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2012年07月30日

ロンドン五輪開幕、大和撫子の活躍に期待
〜女性管理職・役員の登用が企業成長戦略のカギに

皆さんこんにちは井之上 喬です。

ロンドンオリンピックが開幕しました。時差の関係で深夜から早朝にかけて決勝が行われることが多いとのこと、寝不足に加えての猛暑、どうぞ体調管理にはお気を付けください。

ロンドンオリンピック日本チームの先陣を切ったのが、サッカー日本女子代表なでしこジャパン。初戦の強豪カナダ戦に2対1で快勝、弾みをつけました。その流れを受けサッカー日本男子代表は優勝候補のスペインに1対ゼロの大金星を挙げました。AFP通信は「オリンピック史上最大級の番狂わせ」と報じ日本代表を絶賛しています。

さまざまな競技に参加する日本選手団が、日ごろの練習の成果を十分に発揮できるよう祈りたいものです。

■女性管理職比率はフィリピンの1/5、米国の1/4
今回のロンドンオリンピックの日本選手団は総勢293人、このうち女子が156人と男子を上回っており、なでしこジャパンを筆頭にここ数年の日本女子選手の国際舞台での活躍の結果とみることもできます。

スポーツの世界からビジネスの世界に目を向けると、世界市場で競争力を維持し成長するためには女性の力が不可欠なことが改めて認識されています。

日本企業の女性の管理職・役員への登用・活用は世界的に見て大きく遅れているのが事実です。

管理職における女性比率は、OECD(経済協力開発機構)加盟国が、フィリピンの54.8%を筆頭にアメリカ42.7%、フランス38.5%、ドイツ37.8%と軒並み30%を超える中で日本は10.6%にとどまっています。

また女性取締役比率となるとノルウェーの44.2%、スウェーデン21.9%、ブルガリアの17%などに大きく後れを取り、OECD加盟42カ国中で韓国の1.5%に続く38位でわずか1.4%と情けない数字になっています。

その一方で「単に女性役員を増やせば良いと言うものでもない」と反論する方も多いかと思いますが、アメリカのNPO Catalystや日本の東洋経済の調べでは、女性取締役の登用、女性管理職比率が高い企業の収益伸び率は相対的に高いことが判明しているそうです。

さらに興味深いのは、イギリスのリーズ大学ウィルソン教授の研究です。すくなくとも女性役員が1人以上いる企業は破綻リスクを20%減らすことができると分析しています。

■ダイバーシティは待ったなしの経営課題
企業規模を問わずグローバル化が待ったなしの日本企業にとって、多様な人材を活用し、イノベーションを継続させ、その結果として世界市場で成長企業となるためには“ダイバーシティ(異文化と多様性)”の促進が大きな経営課題になっています。

経済同友会(代表幹事:長谷川閑史 武田薬品工業社長)は今年5月に「『意思決定ボード』のダイバーシティに向けた経営者の行動宣言 ?競争力としての女性管理職・役員の登用・活用?」と題する提言をまとめています。

まず提言での意思決定ボードとは、「経営や事業の意思決定に関る役割を担うメンバーを表し、具体的には部長、役員(取締役、執行役、執行役員)を指す」と規定。

そのうえで意思決定ボードのダイバーシティは、グローバル経営戦略の重要な要素であり、経営者自らが実現すべきテーマであるとしています。

そしてその実現のために、2020年までに女性役員の登用も視野に入れて「女性管理職30%以上」の目標を、企業が率先し達成するために努力する、との行動宣言を掲げています。

さらにこの目標実現に向けて、各企業が目標値を自ら掲げ女性管理職・役員の登用・活用を進める、女性管理職・役員の人数・比率および各社の目標値をIRやCSRレポートなどで積極的に情報公開するとし、ダイバーシティの促進が今後の大きな経営戦略であると位置づけています。

特に重要なポイントは、情報の開示。日本企業の女性の管理職・役員への登用・活用が世界的に見ても遅れているのは事実で、そのなかで目標設定しその結果を積極的に情報公開するのはなかなか勇気のいることです。

皆さん、ご自身のまわりを見てダイバーシティの進展はどう感じられますか。

ある日本企業の経営者が面白いことを言っていました。「わが社のイノベーションについて部長クラスの会議を行ったが、メンバーは黒や濃紺のスーツを身に着けたおじさんばかりで改めて愕然とした」とのこと。

おじさんが悪いのではありません。「何か新しい取り組みをしようとするときには、性別や年齢、そして国籍にとらわれない異なった考えの結集が不可欠」だと思うのです。

私が籍を置いているパブリック・リレーションズ(PR)業界はどうだろうか、そして私が経営する会社はどのような状況だろうか、このレポートを読みながら女性の皆さんのエネルギーがこれからの日本にとって欠かせないことを再認識しました。


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井之上喬著「パブリックリレーションズ」(2006年3月、日本評論社刊)は、おかげさまで5月30日付で第6刷が発刊されました。ご愛読ありがとうございます。

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2012年07月23日

「人事トップが求める新卒イメージ調査」から
?企業の期待は国際性や教養を備えた人材

こんにちは井之上 喬です。
関東地方も梅雨明けとなったようですね。

今年の就職活動(就活)は、経団連が昨年3月に「採用選考に関する企業の倫理憲章」を見直し、従来10月だった説明会の解禁時期を、12月へ遅らせたため例年より2カ月遅れの日程でスタートしています。

就職情報サイト「マイナビ」の調査によると、6月末時点で「内々定」を得た2013年卒業予定の全国大学生・大学院生は、前年同月比4.2ポイント増の50.3%となったとのこと。ただ回答者には、就活に熱心な学生が多いため、実際の内定率はこれより低くなるのではないかと見られているようです。

現在、大手企業の選考は一段落したものの、中小企業はこれから本格的な採用に乗り出す時期で、大学生の就活は「第2ラウンド」を迎えています。

こうした時期に日本経済新聞が「人事トップが求める新卒イメージ調査」をまとめ、7月16日の紙面で紹介しています。

■人材育成で企業注目度No.1は国際教養大学
この「人事トップが求める新卒イメージ調査」は、日本経済新聞社が主要企業の人事トップ(人事部長以上)を対象にアンケート調査を実施。136社から回答を得て集計したもの。

「人材育成の取り組みで注目する大学」については、秋田県の公立大学「国際教養大学」が35社から選ばれNo.1。2位は東京大学で13社、3位は立命館アジア太平洋大学(APU)で10社から選ばれています(3社までの複数回答)。

上記3校以外では早稲田大学が4位(9社)、慶應義塾大学が5位(7社)、立命館大学が6位(5社)で、そして一橋大学、京都大学、大阪大学、金沢工業大学がいずれも7位(3社)という結果でした。

国際教養大学は2004年に、元東京外国語大学長の中嶋峯雄さんを学長に迎え入れ秋田県秋田市に開校。ほぼすべての授業を英語で行い、学生に1年間の海外留学や国内の寮で外国人留学生らと共同生活することを義務づけています。

立命館アジア太平洋大学(APU)は、2000年に大分県別府市で開校。同大学は外国人留学生が学生の約半数を占め、学部講義の約80%を日本語と英語の両方でおこなっているとのこと。

企業の真相者に対する期待が、国際性や海外で活躍できる教養を備えた人材に集まったようです。

■企業が一番求めるのは、「コミュニケーション能力」
大学新卒者の採用において、企業側が求める人材像についての質問では、1位が「コミュニケーション能力」(59.6%)、次いで2位は「チャレンジ精神」(54.4%)、3位以下は「主体性」「行動力」、「意欲・情熱」と続きます(3つまでの複数回答)。

面白いことに「専門性」は2.2%しかなく、「幅広い知識」はゼロ。専門知識の有無や豊富な情報量よりも、上司や同僚と上手くコミュニケーションがとれ、前向きに仕事ができるかどうかが重要視されているようです。

就職・採用活動の最終段階である面接において企業側が重視するポイントは、「質問に対する的確な答え」が80.1%と最も多く、次いで2位は「自己アピールの中身」(54.4%)、3位は「臨機応変の対応力」(49.3%)の順。

こうした調査結果について、大学と人事コンサルティング会社の専門家は次のようにコメントしています。

「コミュニケーション能力やチャレンジ精神を求める傾向は海外でも出ている。答えのない問題の答えをチームで見つけるような作業のできる人材の需要が、先進国では特に高まっているのだと思う。」(大学准教授)

「コミュニケーション能力ならば、かつては日本語や英語で会話できればよかった。グローバル経済が進む現在では、異文化で育った人間と対等に議論しあえる人材が必要とされる。」(人事コンサルタント)

企業側が1位に挙げた「コミュニケーション能力」は、パブリック・リレーションズ(PR)のインフラともいうべき基本要素。そのコミュニケーションに「目的」と「戦略性」、そして「双方向性」、「倫理観」を加えるとパブリック・リレーションズ(PR)へと発展していきます。

大学の4年間で高度な「コミュニケーション能力」を身につけることは難しいことです。私の所属する学術団体「グローバルビジネス学会」( http://s-gb.net )は、世界経済の発展に寄与する人材の育成を目的に今年4月設立されました。社会人だけではなく大学生にとっても「コミュニケーション能力」を高め、パブリック・リレーションズ(PR)を学ぶ最適な場ともいえます。

国際教養大学が創立された年の2004年は、私が早稲田大学で初めて「パブリック・リレーションズ論」の教鞭を執った年。これまで千数百人の受講生が卒業し、さまざまな分野で活躍しています。

企業側が求める人材像の1位に「パブリック・リレーションズ能力」となる日が、一日も早く来ることを願っています。その時の日本は、「個」の確立した強力な国になっているはずです。

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投稿者 Inoue: 17:39 | トラックバック

2012年07月16日

「災害ではなく人災」の福島原発事故
?国民の関心を高めた徹底した情報公開

こんにちは井之上 喬です。
皆さんいかがお過ごしですか?

7月に入って日本の将来を左右しかねない重要な発表が相次いで2つありました。ひとつは東電福島第一原発事故の原因究明に関する国会事故調査委員会(黒川清委員長、以下国会事故調)からの最終報告書で、5日に衆参両院議長に提出されました。もうひとつは、2020年までの政府の成長戦略を盛り込んだ「日本再生戦略」で、その原案が11日に公表されています。

国会事故調は、昨年3月11日に起きた福島第一原発事故の原因究明のための調査・提言を行うために日本の憲政史上初めて国会に設置された、政府から独立した国民のための調査機関。

一方「日本再生戦略」は、昨年10月、閣僚や経済界の代表で構成する野田首相直轄の「国家戦略会議」を設置して議論を開始。菅前内閣による「新成長戦略」をさらに発展させた内容となっています。今後、この原案を国家戦略会議で煮詰め、月内の閣議決定を目指しています。

■政府・東電の責任を強調
事故調の報告書は641ページ( http://naiic.go.jp/ )。調査は延べ1167人の関係者に900時間を超えるヒアリングを行うとともに、東電福島第一原発をはじめ第二原発、東北電力女川原発、日本原電東海第二発電所に対する9回に及ぶ視察の結果をまとめたものです。

報告書では、根源的な原因は「自然災害」ではなく明らかに「人災」であると断定し、地震・津波対策を立てる機会が過去、何度もあったのに、政府の規制当局と東電が先送りしてきたと政府、東電の事故対策の甘さや対応の不備を厳しく批判。

また、報告書には政府の危機管理体制の抜本的見直しとして、政府の指揮命令系統を一本化。政治家の場当たり的な介入を防ぐしくみを求めるなど7つの提言も盛り込まれました。

細野原発事故担当相は6日の閣議後の記者会見で、この東電福島第1原発事故に関する最終報告書について、「東電と政府双方に責任があるとした事故調の指摘は妥当だと思う」と述べています。

報告書の内容は翌6日の各紙紙面のトップ記事として大きく採り上げられました。皆さんもテレビで見たり記事を読まれたことと思いますが、どのような感想を持たれたでしょうか。

黒川清委員長が主宰する国会事故調には文字通り政府から独立したニュートラルな印象を受けます。

私自身今年の1月、ベラルーシのチェルノブイリ事故担当副大臣が来日した際、黒川委員長をはじめとする事故調メンバーにお会いしたことがあります。日曜日にオフィスに出勤しベラルーシの経験を真剣にヒアリングされた黒川さんをはじめとするメンバーの方々の真摯な姿が深く印象に残っています。

この事故調報告書にかかわる報道に接して、官邸側と東電側との齟齬や安全対策の遅れの背景など、これまで腑に落ちなかった点に関し「やはり、そういうことだったのだ」と納得する内容がいくつもありました。

パブリック・リレーションズ(PR)の専門家の視点からは、国会事故調のすべての委員会や記者会見などをインターネットでの動画中継やソーシャルメディアで国民向けに情報発信するなど、前例のないほどの情報公開を行ったことを高く評価しています。

動画中継は合計60 時間に及び、延べ視聴者数は約80 万人に達したといわれます。Facebookやtwitter といったソーシャルメディアでは17 万件以上の書き込みがあったようです。報告書も日本語と同時に英語の要約版を公表し、海外に向けても情報を発信しています。

今回、国会事故調が行った国民への情報提供の在り方は、同様な問題に対する国による情報公開のモデルになって欲しいものです。

■11の戦略分野で600万人超の雇用創出
2020年までの政府の成長戦略を盛り込んだ、「日本再生戦略」では、環境や医療、観光など11の戦略分野で38の重点施策を掲げ、約630万人の雇用を創出するとしています。

プランに書かれているものは野心的で大いに期待できるものですが、目標実現に向けた具体策が乏しく、少子高齢化や新興国との競争といった課題を克服する道筋が不透明で、戦略実現のための実行力が試されそうです。

その「日本再生戦略」の一端を紹介します。

医療・介護・健康関連分野は医薬品や医療機器の開発、再生医療などで成長が見込めるとし、成長戦略の柱に据えています。20年までに革新的な医薬品や医療機器、再生医療、個別化医療などの分野で1.7兆円、新規雇用3万人。

健康関連サービス産業で約25兆円。海外での医療機器やヘルスケア関連産業への参入により約20兆円の市場を創設し、全体で50兆円規模を見込んでいます。

アジア経済戦略では日本が経済連携協定(EPA)を結んだ国との貿易割合を現在の2割未満から20年には8割に高める目標を設定するとしています。

観光立国では格安航空会社(LCC)の割合を欧米並みの2?3割に高める目標を掲げています。首都圏空港の発着枠の確保が不可欠となりますが、原案では「国管理空港などの経営改革を進める」といった漠然とした記述となっています。

食農戦略では農林漁業者が生産にとどまらず、食品加工や販売まで手掛ける「6次産業化」の市場規模を10倍に拡大。

国際的に活躍できる「グローバル人材」の育成に力を入れる。大学の秋入学・卒業への移行をにらみ、秋卒業者に対応した国家資格試験の実施など、政府の基本的な対応方針を14年度に決めるとしています。

私の所属する学術団体「グローバルビジネス学会」( http://s-gb.net )は、世界経済の発展に寄与する人材の育成を目的に今年4月設立されました。

「日本再生戦略」のグローバル人材の育成については、当学会のプログラムを有効活用できるのではないかと思っています。「日本再生戦略」の実現にはあらゆるリソースの活用が求められますが、関連学会や団体などとの積極的な協力関係の構築が急がれます。

「日本再生戦略」の実効には必要な予算確保や制度改正などクリアーしなければならない課題があります。「看板倒れ」にならないよう、政府の独り相撲ではなく民間との連携強化を通してその活力や優れた知見を大いに活用すべきだと考えます。


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2012年07月09日

グローバルビジネス学会特別講演会 霍見芳浩教授を迎えて
?日本に警鐘を鳴らし続けてきた稀有の学者

こんにちは井之上 喬です。
皆さんいかがお過ごしですか?

先日、アメリカからニューヨーク市立大学大学院教授の霍見(つるみ)芳浩さんが来日しました。この機会を利用し、グローバルビジネス学会のアドバイザリーでもある霍見教授に、同学会主催の特別講演でお話しいただきました。

ハーバード大学で、日本人初のDBA(経営博士号)を取得したことでも知られている霍見さんの講演テーマは「21世紀の第三次産業革命と企業の国際戦略の新局面」。

講演が7月の開催ということを考え、会場は気分転換にホテルオータニにあるレストラン「トレーダーヴィックス」で行われました。

■多くの日米問題をNYから発信
霍見さんとの初めての出会いは20年以上前の日米経済摩擦が佳境の時でした。当時は日本の経済力も強く、両国の経済摩擦激化の渦中NYにいながら両国関係を冷徹な目で観察・分析し日米双方に警鐘を鳴らしていました。

特に日本に対して、ある時は厳しい忠告、ある時は日本政府や企業へのアドバイスなど、さまざまな分野でコメントを発してきました。

霍見さんがハーバードビジネススクール時代に前米国大統領ジョージ・ブッシュJr.を教えたことは広く知られていますが、ブッシュJr.の大統領就任時には大統領としての適性に対して早くから危惧するなど、オープンでストレートな発言は常に聞くものに緊張感を与えたものです。

1990年代半ばに米国コダック社が富士フィルムを提訴した際には敢然と米国の理不尽な対応に対し批判し、富士フイルムに適切な助言を与え、同社を1998年のWTO勝訴に導きました。この時期、日米半導体問題や自動車部品問題などに関わっていた私は、霍見教授の来日のたびにお会いし意見交換を行ったものでした。

そんな霍見教授が講演の中でいまの日本の抱える問題についていくつかの助言を与えてくれました。

■新しい人材育成と歴史に学ぶことの重要性
霍見教授は、グローバル化とは、資金・情報・技術がインターネットを通じて世界中で回っていく事であり、それを支える経営システムが、次の時代に不可欠になると指摘しています。

そして日本はもっと変わるべきとし、日本のシステムを平たく言うと、20世紀の第2次産業革命に完全適応するマネジメント機構であり、21世紀になった今でもそれを引きずっていて、このまま第3次産業革命に突入するのは無理があると語っています。

これからの日本にはグローバル化を支える経営システムが必要とし、メーカーの企業経営には生産技術だけではなく、経営力つまりソフト力が求められるとしています。

規模の経済がもう通じない中で、「経営力」=「国際政治力」、「国際的人材」の投与がエッセンシャルであるとし、以下の3つを挙げています。

まず最初に、経営トップは進出先の大統領と会ったときに話せるか?それと同時に向こうも話したいと思っているか?

次に、日本の自動車に代表されるメーカーは、いかに米国社会に貢献つまり土着化(雇用創出)しているかを広く伝えているか?在米日系企業は米国での現地生産により、今や100万人の雇用を維持していることを強調すべきと話しています。

3つ目は、「生え抜きにこだわらない人事制度」や女性を登用しているか? 本社で実践していないことを世界で実践することなどできないと断言。
ある米国の日系自動車メーカーの有能な米国人マーケティングのスターが米国の競合会社からの途中入社で17年間も会社に貢献してきたにもかかわらず優遇されず、愛想を尽かして元の競合会社に戻った話しを聞かせてくれました。

霍見教授は米国の産業政策に影響を与えたビジネススクールの教え方に批判的で、その講義内容を見ていると、かつては製造業に戻ることを前提にプログラムが組まれていたが、今やその流れは消えてなくなり、Labour Economicsなどの労働関連の講義が完全に講義からなくなってしまった。

その結果、ビジネス自体が金融など、マネーゲームであるかのように教えられ今日の流れになっていると指摘しています。

同氏は、「今までその事を指摘し続けてきたが、最近やっとアメリカ内で注目されてきた。その結果、本社が中国などから人を呼び戻している。」とし、米国経済が製造業への回帰を図っていると語っています。このところオバマ大統領が米国の製造業復権に力を入れているのもうなずける話です。

特に根幹に関わる事業は自前で生産し、市場からのクイック・レスポンスをフィードバックさせ製造業を再生するとした手法は、日本企業が米国へ進出し、試行錯誤により独自のシステムを作り上げていくプロトタイプになっているとし、サプライヤーと協調して事業を行うクラスタリングの雛型になっているとしています。

イメージ商品であればある程、社会にいかに貢献しているのか?が重要になって来ると語っています。

霍見さんは日本企業について、80年代の日本企業ではない、新しい企業のあり方についてもう一度本格的に勉強し直さなければならないと強調しています。

また今の日本は「坂の上の雲」に代表される幕末から明治への転換期を学ぶ事が絶対不可欠であることを強調。当時は、教育制度、精神的武士道(=公的奉公)という土台があったとしています。

また教育問題についても触れ、現在の偏差値、指定校制は不要とし、英語教育を含めた教育の見直しの必要性を強調。今の日本には型破りの人材が必要で、面接に参加する人間に何を勉強したのかをひたすら聞くようにすべきだとアドバイス。

とくに日本人はディベートがあまりにも下手で、感情が表立ちすぎる。一方で、アメリカは小中高大、全てで勉強する。またまとめる作業もあるのでここで力がつくとしています。

英語の重要性は高まっているものの、いまだに日本は北朝鮮と同等レベルとし、日本は散々英語教育を受け、海外にも自由に出られるにもかかわらず、英字新聞1つ読めない。それを恥とも思っていない事実が恐ろしいと、英語教育を手厳しく批判しています。

日本から来る留学生を見ていると、女性は実に優れている人が多い。一方で、日本で優秀と言われている男性は、海外で落ちこぼれになる可能性が高い。教師として、彼らは要注意な人間であるとし、個人で勝負するグローバル社会で、彼らは一度挫折を味わうことになるが、そこから立ち直った人間は伸びるとしています。

そして日本企業の採用方針が変われば、日本の教育も変わるとし、日本企業の方針転換を促しています。

霍見教授の話の中には、経営トップのコミュニケーション力やさまざまなステークホルダーとの関わりなど、パブリック・リレーションズ(PR)が多く関わってくることがわかります。

まさにグローバルビジネス学会の第一回の特別講演にふさわしい内容でした。

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投稿者 Inoue: 20:07 | トラックバック

2012年07月02日

加速する言語のガラパゴス化
?グローバルビジネスに必須のコミュニケーションツールとしての言語は?

皆さんこんにちは井之上 喬です。

早いもので2012年も6ヶ月が過ぎました。2012年の前半は皆さんにとってはどのような半年でしたか。順調だった方や思うようにいかなかった方、さまざまだと思いますが、後半もポジティブに頑張っていきましょう。

■ロンサム・ジョージの死は6回目の「大量絶滅時代」の象徴か?
6月25日のニュースにちょっと気になる記事を見つけました。南米エクアドルのガラパゴス諸島でガラパゴスゾウガメの亜種ピンタゾウガメの最後の生き残りとされた1頭が24日に死んだとの報道です。

「ロンサム・ジョージ」の愛称で知られたこのガラパゴスゾウガメは、絶滅危惧種の象徴でもありました。

Newsweek日本版オンラインは6月27日に、「ロンサム・ジョージが人類に遺した教訓」と題する興味深い記事を掲載しています。

内容を紹介すると、ロンサム・ジョージの運命は、人類が地球に出現してから他の大型動物がたどった運命と同じだとするもので、かつてアメリカ大陸は、現在では想像もできないような大型哺乳類、例えばショート・フェイス・ベアやダイアウルフ、オオナマケモノたちの楽園だったとしています。

これらの大型哺乳類は、すべて紀元前1万年頃に突如として姿を消したようで、アジア大陸と北アメリカ大陸をつないでいたベーリング陸橋を、人類が初めて渡ったとされる時期からそう長くないところとされています。

この時期は氷河期が終わった時期とも一致するため、絶滅の原因は気候変動だとする古生物学者もいる一方で、氷河期が終わった後、人類が地球を支配するようになった時代にも動物たちの絶滅は速いペースで続いたのではと論じられています。

生物が地球に誕生して約35億年。長い歴史の中で、多くの生きものがほぼ同時に死滅する「大量絶滅」が5回起きたとされています。原因は、火山爆発やいん石の衝突による気候や環境の変化などにあると考えられています。

そう考えると地球は現在、約6500万年前に恐竜などが絶滅した5回目の大量絶滅時代に続く、6回目の「大量絶滅時代」を迎えているのかもしれない、とNewsweekは警鐘を発しています。

■ 消滅の危機にある多くの世界の言語
人生80年といわれる現代にあって、人類は想像を絶するような長い時間をかけて進化し、今の私たちが存在しています。

しかし21世紀に入ってからの進化の速度は劇的で、特にIT環境の激変する情報の世界では、最近のインターネットの普及が示すように、国や地域を超えた世界規模での瞬時で大量の情報伝達が可能となっています。

National Geographic日本版7月号では、「危機にある言語の未来」と題し世界中で消滅の危機にある言語の未来について特集しています。

その特集は、「2週間に一つのペースで地球上から言語が消えている。現在は約7,000の言語が話されているが、おそらく今世紀中に半数まで減るという。少数民族は母語を捨て、英語などの主要言語を話すようになっているのだ。一つの言語が消えるとき、私たちは何を失うのだろう」と読者に問いかけています。

そして、トゥバ語(ロシア連邦を構成するトゥバ共和国)、インド北東のヒマラヤ山脈が連なる地域のアカ語、メキシコのセリ語、米国オクラホマ州のユーチー語、カリフォルニア州のウィントゥ語など消滅の危機に直面している言語と文化について触れています。

同誌は日本についても消滅の危機にある言語として、2009年のユネスコ発表でアイヌ語、八丈語、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語の8つを紹介。そして次の世代にいかにこれらの言葉を伝えていくか各地での取り組みを紹介しています。

日本にこれほどの言語が存在していることに対する認識が希薄であった私にとって、認定基準の違いがあるにせよ世界中の言語が約7000もあるとは驚きでした。

これまでの人類の歴史を見てもそうですが、豊かで強大な国や地域の言語は大きな支配力を持ってきました。

現在は世界人口の半数近くの人達が、中国語、スペイン語、英語、アラビア語、ヒンディー語、ベンガル語、ポルトガル語、ロシア語、日本語、ドイツ語の上位10の言語を話し、その一方で話者が1万人未満の少数言語の数は3524に上るが、使っている人の数は世界人口の0.1%に過ぎないと指摘しています。

少数民族が母語から離れるきっかけは、グローバル化とインターネットの普及にあると考えられます。

東日本大震災を契機に大企業だけでなく中小企業におよぶまでビジネスのグローバル化の必要性が大きく叫ばれる日本。日本人にとってグローバル化の大きな問題は、まず言葉ではないでしょうか。

特にグローバルビジネスの視点で考えると、英語は必須。

よく言われることですが、「身振り手振りを加え意思疎通ができれば、英語は下手でもなんとかなるよ」と、私もつい最近までそう思っていました。しかし世界とのかかわりが急激に増すなかで、これまでどおりのようにはいかない時代が到来したことを実感しています。

ある程度の情報を参加者が共有できる現在では、相手の考えをきちっと理解し、こちらの考えもきちっと伝えなければコミュニケーション、特にビジネス上のコミュニケーションをうまくとることは難しくなっていると感じています。

パブリックリレーションズ(PR)にとってコミュニケーションは、不可欠なものでインフラストラクチャー。

そしてグローバル化の進展が激しさを増す時代のPRパーソンは、コミュニケーションツールとしての言葉、自国語を大切にしながらも、外国語特に英語に磨きをかけなければと改めて思っています。


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井之上喬著「パブリックリレーションズ」(2006年3月、日本評論社刊)は、おかげさまで5月30日付で第6刷が発刊されました。ご愛読ありがとうございます。

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投稿者 Inoue: 13:54 | トラックバック