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2014年04月24日

大学生、1日当りの読書「0分」が4割超
?読書時間の世界ランクでも日本は29位

みなさんこんにちは、井之上 喬です。

先日、朝日新聞(4月21日夕刊社会面)の「読書0分が4割超」という大見出しに目が留まりました。これは、全国大学生活協同組合連合会が全国の国公立および私立大学の学部学生8,930人を対象に調査し、その結果を集計・分析して紙面に載せたもの。

この調査によると1日の読書時間は26分台にまで減少し、読書時間「0分」の大学生が4割を超えたといいます。1カ月間の書籍平均購入費も過去最低で、読書よりも暇さえあればインターネットやゲームに熱中している昨今の大学生の実態が窺えました。

■暇さえあれば「スマホ」
通学時間や授業の空き時間には、多くの学生がスマホでニュースサイトをみたり、友達と情報交換したり、「ライン」、「ツイッター」、「フェイスブック」と、常に複数の交流サイト(SNS)で知人からの最新情報をチェックしているようです。

ある男子学生(19)は「本は月に1冊読むかどうか」。また、ある男子学生(20)は「休日は10時間以上をゲームに費やすこともある。幼稚園の頃から毎日のようにゲームをしてきた」、「ゲームより読書から得られる知識や語彙(ごい)の方が間違いなく多いと思う。でも、小説を読んでも登場人物が覚えられず、眠くなる」と答えています。

当然、こうした読書離れにより大学生が本に費やすお金も激減しています。80年代には1カ月当たりの本の購入額は、自宅生、下宿生ともに1人当たり平均5千円を超えた年もありましたが、徐々に減少し、昨年は自宅生が1740円、下宿生が1820円で、いずれも70年以降、過去最低だったとのこと。

私がパブリック・リレーションズ(PR)の講義をしている早稲田大学のキャンパスの近くに50年も続いている古書店があります。

前述の朝日新聞によると、その書店主の安藤彰彦さん(73)は、「開店以来、今の売り上げが一番悪い」。文学や哲学書を中心に約1万冊の古本をそろえていますが、ここ数年で来店する学生が激減しているといいます。

また安藤さんは、早稲田大学周辺には1970年代には古書店が50店ほどあったが、今では30店ほどに減ったとしています。「学生が本も読まずに社会に出ていくなんて。どんな世の中になっちゃうんだろうね」と懸念する安藤さんのコメントも紹介されています。

大学生の1日あたり読書時間の激減は、将来の日本人の思考能力低下につながることに危惧を抱くのは私たち大人だけではないはずです。複雑化するグローバル社会で起きるさまざまな課題の解決には、多面的な視点を持った思考力が求められるためです。

■歯止めをかけるか「大学読書人大賞」
米国ニューヨークにある調査機関、NOPワールドの「読書時間の国際比較」調査(2012年)によれば、1週間当たりの読書(活字媒体)時間の世界第1位はインド(10.7時間)だったと報告しています。

この調査は全世界30カ国で大学生に限らず13歳以上の3万人を対象に、個別面接調査により行われたもの。ちなみに世界平均は6.5時間でした。

第2位のタイ(9.4時間)に続いて上位は中国(8.0)、フィリピン(7.6)、エジプト(7.5)の順。
なんと日本は30カ国中で29位(4.1時間)。台湾(28位/5.0)、ブラジル(27位/5.2)などの後塵を拝しているようです。

日本人は「本好きな国民」といわれてきましたが、現実的には世界でも極めて読書時間が低い国ということになります。電子メディアの発達により若者が読書よりゲームに費やす時間が増え、さらにはソーシャルメディアの普及により、本を開くよりもスマホやパソコンによって情報を得る時間がますます増えていくようです。

こうした読書離れを背景に2007年10月、活字好きの大学文芸サークル部員が集まって大学生に「最も読んでほしい本」を投票と評論と議論によって選ぶ、「大学読書人大賞」が創設されました。

純文学、エンタメ、ノンフィクション、評論などジャンルは多岐にわたり多くの学生に隠れた名作を知ってもらい、学生が本に出会うきっかけをつくりたいという思いから生まれたといいます。

今年はGW明けの5月11日(日)に東京・神楽坂に集まって公開討論会を行い、「2014大学読書人大賞」が決定するとのこと。

現在、対象の候補に挙がっているのは、『昨日まで不思議の校舎』(著者:似鳥鶏、出版社:創元推理文庫)をはじめ、『こうしてお前は彼女にフラれる』(ジュノ・ディアス、新潮社)、『鳥葬 まだ人間じゃない』(江波光則、ガガ文庫/小学館)、『富士学校まめたん研究分室』(芝村裕吏、ハヤカワ文庫JA)、そして『マリアビートル』(伊坂幸太郎、角川文庫)の5作品。

パブリック・リレーションズ(PR)には、前述したようにさまざまな問題や課題を解決するための深い洞察力とさまざまな視点を持った思考力が求められます。このところ頻発する不正論文問題もこうした現状とあながち無縁でもないのかもしれません。

投稿者 Inoue: 16:40 | トラックバック

2014年04月17日

IoT、IoEそしてIoMe時代の私たち
〜夢の「量子コンピュータ」実現に日本人研究者の理論!

みなさんこんにちは、井之上 喬です。
東京の桜はソメイヨシノに代わり、八重桜が盛りを迎えています。桜前線も北上を続け、今は東北地方でソメイヨシノが見ごろのようですね。
年に1回のこのシーズン、大いに満喫したいものです。

近年パソコンの普及に加え、タブレットPCやスマートフォン(スマホ)が急速に拡大、私たちは日々、そのような情報端末からインターネットを経由しさまざまな情報を得ることが可能になっています。

コンピュータは私たちにとって身近な存在になっていると同時に、その技術革新には目を見張るものがあります。

そしてコンピュータ誕生以来の永遠のテーマなのかもしれませんが、コンピュータが人間の頭脳を超える日が来るのか?そしてそれはいつのことか?

■注目の将棋電王戦はコンピュータソフトが圧勝?
5人のプロ将棋棋士がコンピュータ将棋ソフトと団体戦で戦う「第3回将棋電王戦」(主催ドワンゴ)は、プロ棋士側の1勝4敗という結果で1カ月にわたる激戦の幕を4月12日に閉じました。

テレビをはじめさまざまなメディアでこの様子が情報発信されていましたから、ロボットアームのコンピュータソフトとプロ将棋棋士の対局を目にされた方も多かったのではないでしょうか。

第1局から第5局までの対局の様子を生放送したニコニコ生放送総視聴者数は実に213万4,258人を記録、プロ棋士側が1勝3敗1引き分けに終わった昨年の「第2回将棋電王戦」の時の200万3,753人を上回る結果となったと発表されました。

特に第5局の屋敷伸之九段 対 Ponanza(ポナンザ)の対局の総視聴者は71万3,147人を記録し、ニコニコにおける将棋番組史上最高の視聴者数だったということで如何に多くの人が、人間対コンピュータの頭脳戦に注目していたかがわかります。

将棋やチェス、囲碁の世界ではコンピュータソフトと人間の対局が行われ、どちらが勝った、負けたに注目が向けられがちですが、新たな高みへの別の追求の方法もあるのではないでしょうか。

最近では、人間の創造力とコンピュータの計算力を合わせた異次元の能力開発に目が向けられつつあるようです。

■日本発の「量子コンピュータ」
4月14日から3日間、横浜で開催された半導体の国際的なカンファレンス「COOL Chips」では、基調講演で語られた「量子コンピュータ」と「ニューロチップ」に注目が集まりました。

なかでも量子コンピュータは、量子力学を応用したコンピュータで、究極のコンピュータの1つとされています。4月15日の日経産業新聞の「量子コンピューター 夢のマシン突然実現」の記事中にある解説では「原子や素粒子といったミクロの世界で働く、人の日常の感覚では理解できない物理法則である『量子力学』の原理を応用したコンピュータ。1つのビットが0と1を同時に持てる量子力学の特性を生かし、圧倒的に高速に計算できる」とその凄さを表現しています。

1990年代から世界中で開発が進められてきたようですが、技術的な課題があまりにも多く従来は「早くても実現は21世紀後半」と言われていたようです。

ところが2011年にカナダのD-Wave Systems社が、世界で初めて商用の量子コンピュータの開発を発表、2013年には米航空宇宙局(NASA)、グーグルが導入したことで一気に注目の度合いが上がりました。

その突然の出現のきっかけになったのが、東京工業大学理学部部長の西森秀稔教授が生み出した理論だそうです。

詳しい内容については私があれこれ解説するより日経産業新聞、日経コンピュータ(4月17日号)をご参照ください。しかし、「スーパーコンピューターでも解けない『組み合わせ最適化問題』が解ける可能性がある」夢のコンピュータは、世界中の交通渋滞を解消するなど私たちの社会生活にも大きなインパクトを与えると期待されています。

今年のキーワードでメディアを賑わしているなかにIoT(モノのインターネット:Internet of Things)、そしてIoE(Internet of Everything)があります。

これらに加えて、毎年1月ラスベガスで開催される世界最大の家電見本市International CESを主催するCEAチーフエコノミストのショーン・デュブラバック氏が先ごろ来日した折に「IoMe(Internet of Me)」という概念がヘルスケア分野を中心にアメリカで話題になっていることを口にしていました。

技術革新のスピードに限界がないことを強く感じるとともに、インターネットやコンピュータなしでは私たちの生活はいまや考えられない時代になっていることを感じます。

人の頭脳をコンピュータが超える的な発想ではなく、量子コンピュータなどを駆使しビッグデータをうまく分析、活用することで、さまざまな人類の課題が解決される時代が到来するのも夢物語ではないかもしれません。

そんな時代の到来のきっかけが一人の日本人の研究者の発想から生まれようとしています。なんと素晴らしいことでしょう。

投稿者 Inoue: 16:08 | トラックバック

2014年04月10日

急ピッチで進む大学の授業改革
?ネットで無料配信する授業も普及

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

入学、新学期の時期を迎え、新たらしい環境に胸を膨らませている学生の方も多いことと思います。今回は、日本経済新聞社が主要な国公私立大学149校の学長(理事長)を対象に実施したアンケート調査を基にお話します。

対象となった149の大学(回答は146大学)は、いずれも同社グループがこれまでに実施した各種調査で、卒業生の満足度や地域貢献度などが高く評価された大学だとのこと。

■学生の多様化に対応
このアンケート調査からは、学生の意欲や知的好奇心を高めようと、教養教育や体験・双方向型授業の拡充、インターネットを活用した講義の導入など急ピッチで授業改革を進める大学の姿が垣間見られました。大学全入時代の到来を背景に大学間の統廃合が進む中で、学びのスタイルが大きな変りつつあるようです。

学長に今後拡充する教育分野を複数回答で聞いたところ「教養教育」が91.1%でトップにランクされました。グローバル社会で活躍する人材には深い教養が必要だとされており、大学が社会の要請を意識していることが窺えます。

第2番目は、就職など出口を見据えた「キャリア教育」で79.5%。以下、「大学院教育」(75.3%)、「専門教育」(71.9%)と続きました。

授業改善(FD:Faculty Development)活動の具体的な取り組みの中で、旧来型の大教室での講義に代わって注目を集めているのが、体験や社会活動などを取り入れたアクティブ・ラーニングやPBL(Project-Based Learning:課題解決型学習)。

こうした授業は、「全学部で実施している」(68.5%)と「一部の学部で実施」(29.5%)を含めると、ほぼ全ての大学で行われていることになります。アクティブ・ラーニングなどの具体的な内容は「グループワーク」(95.1%)、「プレゼンテーション」(94.4%)、「フィールドワーク」(91.6%)がいずれも9割を超えるものの、欧米などの大学で一般的な「ディベート」は69.2%とやや少なかったと報告されています。

■学生に求めるのは主体性
大学が学生に求めるものは「主体性がある」、「基礎学力がある」、「コミュニケーション力がある」が上位となり、将来、国内外でリーダーとなる人材を育てようという狙いが明確に表れていると報告されています。

逆に、学長から見て現在の学生に欠けているポイントとして、「グローバルな視点」、「主体性」、「積極的である」が上位に挙げられています。「真面目さ」、「協調性がある」を挙げた学長は少なく、「真面目で協調性はあるが、主体性や積極性、グローバルな視点に欠ける」といった印象を学長らは今の学生に持っているようです。

また、改革の一つとして大学の授業をインターネット上で無料配信するMOOC(Massive Open Online Course:大規模公開オンライン講座)も、米国を中心に急速に広まってきており、日本でも普及する機運の高まりが認められます。

日本の大学では3割近い大学が強い関心を寄せ、参加に向けて動いているようです。東京大学は昨年9月から、京都大学は今春、世界の有力大学が名を連ねる米国のMOOCで講座を配信しています。国内でもNTTドコモなどが立ち上げた日本版MOOCは4月開講で、10を超す大学が参加を表明しているといいます。

私が副会長を務めるグローバルビジネス学会(Society of Global Business:http://s-gb.net)は、グローバル化に対応する人材育成を目的に、知見・経験豊富な専門家により2012年に設立されています。

現在我が国は、企業活動を国内重視から海外重視へと大きく舵を切ろうとしています。地球規模の変化が顕著となり、グローバル化が加速する中で各分野における新たな変化に対応できる人材育成が、我が国の喫緊の課題となっており、これに対応したものです。

今回紹介した大学の授業改革から私たちが期待する人材がより多く輩出されることを期待しています。

グローバルビジネスは、単に国際的な事業展開を行うことにとどまらず、企業や個人が、経営資源を活用して目的達成のためにさまざまな地域のステークホルダーと良好な関係構築を行い業務遂行することにあります。

また、多様な価値観が混在するグローバル社会にあっては、倫理観に支えられたコミュニケーション能力に加え、必要なときに自らを修正できる機能を有するパブリックリレーションズ(PR)の役割はますます重要となります。

投稿者 Inoue: 14:15 | トラックバック

2014年04月04日

グローバルビジネス学会、京都での第2回全国大会成功里に終了 ?統一テーマは「日本型クリエイティブサービスのグローバル化?世界に広がる日本のおもてなし」

皆さんこんにちは井之上 喬です。

新会計年度を迎えたのと時を同じくして、東京の桜は一気に開花しソメイヨシノは満開に咲き誇っています。会社近くの名園・新宿御苑の桜も今週が見ごろで多くの人達が桜を愛でに訪れています。私が経営する井之上パブリックリレーションズでは、弁当付き花見を新宿御苑で行うのが恒例となっています。日本人にとって心うきうきする季節ですね。

先月、私が副会長を務めるグローバルビジネス学会の第2回全国大会が、場所を昨年の早稲田大学から京都大学に移し、3月22日(土)と23日(日)の2日間にわたり開催されました。


■京都ならではの嗜好も
今回の統一テーマは「日本型クリエイティブサービスのグローバル化?世界に広がる日本のおもてなし」。共催は京都大学経営管理大学院で、初日の会場は芝蘭会館(稲盛ホール)、2日目は吉田キャンパス総合2号館でプログラムされました。

後援は、今回から外務省が新たに加わり、経済産業省、中小企業庁、日本貿易振興機構(JETRO)、独立行政法人中小企業基盤整備機構、公益法人日本ニュービジネス協議会連合会、財団法人アジアフードビジネス協会、日本ベンチャー学会、特定非営利活動法人日本教育再興連盟。

初日は橋本大二郎氏(グローバルビジネス学会評議員・慶応義塾大学特別招聘教授)の総合司会で進められました。京都市の「京都観光おもてなし大使」を務める妙心寺退蔵院副住職の松山大耕氏による基調講演に始まりました。ちなみに退蔵院は宮本武蔵ゆかりのお寺です。

続くパネルディスカッション「関西流おもてなしとグローバル市場」ではパネリストに松山氏のほかに、井上勝之氏 (公文教育研究会 経営企画室 室長)、輿水精一氏 (サントリー酒類株式会社ブレンダー室チーフブレンダー)、村山卓氏(株式会社ユー・エス・ジェイ マーケティング本部営業部ジェネラルマネジャー)といった関西系企業で活躍する方々を迎え、モデレーターの前川佳一氏(京都大学経営管理大学院特定准教授)のもと関西流とグローバルと言う、ユニークなテーマ設定のもとさまざまな分野で活躍している皆さんのディスカッションは示唆に富んだものでした。

松山氏の「茶道で言う『お点前』を超えたところに日本型の良さがある。型を知ってそれを超越する『型破りな企業』が京都に老舗が多い理由なのかもしれません」との分析は非常に興味深いものでした。

また、午後の部では笹谷秀光氏(伊藤園取締役CSR推進部長)による「グローバルな共有価値創造戦略?伊藤園のお茶のおもてなしと世界のティーカンパニーへの取組みを例として」、田中秋人氏(アジアフードビジネス協会理事長)の「日本型クリエイティブサービスとアジア展開」、グレゴリー・クラーク氏(多摩大学名誉会長)の「日本文化と経営」そして丹羽宇一郎氏(前伊藤忠商事会長)による「日本の将来の核心は教育にある」など内外で活躍する各界を代表する有識者の講演などが行われました。

初日の最後は、小林潔司京大院教授(当学会理事長)と坂田優子さんによる、祇園の紹介といま人気No.1の舞妓紗月さんの日本舞踊が披露されるなど、京都ならではのプログラムも組まれました。

■さまざまな分野で熱い議論を展開
2日目は、グローバルビジネス学会員による12の研究発表と1つの特別セッションが行われました。

研究発表は6つのカテゴリーに分けられ6名の担当座長が進行を務めました。
『エネルギー問題とグローバル化』では、日本を代表する水素研究者の山根公高氏の「水素エンジンから見た液体水素燃料の有効性、安全性と多量生産・移送の可能性」、そして仏エネルギー会社TOTAL-FINA-ELFの前極東代表de Mestier, Hubert氏の「An Energy Mix Strategy to Secure Japan's Future in the Global Economy」

また『ものづくりのグローバル展開』では、サンヨーの宮本琢也氏の「総合電機メーカーの研究開発体制の歴史的変遷」、前関西学院大学院教授の北村秀実氏の「日本企業のグローバル化を支える3つのチカラ」。個人的には北村さんの提示する3つのチカラの重要な要素として位置づけられる「パブリック・リレーションズ(PR)」の捉え方に関心を持ちました。

さらに『グローバル化時代におけるエンタテイメント』では、京都大学院特命教授の湯山茂徳氏の「エンタテインメントの原理」、「グローバルビジネスにおけるエンタテインメントの役割」。

『グローバル化に向けた組織整備』では、京都大学生の戸村翔一氏の「大学生組織における人材育成並びにチームビルディング」また出雲市役所の三加茂圭祐氏の「地方におけるインバウンド・ツーリズムの推進に向けて」。

『地域・文化のグローバル化への影響』では大学教授の朴熙成氏の「韓国化粧品ODM/OEM企業のグローバル化に関する一考察」、前メリアルジャパン社長のMichel Lachaussee氏の「Managing a foreign company in Japan: lessons for Japan’s business transformation」

『投資・社会制度とグローバル化』では国際弁護士井上葵氏の「投資協定仲裁の発展と課題」、そして元マッキンゼー、現AZCA, Inc.社長の石井正純氏の「シリコンバレー・エコシステム の活用による日本企業のコーポレートベンチャリング」などグローバル化をテーマにしたさまざまな講演が行われました。

また私がモデレーターを務めたTPPフォーカスの特別セッション「国際経済連携協定研究会?日本はTPPにどう取り組むべきか?」では、4月のオバマ大統領来日前の日米政府間による最終的協議が行われる中でのセッション。

昨年秋にスタートさせた研究会では、これまで2回にわたってTPP交渉に関する緊急提言を行っています。

近藤剛氏 (研究会座長:伊藤忠商事株式会社理事、元日本道路公団総裁)による中間報告の後、同氏を加えたパネルディスカッションにはGreenwood, Jr., C. Lawrence氏(元APEC米国大使)、林康夫氏(JETRO顧問/元JETRO理事長)、中野憲一氏(弁護士 アンダーソン・毛利・友常法律事務所)、浅川芳裕氏(ジャーナリスト・山口大学農学部非常勤講師)を迎え、農業自由化に集約した活発な議論が展開されました。

紙面の都合で多くをご紹介できないのが残念ですが、この2日間の大会は、私に多くの収穫をもたらしました。

特に印象に残った話は、松山副住職の京都にある老舗企業の話です。

創業200年以上の老舗企業が3000社強と世界でも断トツの日本のなかでも京都の占める割合は4%で日本一だそうですが、松山副住職はその背景について覚醒的な話をしてくれました

「常にお客様を向いている。継続を最優先に優秀な人材を常に採用し続けてきた。本業で社会に貢献するCSRを重視する企業観。超長期的視点。人間を主体とした経営観」などが企業の持続性を支えているとしています。

この話は、企業経営においてこれまでの人材をコストとみなし、利益やプロセス・手順を重視する「アルゴリズム型経営」から、人材を資産とし従業員を大切にした「社員の成長は会社の成長」とする新経営概念、「ヒューリスティック型経営」に他ならないと感じさせるものでした。

古臭いと感じる老舗企業の経営こそ、今の日本企業の閉塞感を脱する一つの解があるように感じました。

そう言えば京都を拠点とする企業の経営者には、パブリック・リレーションズ(PR)に欠かせないストーリテリングができる経営者が多い気がします。古都京都に日本の未来の方向性を見た2日間でした。


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投稿者 Inoue: 14:22 | トラックバック