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2013年09月26日

「社長100人アンケート」から
?「有望視する市場」の首位はインドネシア

秋分の日が過ぎて、朝夕の涼しさを感じる季節になりました。皆さん、元気にお過ごしでしょうか。

9月7日(日本時間8日早朝)のIOC総会で2020年の夏季オリンピックとパラリンピックの東京開催が決定し、日本列島に明るい話題が拡がっているようです。こうした中で、「アベノリンピクス」という新しい時事用語も生まれています。

これは、「アベノミクス」と「オリンピック」を掛け合わせた造語。命名したのは慶應義塾大学教授で政府の産業競争力会議議員も務める竹中平蔵さん。

安倍首相が進める「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、そして「民間投資を喚起する成長戦略」の3本の矢に加えて、東京五輪による経済効果の後押しが「第4の矢」になるといった意味合いです。

■44.4%が海外生産拡大の意向
日本経済新聞社が行っている「社長100人アンケート」の中にも明るい話題を見ることができます。

「社長100人アンケート」の調査結果を載せている紙面(9月24日朝刊9面)では、社長100人に今後の生産方針を聞いたところ、「海外生産を拡大する」との回答が44.4%となり、前回の6月調査より約11ポイントもの大幅増になったと伝えています。

一方、「国内生産の拡大」については、7.5%にとどまる結果となっています。当面、40%弱の企業が今年度の国内設備投資を昨年度より増やす計画があるものの、中・長期的には海外生産を重視していく方針のようです。

「アベノリンピクス」が本格的に始動して東京都のインフラ整備(空港・鉄道・道路)、クリーンエネルギー化、観光需要の拡大、カジノ合法化、リニア新幹線の着工などの好材料が揃ってくれば、国内向け投資意欲もこれまで以上に高まってくるのではないかと期待されます。

今年度の設備投資について「社長100人アンケート」では、東南アジア向けで増額が目立ち、「有望視する市場」はインドネシアが首位。

市場の成長力を見据えてインドが2位で、次いでタイ、ベトナム、ミャンマーの順に関心が集まっています。

「海外生産地」としては、東南アジアへの注目度が高く、設備投資を増やすとの回答は38.4%と米国(19.9%)や中国(19.8%)を上回っています。

中国については、反日感情や金融制度の動揺などの懸念材料があるものの販売縮小を検討しているのは1.4%、生産・調達の縮小検討は4.8%と、私にとっては予想外に低い結果となりました。

為替相場の理想的な水準については約半数が「1ドル=95円以上105円未満」と回答。ほぼ現在の為替相場を、経営上のリスクが少ない水準とみているようです。

■積極的な女性管理職増大への取り組み
もう一つ、この「社長100人アンケート」から明るい話題をお届けします。

それは、「短時間勤務制度の拡充」(72.6%)、「産休・育休明けの復職支援体制の拡充」(67.1%)といった女性管理職を増やす積極的な企業の取り組みが調査結果に表れてきたことです(複数回答)。

政府の成長戦略では「女性役員を上場企業に1人」といった目標を数値化するなど産業界に対して、積極的な女性登用を働き掛けています。自民党の政策提言でも、指導的な立場につく女性の比率を2020年までに30%にするとしています。

日本企業の女性の管理職・役員への登用・活用は世界的に見て大きく遅れているのが現状です。

昨年のこのブログで「OECD(経済協力開発機構)加盟国における女性管理職比率は、フィリピンの54.8%を筆頭にアメリカ42.7%、フランス38.5%、ドイツ37.8%と軒並み30%を超える中で日本は10.6%にとどまっています。」と記しています。

まして、女性取締役の国際比率ではトップのノルウェー44.2%に比べて日本は、OECD加盟42カ国中で韓国の1.5%に続く38位でわずか1.4%と情けない数字になっています。
日本の次がバーレン、アラブ首長国連邦、カタール、そしてサウジアラビアの順で中東諸国が続き、「日本女性の社会進出は中東国家なみ」といった評価が生まれる背景にもなっています。

先ずは、東京五輪が開かれる2020年までに自民党の政策提言通りに、指導的な立場につく女性の比率が30%になることを期待しています。

このような場合、パブリック・リレーションズ(PR)の手法を取り入れ、内外に自社の取り組みを積極的に伝えていくことで組織内がドライブし、目標達成を確実なものにすることができます。

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■グローバルビジネス学会からのご案内■
第15回セミナー:藤?一郎前駐米大使が語る!「国際情勢の読み方」
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投稿者 Inoue: 12:12 | トラックバック

2013年09月19日

東日本大震災、福島第一原発事故を風化させない!
?汚染水対策に自衛隊投入と大型タンカーの活用を

皆さんこんにちは井之上喬です。

先週末はせっかくの三連休でしたが大型の台風18号が日本に上陸、各地に大きな被害をもたらしました。被災された皆さんに、心よりお見舞いを申し上げます。

テレビでは京都の名勝地嵐山の様子を何回も映していましたが、これまでに経験したことのないような大雨で、今にもあふれだしそうな桂川の水の勢いは想像を絶するものでした。その映像を見ながら脳裏をよぎったのは福島の東京電力福島第一原発の汚染水問題でした。

■オリンピック招致活動に影を落とした福島第一原発汚染水問題
東日本大震災そして東電福島第一原発事故発生から2年半が経過し、地元からは一向に進まない復興作業への不満とともに、東日本大震災の風化を懸念する声が高まっています。

そのような状況下で「フクシマ」をクローズアップさせたのが、皮肉にも2020年の東京オリンピック招致活動でした。

東京は2020年のオリンピック招致レースをスペインのマドリード、トルコのイスタンブールと争いましたが、都市基盤が整備されていること、治安の良さなど安全、安心面とともに財政力をアピールし優位な戦いで最終コーナーを迎えていました。

しかし、IOC総会直前になって福島第一原発の汚染水問題が「メルトダウン以来の最大の試練」(ウォールストリートジャーナル)などと海外メディアでも大きく取り上げられ、オリンピック招致レースの大きな懸念材料に浮上しました。

最終的にはIOC総会で安倍晋三首相が最終演説の中で福島第一原発の汚染水問題に触れ、「状況はコントロールされている。汚染水による影響は福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメートル範囲内でブロックされている。今後も東京にダメージを与えることはない。私が保証する」と明言し福島第一原発汚染水問題の不安を一掃し、結果的にオリンピック招致レースで圧勝しました。

汚染水対策はいわば首相自らがその解決を保証し、自らの「国際公約」として世界に責任を持ったのです。

しかし、9月14日の朝日新聞朝刊トップ記事に見られるように、安倍首相の発言に対し、東電の山下和彦フェロー(技術顧問)は「想定を超えてしまうことが起きているのは事実。今の状態はコントロールできていないと考えている」と述べ、福島第一原発の汚染水対策問題での迷走ぶりを露呈しています。

また、現場は被爆線量の問題もあり人員が足りないとの報道も流れています。

■問題解決に大胆な発想と決断を
政府は、9月10日に平成25年度予算の予備費約205億円強を支出し遮水壁の整備と多核種除去設備を整備することを閣議決定しました。

合わせて「廃炉・汚染水対策チーム」(チーム長:茂木経産相)を設置し追加対策をまとめるとともに、いまさらながら海外メディアへの情報発信の仕組みも整えるとしています。

しかし、いま政府には安倍首相の「国際公約」を早期に実現するための英知が求められています。

そこで私からの提案です。まず、自衛隊の投入です。

「野戦病院のような状態」(東電相沢副社長談)の福島第一原発の汚染水対策を、東電任せではなく政府が本腰を入れるのであれば、早急に相当規模での自衛隊の投入を決断してはと考えます。

自衛隊が一企業のために?など様々な問題点もあるかと思いますが、元来福島の現在の状態は民間企業一社で解決するレベルをはるかに超えています。

戦後自衛隊は、全国で地震や水害などが起きると必ずと言っていいほど現地に派遣され復旧に力を貸していました。1959年の伊勢湾台風、1964年の新潟地震、そして1995年の阪神・淡路大震災など自衛隊が災害などの復旧で果たした役割は計り知れません。

また組織内には、対応にあたる人員はもとより多くの経験と知見が蓄積されているはずです。

今こそ放射能汚染の専門部隊も持つ自衛隊を福島第一原発汚染水問題対策に投入すべきではないでしょうか。

また、汚染水の保管を東電敷地内に設置していますが、急場しのぎのタンクのようで、あちこちで汚染水漏れが始まっています。1日400トン増える汚染水を保管するタンクが敷地内で一杯になるのは時間の問題。

設置後まだ数年しか経っていない段階でこの状況となっており、今後、汚染水漏れが次々と起こり処置不能になることも想定しなければなりません。

汚染水タンクは現在1000基あり、試算では2016年末までに原子炉の冷却水と地下水で160万トンの汚染水が出ると予測されています。タンクの容量は1基1000トンで1600基が必要になる計算になります。

政府は汚染水処理対策委員会を開き対応を検討しているようですが、思い切り発想を変えて、タンク汚染水の保管に今のフランジ型タンクではなく、例えば大型の50万トンクラスのタンカーを活用してはどうでしょう。

1日400トンの汚染水をタンカーに移し、そこで放射能を除去し、分離された真水は海洋に廃棄(厳格な検査による)、固形化された高濃度放射性廃棄物は陸地の中間処理施設に持ち込む。この工程をタンカー内でシステム化します。

Wikipediaによれば大型タンカーは船体全部がダブルハル(二重船殻)構造になっているようですが、船倉での汚染水漏れが起きないよう十分な対応をします。

係留場所やタンカー自体の維持費などクリアしなければならないハードルもあるかと思いますが、今の陸上のタンク方式に頼ることには限界があるなら、こんなアイディアもあるのではないでしょうか。

国際レベルでさまざまな英知を結集し福島第一原発汚染水問題を解決する。それなしに2020年の東京オリンピックの成功はないと思うのです。

投稿者 Inoue: 13:12 | トラックバック

2013年09月12日

祝!「2020東京五輪」開催決定
〜真の意味でのオールジャパン実現を

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

周知の通り国際オリンピック委員会(IOC)は、現地時間7日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで第125次総会を開き、2020年夏季五輪・パラリンピックの開催地に東京を選出しました。

東京とイスタンブールとの決選投票後の発表セレモニー(日本時間8日午前5時)でIOCのジャック・ロゲ会長が封筒から取り出した“TOKYO 2020”と書かれたカードを示して「トウキョウ」と発表した瞬間のどよめきと喝采は、総会会場にとどまらず日本全国で巻き起こりました。

歓喜の大歓声とともに、日本が久しぶりに一つの目標を達成し一体になった瞬間でもありました。皆さんは東京開催決定の瞬間をどのように迎えたのでしょうか。

私は8日早朝5時に起床、すぐテレビのスイッチをひねると、各局が総会会場での発表シーンが繰り返しながら関係者のコメントを紹介している光景を見て、ひさしぶりに心底から熱いものがこみあげてくるのを感じました。

前回東京オリンピックが開催された49年前は、丁度、早稲田大学に入学した年に当たります。東京で2回、オリンピックを観られるのは何と幸運なことでしょうか。

■東京オリンピック出場を夢見た高校時代
水泳に青春を捧げた私の高校時代。当時は、1964年東京オリンピックに出場する夢を抱いていました。できれば山中毅さんを始め多くのオリンピック選手を擁していた早稲田大学に入り、よき指導者を得てオリンピック出場をと考えていたのでした。

こうした背景もあって東京オリンピックでは、特に競泳に興味を持ちました。競泳自由形で、4つの金メダル獲得と3つの世界記録更新という快挙を納めたドン・ショランダー選手(米国)や平泳ぎのイアン・オブライエン選手(豪州)、女子自由形のドーン・フレーザー選手(豪州)らのパワフルで美しい泳ぎに魅了されたことを憶えています。

いま私は、16ページに及ぶ9月8日発行の読売新聞社の特別号外(但し、8ページ相当は広告)を手にして、東京開催決定を知った瞬間の感激を想い起しています。

この号外には2020年東京五輪開催のニュースだけでなく、「1964年東京五輪 名場面」と称して当時の写真が掲載されています。

最終聖火ランナーだった早稲田大学陸上選手の坂井義則さん、男子マラソンで金メダルを獲ったエチオピアのアベベ選手と円谷選手(銅メダル)。

東京の魔女と呼ばれ回転レシーブを武器に金メダルに輝いた、大松監督率いる女子バレーボール・チーム、柔道無差別級決勝で神永選手を破り金メダルに輝いたオランダのヘーシンク選手等々。

私の脳裏に刻まれた数々の栄光のシーンが甦りました。

■100%脱石油五輪の実現を
今回の東京招致のプレゼンテーションでは、コンパクトな開催計画を始め交通網などの都市基盤が整っていることや治安の良さ、安心・安全面とともに強い財政力を強調することで多くのIOC委員からの支持を得ることができました。

東電福島第1原発の汚染水漏れ問題も、安倍首相が安全性を訴えるなどして乗り越えたようですが今後の大きな懸念材料として残っています。また、尖閣問題や竹島問題などで生じている中国や韓国との軋轢や安倍政権のタカ派的なイメージは国際社会で増幅されつつあります。

「平和な国日本」や「安全」といったわが国のイメージが損なわれてきた事実は否めない一方、日本は地球温暖化に起因する異常気象による環境破壊など深刻な状況にも直面しています。

そこで2020年東京五輪に向け思い切った提案があります。

2020東京五輪の会場は、電気や動力源として100%脱石油とし、代わりに「水素」で発電したり、会場の電気や管内を走る自動車やバス、トラックなどすべてを燃料電池車(水素を使うが動力は電気モーター)や水素タンクを搭載した「水素自動車」、「水素バス」、「水素トラック」に仕上げ、フォークリフトに至るまで水素を燃料として走らせます。

新しい会場が湾岸に面していることも考え、風力発電や太陽光発電などもふんだんに取り入れます。

もちろん、期間中のごみは隣接のバイオマス機能を持ったごみ焼却炉で循環させます。日本では2015年から、燃料自動車が商用化され水素社会に向けてドライブがかかっていますが、今後さらに加速することが予想されています。

先日、私の私的勉強会「水素研究会」でお話しいただいた千代田化工は、2020年から水素を使用した発電所を稼働させる計画をすすめています。また、昨年秋には世界初の「ガソリン混合の水素エンジン自動車」が日本のベンチャーから発表されています。このように100%脱石油五輪を実現する要素技術は着々と揃ってきているのです。

水素社会の到来は2040年頃とされていますが、100%脱石油五輪という国家的な目標を掲げて取り組めば、私の提案の実現は決して夢ではありません。

こうした夢の実現を後押しするのも私たちパブリック・リレーションズ(PR)専門家の役割です。「2020東京五輪・パラリンピック」開催に向けて、私たちの業務領域は一段と拡がりを見せています。

国際社会が模索している水素社会のありようを、まず東京がオリンピックという世界中が注目する最高の舞台で示すことができれば、東京での開催が計り知れないほど大きな意味をもつものとなります。

今回の五輪東京招致は「政財界を巻き込んだオールジャパン態勢の勝利」だったといわれています。猪瀬東京都知事の招致にかける執念やチームジャパンのメンバー、安倍首相をはじめとする政府関係者や経済界のサポート、そして多くの国民の願望が勝利に導いたと言えます。

猪瀬知事はあるテレビインタビューの中で、「2020東京オリンピックではライフスタイルを提示したい」と抱負を語っていましたが、オールジャパンで取り組む東京オリンピックの成功は、メダルの数だけではなく世界で初めて、100%脱石油五輪が実現することにあるのではないかと私は考えます。

投稿者 Inoue: 12:27 | トラックバック

2013年09月05日

「0.07秒」の記者会見
?できるだけ正確にそして早めの対応が肝

皆さんこんにちは井之上 喬です。

9月になったというのに東京は厳しい残暑が続いています。また、埼玉や千葉、そして昨日は栃木の一部で竜巻の被害が、また西日本や中部地域などでは記録的な大雨の被害が報道されるなど、これまでの日本では考えられないような異常気象が頻発しています。

先週のブログ
でもお話ししたように、地球は深刻な病いを抱えているとしか言いようがありません。人間の考えが及ばない自然の領域ですがとても心配です。

■なぜイプシロンの打ち上げが中止になったか?
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、8月27日に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げ予定だった新型の固体燃料ロケット「イプシロン」は、打ち上げ予定のわずか19秒前に異常を検知し打ち上げを中止しました。

イプシロンとはどんなロケットなのか?毎日新聞社が発行している10歳からのニュース学習誌「月刊Newsがわかる」の9月号を参考にすると、「固体ロケットとしては7年ぶりの打ち上げで、小惑星の探査機「はやぶさ」を運び世界最高と評されたM(ミュー)5の後を継ぐ」

また、「打ち上げも機体もシンプルさが特徴だが、なかなかどうして、新時代を予感させる期待のエースなのだ」と、イプシロンを紹介しています。

イプシロンは、これまでの日本のロケット技術のいいとこ取りをして、開発費用と開発期間の短縮を図った固体燃料ロケットで、開発期間は2006年に引退したM5の7年から3年に短縮されるとともに、打ち上げ費用はM5の75億円からほぼ半分の38億円に削減。

さらに最先端の人工知能を搭載し自己点検機能も搭載し「安くて手軽、パソコン1台で打ち上げ?」と、1955年の糸川英夫博士による日本のロケット開発の歩みの中でも新たなタイプのロケットとしてイプシロンは期待されています。

8月30日のJAXAの記者会見の記事を見ると「イプシロンの打ち上げ中止は0.07秒の遅れが原因」とあったので、素人ながら非常に驚くとともに不思議に思いました。

1回のまばたきに要する時間が0.3秒だそうですから発表された0.07秒がいかに短いかがお分かりになると思います。おそらくそのまま打ち上げていたとしても、順調に進んでいたのではと思われます。

今回の原因はと言えば、どうやら管制室のコンピュータが起動信号を発信、機体側のコンピュータがこれを受けて起動し、センサーを使って機体の姿勢を測り、計算処理しその結果を受けた管制室のコンピュータが発射の可否を自動診断するシステムのプログラムの中に問題があったようです。

本来であれば送信側と受信側で演算遅延とか送信遅延が発生することを加味しなければならないところを、考慮せずにタイマー設定で互いにゼロ秒にしてしまったことが0.07秒の遅れとなり打ち上げ中止となったようです。(書いていても難しいですが)

結果的には一般人には難しいですが、ある意味でヒューマン・エラーだったようです。

■記者会見はメッセージ発信に大きな威力を発揮
記者会見の席上でJAXAのスポークスパーソンは、「ずれを見落としていたということか?」と言う記者の質問に、「はっきり言うとそうです。そもそも、ずれがあることに思いが至っていなかったので見つけられなかった。ずれに気付ける人がいなかった」と率直にヒューマン・エラーだったことを認めたようです。

率直に問題を認めたこの対応は、当たり前に見えるかもしれませんが組織ではなかなか難しいことだと思います。

パブリック・リレーションズ(PR)において、情報を内外に伝えるための記者会見は通常ニュースバリューの高い新製品や新技術を多くの記者に発表する場として非常に効果的です。

また今回のJAXAのような緊急で危機管理的な状況の中での記者会見は、記者の関心も高く当然のことながら発表内容には正確性を期した細心の注意が必要になってきます。

当日は新型ロケット「イプシロン」の打ち上げを見ようと、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所周辺には見物客1万5000人を詰めかけていました。子供の夏休みの宿題や絵日記のテーマにと、遠方から現地を訪れた親子づれも少なくなかったようです。

記者会見でのコメントには、こうした人たちに対する配慮はあったのでしょうか。将来、宇宙を目指すことになるかも知れない子供たちが納得できる分かりやすい説明は行われたのでしょうか、気になるところです。

一般的にメディアへの初動対応(メディアへの第一報提供までの時間)は、危機発生後30分以内が勝負といわれています。事故が人命に直結する航空業界では、米国系の会社のように7分で対応できる体制をとっているところもあります。

記者会見はパブリック・リレーションズ(PR)の中のメディア・リレーションズで対応されるものです。

これまで多くの危機管理的な状況での記者会見を経験してきましたが、緊急の際の記者会見の鉄則は、出来るだけ早く、出来るだけ最新のそして正確な情報を企業のトップや担当責任者から真摯に公開することに尽きると思います。

投稿者 Inoue: 12:06 | トラックバック