
井之上パブリックリレーションズ社長/京都大学大学院特命教授

投稿者 Inoue: 20:01 | トラックバック

2015年08月13日

戦後70周年特集
〜今こそ倫理観が求められている

8月15日は終戦記念日。今年は戦後70周年を迎えます。

1941年12月8日未明(ハワイ時間7日)の日本軍による真珠湾攻撃に始まり、45年8月6日の広島、9日の長崎への原爆投下、そして14日のポツダム宣言受諾を経て、70年前の8月15日に戦争は終結しました。

その節目となる今年、政府は、「国民の命と平和な暮らしは守り抜いていく」として、新たな安全保障関連法案が7月15日午後、衆院特別委員会で採決が行われ、自民・公明両党の賛成多数で可決されました。

この法案の与党による強硬採決をめぐり、反対を叫ぶ野党議員に浜田靖一委員長が囲まれている映像は全国に流れました。

関連法案は、武力攻撃事態法改正案、周辺事態法改正案(重要影響事態法案に名称変更)、国連平和維持活動(PKO)協力法改正案などの改正案10本を束ねた一括法案「平和安全法制整備法案」と、国会の事前承認があれば、いつでも自衛隊を紛争地に派遣することを可能にする「国際平和支援法案」の二本立てとなっています。

安全保障関連の法律を安保法制といいます。安全保障問題は昔から議論されていましたが、なぜ今なのでしょうか?

政府は日本を取り巻く安全保障環境が激変したことを挙げています。北朝鮮の核・弾道ミサイル開発や経済成長を遂げる中国の軍拡、また尖閣諸島をめぐる日中の緊張、中国の領土拡張を狙う野心など。

一方、相対的に国力を弱める米国のアジア太平洋地域でのプレゼンスの低下に対し、日本は、自国の役割を拡大することで東アジアを中心とした平和構築を呼びかけています。

■あの戦争は何だったのか?
ここで70年の節目に明確にしておくべきことは、太平洋戦争(第2次世界大戦)はなぜ起こったのか、あの戦争は侵略戦争だったのか、あるいは帝国主義を標榜する欧米列強の来襲に対抗した防衛のための戦争だったのか、まず日本国民が歴史を通して知っておくことが重要だと思うのです。

「侵略の定義がはっきりしていない」と一部の学者が異論を唱えていることを捉え、侵略の事実をあいまいにすることは、日本軍が相手国への進攻によりアジア・太平洋地域で2,000万人ともいわれる尊い犠牲者をだした国々の国民に対して、あまりにも誠実さを欠くことにならないでしょうか?

日本自体も、310万人(首相官邸Web)の日本の軍人・軍属・民間人の命が失われましたが、戦争に導いた首謀者への自からの責任追及を行うことなく、戦勝国による極東国際軍事裁判の結果に異論を唱えることだけでは、戦争に巻き込まれた国の人々に対して、また日本国民にも無責任といえないでしょうか?

明治維新以来敗戦まで、 日本は欧米列強によるアジア諸国の植民地化に対抗するために富国強兵策をとり続けてきました。 人種差別的な白人国家との対峙は日本国民として理解できなくはありませんが、問題はその過程で起きた軍部の独走を国家として止めることができなかったことです。

フランス領インドシナ連邦(仏印:インドシナのベトナム・カンボジア・ラオスにまたがるフランスの植民地支配地域)、オランダの植民地であった蘭印(現在のインドネシア)、インド、ビルマ(現ミャンマー)などを欧米列強から解放するという高邁な理想のもとで、アジアに進出し、一部を解放したものの、結局は台湾などの一部の国や地域を除いて、日本軍主導の統治は、破綻をきたし現地の強い反発にあいます。

中国大陸での日本軍の侵攻は、侵略戦争以外の何物でもないことは、柳条湖事件(1931年9月18日に関東軍の謀略によって起こったとされ、満州事変の発端となる鉄道爆破事件)や盧溝橋事件(1937年7月7日に起こった日本軍と中国国民革命軍第二十九軍との衝突事件)などの日本軍の行為をみても明白です。

今月7日の読売新聞と産経新聞の朝刊には中曽根康弘元首相による寄稿が載せられ、その中でアジアとの戦争は「侵略戦争だった」と中曽根さんは明確に述べています。

いずれにせよ、相手の領土を戦場にして戦うことは、正当化できるものはありません。

私は戦前の満州国大連市で生まれたこともあり、中国人と仕事の関係に入る際には今でも、必ず日本の過去の行為について詫びることにしています。そうすることでより良い関係が築け、相手の心の癒しになればと考えるからです。

沖縄戦で敗れ、国民を道連れにしてまで最後の本土決戦を敢行しょうとした日本軍の行動には、戦国時代の織田信長と戦い、小谷城に籠城し一族郎党討死した浅井長政と変わらない精神性を感じるのは私だけではないでしょう。

また、従軍慰安婦問題が取り沙汰されるたびに、政府は「証拠がない」と言っていますが、8月10日(月)読売新聞朝刊「戦後70年」のコラムに次の興味ある事実が紹介されています。

当時の内務省地方局戦時業務課の事務官だった奥野誠亮氏(元法務大臣、102歳)が各省の官房長を集め、終戦に向けた会議をひそかに開き、「証拠にされるような公文書は全部焼かせてしまおう」といった奥野氏自身による談話です。
これについて紙面では、「ポツダム宣言は『戦犯の処罰』を書いていて、戦犯問題が起きるから、戦犯にかかわるような文書は全部焼いちまえ、となったんだ」と書かれています。

終戦時に政府内で多くの書類が焼却されていたことは、他の関連書物を読んでも明白です(堀栄三著「大本営参謀の情報戦記-情報亡き国家の悲劇、文春文庫」)。事実ではないことを証明することが難しい状況の中で、政府の主張は諸外国からみると滑稽にさえ思えます。

安倍首相にはこれらを頭に入れて戦後70年の節目にふさわしい「安倍談話」を14日には発表してもらいたいものです。詫びることなく、済まされることではありません。

■政府の対応には倫理観が欠落していないだろか。
「国民の命と平和な暮らしを守る」ために安保法制を進めるのか、そうすることは、「逆に国民の命を危険にさらす」とする意見が真っ向から対立しています。

平時から有事まで「切れ目のない対応」を掲げる政府は、安全保障法制の見直しによって自衛隊の活動拡大を目指す結果、法律が定める「事態」がいくつもできることになってしまったようです。

皆さんは、「存立危機事態」「重要影響事態」「国際平和共同対処事態」。それぞれの事態が何を指すか、理解されているでしょうか?
以下は、2015.04.18朝刊の朝日新聞記事から抜粋・編集したものです。

1)「存立危機事態」
日本が直接武力攻撃を受けていなくても、日本と密接な関係にある他国が武力攻撃され、これによって日本の存立が脅かされるような明白な危険がある場合。

2)「重要影響事態法」
いまの周辺事態法は朝鮮半島有事の際に、自衛隊が米軍を後方支援することを念頭に作られているが、日本周辺という事実上の地理的制限があり、支援対象も米軍に限られていた。今回の改正で、地理的制限を名実ともになくし、支援対象も米軍以外に拡大し、法律名も「重要影響事態法」に変更。

3)「国際平和共同対処事態」
政府は、自衛隊を海外に派遣する場合は、期限や具体的な活動内容を定めた特別措置法をその都度つくってきているが、今回、恒久法「国際平和支援法」を設置することで、「国際平和共同対処事態」には、特措法をつくらなくても戦闘中の他国軍に後方支援ができるようになる。

これら安全保障上の3つの事態を理解させることは簡単なことではありません。「切れ目のない対応」は結果的に状況把握を複雑化させ、時の政権による閣議決定だけで恣意的に進められる危険性は排除できません。 何よりも国民の理解と納得が必要だと思うのです。

現に国会での論戦を聞いていても、明確化されているとは言い難く、質問に答える関係閣僚の中でさえ解釈がまちまちで統一されておらず、複雑すぎる内容に国民の理解を得るには未熟にすぎるのではないでしょうか。

現在の状況をパブリック・リレーションズ(PR)の視点で捉えると以下のことが言えます。

政権には、「国民の声をよく聴き、国民が納得し安心して生活できるようにする」といった環境が国民に保障できていないと言いうことです。つまりパブリック・リレーションズを構成する重要な要素の一つである「倫理観」が欠落していることになります。

現代の欧米先進国で捉えられている倫理観は、「最大多数のための最大幸福」を追求する「功利主義」と、そこから外れたマイノリティに配慮し対応する「義務論」が補完するものです。

安保法制における政府の対応を見ていると、法案設立に「反対」する国民が「賛成」を大きく上回り半数に迫る中で強行採決する構図が浮かび上がっていますが、議会制民主主義ですから、国会は選挙で選ばれた議員が立法の際に投票により決定されることでは間違っていません。

しかしながら、あまりにも多くの国民が今会期中での拙速な立法化に反対しているなか、倫理観が正しく機能しているとは言い難い状況にあることも事実です。また与党内でこの問題が双方向的に議論されている様子も見えません。そうした環境では自己修正が正しく機能することは残念ながらありえないのです。

「政治はきれいごとだけではやっていけない」という言葉をよく耳にしますが、日本の将来の形を根底から覆すかもしれない法案制定には、せめて倫理観が機能したなかで国民や議会少数派の意見をよく聞き議論してもらいたいものです。

そこでこの問題への国民の関心度合いをみるため、参考までに最近行われた安全保障関連法案をめぐる各報道機関の世論調査結果を紹介します。

6?7月の各調査結果をみると、質問の設定は微妙に異なるももの、法案への国民の支持は依然として広がっていないことが窺えるとしています(7/14朝日新聞)。

共同通信の6月20?21日の調査では、法案に「賛成」が27.8%、「反対」58.7%。毎日新聞は7月4?5日の調査で「賛成」29%、「反対」は58%。朝日新聞の7月11?12日の調査結果は「賛成」26%、「反対」56%)となり、共同、毎日と同様に「反対」が過半数示しました。

日本経済新聞・テレビ東京は6月26?28日の調査で、法案そのものの賛否は尋ねていないものの、今国会で成立させる方針について尋ねた結果、「賛成だ」25%、「反対だ」57%となっています。

また、安倍政権が法案を十分に説明しているかとの問いでは、多くの調査で政権に厳しい数字が並びます。

共同通信は「十分に説明しているとは思わない」が84.0%(6月20?21日調査)、日経新聞・テレビ東京が「不十分だ」81%(6月26?28日調査)、読売新聞も「十分に説明していると思いますか」と聞き、「そうは思わない」80%(7月3?5日調査)、毎日新聞も「不十分だ」81%(7月4?5日調査)と、軒並み8割を超える結果となっています。

こうした影響もあって、毎日新聞が8月9日夜に発表した世論調査では、安倍内閣の支持率は7月の調査から3ポイント減の32%となり、第2次安倍内閣発足以来、最低となったと記しています。

この支持率低下は、憲法に反した集団的自衛権を含む法案の閣議決定や強行採決など国民の声や相手の視点を無視した結果とも言え、説明責任を果たしていくことの大切さを教えています。

このように「法案への説明が不十分」とする声が8割を超える状況の中で、政府が参院での60日ルールを適用し衆院で強硬採決することになれば、憲政に大きな汚点を残すことになりかねません。

第2次大戦で自国はもとより、周辺国に甚大な被害を与えた日本は戦後「戦争放棄」を国是として驚異的な経済成長を果たし、「戦争しない国日本」の海外への人道的支援は相手国から絶大な信用と尊敬を勝ち得てきました。そうした世界での信頼が失われ、日本国民の安全のための法制が、違った形で海外支援を行う自国民を脅威に陥らせることにもなりかねません。

こちらが軍事増強すれば相手も増強し際限のない軍拡競争になるのは明らか。日本は外交力を高め、様々なリスク要因を軽減することで、不必要な軍事的拡大を排除することができるはずです。

戦後70年の節目に、様々なメディアで終戦特集が組まれていますが、戦争の悲惨さを改めて感じさせてくれます。戦争はあらゆるものを破壊します。核の時代に生きる私たちはひたすら争いのない世界の実現に向かって一人ひとりが努力する必要があると思うのです。

米国の歴史家ジョン・ダワー氏は朝日新聞のインタビュー(8/4朝刊)で、「(中略)世界中が知っている日本の本当のソフトパワーは、現憲法下で反軍事的な政策を守り続けてきたことです」とし、日本の反軍事の精神は、政府主導ではなく、国民の側から生まれ育ったものであると語っています。

パブリック・リレーションズ(PR)は,目的や目標達成のために、「倫理観」「双方向コミュニケーション」「自己修正」の3つの要素を統合する、リレーションシップ・マネジメントですが、複雑化する社会(グローバル社会)で基盤となるものです。

以前このブログで「ジャパン・モデル」について書きましたが、課題先進国日本は、ソフトパワーで世界貢献し、あらゆる国と友好関係を築いていくことが日本の安全保障にもなり得るものと確信しています。 

発刊540号となる今回の井之上ブログは、戦後70周年特集として長文になってしまいました。最後まで通読いただき誠にありがとうございました。

投稿者 Inoue: 10:56 | トラックバック

2015年08月06日

メディア報道を通じて知る現実
〜デジタル化で加速するメディアの変貌

皆さんこんにちは井之上 喬です。

8月6日は70年前、広島に原子爆弾が投下された日です。原爆によって死亡した人の数は、約14万人と推計されています。9日は長崎原爆投下の日です。二度とこのような悲劇が起こらないことを願いながら黙とうをささげたいと思います。

■広島、長崎に原爆が投下されたのはいつ?
8月3日、被爆70年に合わせてNHKが行った世論調査の結果が発表になりました。

それによると、広島と長崎に原爆が投下された日付について聞いたところ、正しく答えられなかった人がそれぞれ全国で何と70%程度に上っていると、個人的には驚くべき数字が出ていました。

多くのメディアがこのニュースを取り上げていましたが、NHKは今年6月下旬に、広島市と長崎市、それに全国の20歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける方法で調査を実施。それぞれ1000人余りから回答を得たとのことです。

まず、広島に原爆が投下された日付について聞いたところ、「昭和20年8月6日」と正しく答えられた人は、広島で69%、長崎で50%、全国で30%だったとのこと。

また、長崎については「昭和20年8月9日」と正しく答えられた人は、広島で54%、長崎で59%、全国で26%だそうです。人類史上初の核兵器が広島、長崎で使用された事実が風化していくことに悲しみさえ覚えます。

あなたはこの現実をどう捉えますか?70年という年月が経過しましたが、あの悲劇は決して忘れ去ることのできないこと。次の世代にもしっかり伝えていく思い義務が私たちにはあると思うのです。

このような現実を認識させてくれるのはまさしくメディア報道に接したからに他なりません。

■米国ではニュースの担い手が変わっている現実
8月2日付の朝日新聞グローブは、私にとってちょっと気になる特集記事が掲載されていました。「米ニュースバトル 勝者はどこに?」との見出しで、記事の導入部分では以下のように触れています。

「世界のメディアの動きを先取りする米国で、ニュースをめぐるバトルが起きている。インターネット発の新たなメディアが、動画やソーシャルメディアを使った情報発信で億単位の利用者を獲得し、取材の現場でもテレビや新聞を脅かしている。ニュースの担い手は変わっていくのか。」

記事では、米国ホワイトハウスの記者会見室にVox、BuzzFeedなどの新興のオンラインメディアがトラディショナルなテレビ、通信社、新聞社に加え記者を送り込んでいること。

また広告市場でも、ネット広告が急成長していること、ピュリツァー賞でもデジタル系メディアが躍進していること、新興メディアに追い詰められ変貌を余儀なくされる既存メディアの動向などをワシントン・ポスト社長、ハフィントンポストCEOなどのインタビューを交え紹介しています。

記事中の解説部分の「ニュースメディア関連のキーワード」には、キュレーションメディア、ページビュー(PV)、ミレニアル、ユニークビジター(UV)、アプリ、ソーシャルメディアなど日本でもよく目にするようになったキーワードがいくつか紹介されており、改めて米国でのメディアの大きな変貌の一端を垣間見ることが出来ました。

キーワードはデジタル化です。日本でも7月に日本経済新聞が英国フィナンシャル・タイムズ・グループの買収を発表しましたが、活字離れとデジタル化、そしてグローバル化の進展が大きなきっかけになったことは想像に難くありません。

パブリック・リレーションズ(PR)にとって、ある情報をメディアを通し多くの読者、視聴者に伝えることの重要さは普遍的ですが、最近その流れが大きく変化したと感じることがあります。

フェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアの存在が日本でも急拡大し普及していることです。

情報の流れがこれまでとは異なってきています。
細述すると、ファーストフード・チェーン、飲食チェーンでの異物混入問題などがメディアで大きく取り上げられたのは記憶に新しいところですが、まずソーシャルメディアに情報がアップされそれが拡散し社会問題化し、それを受けて新聞やテレビが取り上げて追及するという情報の流れの変化です。

つまり情報の担い手が大きく変化し、新聞の宅配制度や全国ネットのテレビ網などが存在する日本では、情報への信頼性とともに均一化、画一化が特徴であったわけですが、デジタル化、グローバル化の中で日本がこれまでに経験したことのない転換点を迎えているのは確かです。

グローバル規模でのデジタル化の流れのなか、PRに携わる1人の人間として、科学の利器に押しつぶされることなく、SNSを上手に扱いより付加価値の高いビジネス創出に向け挑戦していきたいと感じるこの頃です。

投稿者 Inoue: 21:53 | トラックバック