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2012年01月30日

ベラルーシからの使者
 ?チェルノブイリの体験を福島再生に

こんにちは、井之上 喬です。

厳しい寒波で北日本と北陸は記録的な豪雪に見舞われていますが、皆さんお元気ですか?

先日、凍てつく寒さの東京でベラルーシから来訪者がありました。私が主宰する「水素研究会」メンバーの方の紹介で、ベラルーシ共和国のセルゲイ・ラフマノフ特命全権大使と同国で放射能測定・除染専門会社の技術最高責任者とその一行を四谷の私の経営する会社(井之上PR)にお迎えしました。 

ベラルーシ共和国(首都:ミンスク)は、国境を南にウクライナ、西にポーランド、北西にリトアニア、 ラトビア、東にロシアと接し、ソビエト連邦から独立した人口約960万人で国土は日本の3分の2。

2ヶ月前に来日したラフマノフ大使は、前職がベラルーシ国立科学アカデミー副総裁で、今月正式に駐日大使に任命されたばかりです。

■ベラルーシの経験
ベラルーシ共和国はチェルノブイリ原子力発電所事故の最大の被災国といわれています。
ご存知の方も多いかと思いますが、チェルノブイリ原発事故は、1986年4月ソビエト連邦(現:ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原子力事故で、国際原子力事象評価尺度 (INES)では最悪のレベル7(深刻な事故)に分類される最大規模の事故(1979年米国スリーマイル島原発事故はINESでレベル5)。
チェルノブイリ原発事故で放出された放射能は、ベラルーシ、ロシア、ウクライナで多くの住民が被曝し、その影響は染色体の異常など遺伝子的な損傷をもたらしていることは多くの研究によっても明らかにされています。

また、東欧や北欧まで放射能が拡散したチェルノブイリ事故は、とりわけベラルーシに甚大な被害を及ぼし、爆発した放射能の80%が国土に降り注ぎ深刻な土壌汚染や地域住民への健康上の問題を投げかけています。

被災後25年に及びベラルーシでは、チェルノブイリ原発事故委員会を含む他の研究機関が、放射能汚染された国土を回復させるための確実な技術や汚染地帯の住民の健康で安全な生活の実現に向けて膨大な経験を積み上げています。

大使は「原発事故が人々の健康や経済にどれだけ悲惨な影響を及ぼすか、ベラルーシはこれまで、今の福島の人たちが経験していることと全く同じ経験をしている。福島で苦しんでいる人たちを見ていると他人事ではない」とベラルーシの経験を生かしてほしいと熱く語るのでした。

科学者であるラフマノフ大使が日本に派遣された理由がわかるような気がします。

■副大臣が初来日
そんな中、今週ベラルーシ共和国の緊急省のウラジミール・チェルニコフ(Vladimir Chernikov)副大臣が来日するようです。

チェルニコフ氏は、同国のチェルノブイリ原発事故委員会 会長も兼任し、ベラルーシ共和国におけるチェルノブイリ事故に関わる放射能対策の最高責任者。

来日目的は国際組織であるInternational Scientific & Technology Centerの主催する、福島原発事故の復興をテーマにしたシンポジウムに講演者として招聘されたことと日本政府関係者とのミーティングです。

東京と福島で開催される、このシンポジウムへの出席を通して同氏は多くの関係者と原発事故が抱える問題や課題についてさまざまな意見や知識などを交換し、福島の再興に役立ちたいと考えているようです。

これまで日本は、広島・長崎の被爆経験を生かし、ベラルーシも含めたチェルノブイリ事故被災者への医療支援を行ってきました。

今度は、日本が体験したことのない内部被曝や土壌・食品などの放射能測定や除染の経験やノウハウをベラルーシから学ぶことが出来れば素晴らしいことだと思います。

この種の情報交換や人的交流を通して福島の一日も早い復興を願わずにいられません。

パブリック・リレーションズ(PR)でどのようなことが出来るのか、私たちに大きなテーマが与えられました。

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投稿者 Inoue: 10:01 | トラックバック

2012年01月23日

世界の大学の主流は秋入学
 ?東大は世界大学ランキングで30位

こんにちは、井之上 喬です。

今年は1月21日が大寒。その前日は東京でも雪が降りました。大寒から2月4日の立春までは一年のうちで最も寒い時期とされていますので、健康管理には十分お気を付けください。

1月18日の読売、朝日、毎日の夕刊一面トップに、「東大、秋入学移行へ」の見出しが踊りました。

朝日新聞によると、これまで入学時期のあり方を検討してきた東京大学のワーキング・グループが、従来の4月入学を全廃し、海外で主流となっている秋入学への全面移行を求める素案を中間報告としてまとめたとするものでした。

秋入学への全面移行の必要性については、国際的な大学間の競争に対応し、学生の海外留学を促すことなどを理由に挙げています。

■11大学と協議組織、5年前後で移行
今後、東大ではこの素案に対する学内の意見を調整し、今年度中に最終報告をまとめ、学内での合意が得られれば経済界など関係先への説明と一定の告知期間を経て、早ければ5年後に導入したい意向を示しています。

また1月21日の日経新聞朝刊一面トップに、同紙が行った全国22大学の学長への秋入学に関するアンケート結果を発表。

それによると「回答した18校のうち9割近い16校が秋入学移行に前向きな姿勢を示した」としています。

また浜田純一学長は、東大単独ではなく他大学と足並みをそろえて実施する考えを明らかにするとともに、有力大学との協議組織や産業界と大学側との協議組織を設けることも明らかにしています。

大学間の協議組織は、東大のほかに京大、阪大、東北大などの国立大学(9校)に加え、早稲田、慶応の11校に参加の打診を行っているとしています。

秋入学になると学生は、4月の合格発表から半年間、入学を待たされることになります。この「ギャップターム」をどう過ごすかということや企業の新卒採用、各種の国家試験とのタイミングのずれなどさまざまな課題もあり、調整は難航しそうです。

東大の発表を受け平野博文文部科学相は20日の閣議後の記者会見で、「大学改革の大きな試金石になる。(学内での議論を)前向きに見守っていきたい」。

続けて、「世界の国の7、8割は大学の入学・卒業時期が秋で、日本だけが4月だとこれだけグローバルに時代が動いている中で支障がある。秋入学は一つの方向性だと思う」とコメント。秋入学は経団連などの経済団体トップからの賛同もあるようです。

■なぜ米・英の大学が優れているのか
東大の秋入学への全面移行の理由のひとつに国際的な大学間競争への対応を挙げていますが、このことについて興味深いデータがあります。

英国高等教育専門誌「Times Higher Education」は昨年10月、毎年恒例の世界大学ランキングを発表しています。8年連続でトップを飾っていたハーバード大学は2位となり、今回1位はカリフォルニア工科大学でした。日本の大学では、東京大学がアジア勢としてはトップにランクされているものの全体としては30位。

この世界大学ランキングの評価軸は、「学習環境(Teaching)」「研究成果(Research)」「引用数(Citations)」がそれぞれ30%、「イノベーション(Industry income)」が2.5%、「国際性(International outlook)」が7.5%となっています。

上位は、カリフォルニア工科大学やハーバード大学のほか、スタンフォード大学やケンブリッジ大学、オックスフォード大学など米・英の主要大学で占められています。

日本の大学は京都大学が52位、東京工業大学が108位、大阪大学が119位で東北大学が120位。私学では慶應義塾大学が301-350、早稲田大学は351-400の中にランク。

英語圏の大学へのスコアが高いのはいささか気になりますが、日本の大学の秋入学への移行は、こうした世界における日本の大学の実情を踏まえると避けて通れない問題のように思えます。

日本が一国だけで生きていけない以上、どのように国内外から有能で国際的な人材を養成・輩出するかは国の存亡に関わる問題。

早稲田大学の私の授業、「パブリック・リレーションズ論」を受講する学生も海外留学する際に戸惑うのは入学時期の違い。外国との秋入学を受身に捉えるのではなく前向きに捉え、その実現に努力することがいま求められているのではないかと考えています。

先日、長い親交のある友人からIESE(イエセ) Business Schoolのパンカジ・ゲマワット(Pankaj Ghemawat)教授が2月下旬に来日するという知らせを受けました。IESE は、スペイン発祥の世界トップ・クラスのビジネス・スクール。

IESE経営大学院については以前このブログでも紹介したことがありますが、バルセロナ、マドリード、ニューヨーク、ミュンヘン、サンパウロにキャンパスを展開し、グローバルでMBAやエグゼクティブMBAをはじめとする経営者育成プログラムを提供。

ゲマワット教授は最年少でハーバード大学の教授になった記録をもつビジネス戦略論の大家で、日本でも『コーラの味は国ごとに違うべきか』(2009、文芸春秋刊:原書名Redefining Global Strategy)の著者として知られています。
友人によると、ビジネス・スクールに留学する日本人の流れはここ5年の間で大きく変わり、かつて主流であったアメリカからヨーロッパにシフトしているようです。

面白いことに、IESEへの昨年の日本人留学者数、21名(10名は私費)は、欧米のビジネス・スクールの中で最大数になっています。
ゲマワット教授が来日中にお会いすることが出来れば、何故、非英語国のスペインから発祥したIESEへの人気が高まっているのか、またハーバード大学、カリフォルニア工科大学など米・英の大学が優れているとされる理由はどこにあるのか、どうして世界の人気がこれらの大学に集中しているのか、是非、尋ねてみたいと思います。

「日本の大学の秋入学」に対する私の考え方に多くの示唆が得られるのではないかと期待しています。

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投稿者 Inoue: 09:57 | トラックバック

2012年01月16日

盛況だったラスベガスのCES 2012
 ?世界最大の家電見本市

こんにちは井之上 喬です。
このところ寒い日が続いていますが風邪などひいていないでしょうか?

私のブログでも恒例になりましたが、毎年、年初に米国ネバダ州ラスベガスで開催されているインターナショナル・コンシューマ・エレクトロニクス・ショー(International CES)。今年も現地時間の10日から13日まで現地で開催されました。

新聞やテレビでも報道されたので情報を入手された方も多いのではないでしょうか。

井之上パブリックリレーションズ(井之上PR)は、このCESの開催母体である米国家電協会(CEA)に対して、日本市場向けのPRコンサルテーションや開催期間中の現地への日本からのメディアツアーの実施などを行っています。

今回も現地入りした井之上PRスタッフからの報告を織り交ぜながら、私たちに身近な民生機器の最新事情の一端を探ってみたいと思います。

■きらりと光る技術も
CES 2012については事前の日本のジャーナリストの皆さんとの話では、「今年の目玉はなんになるのでしょうね?」などのやり取りが多く聞かれ、事前のおおかたの予想は目玉に欠けるのでは、といった声もあがったほどです。

しかし、いざ幕を開けてみると世界各国から予想以上の来場者数で会場は混乱し期間中の来場者数は14万人以上になるのは確実。

CESでは開幕前日に多くのプレス・カンファレンスが行われるのですが、今年も1月9日に多くの会見が行われました。

今年は最近になくメディアやアナリストの数が多く、注目企業のカンファレンスには開会時間前から長蛇の列ができ、人気企業のサムスンのカンファレンスなどでは入場制限がとられたようです。

また、日本では考えられないことかもしれませんが、カンファレンスが同時開催されたり、ぎりぎりの移動時間で設定したりと過密スケジュールのためカンファレンスを中座して次のカンファレンスに広大な会場を移動する記者の方々も多く見られたようです。

CES 2012プレスラウンジ

今年の目玉はやはりというか予想通りスマートフォン、タブレットPC、スマートテレビ関連そしてエネルギー関連だったようです。

そして最近の世界規模での展示会の一般的な傾向ですが、日本企業の元気のなさと対照的に韓国、中国などの力強さがやはり顕著だったようです。

そんな日本企業の中で頑張っていたのが4月に平井一夫社長の就任を発表したソニー。

特にテレビ関連では年末に有機ELからの撤退が報道され、ハード技術からソフト関連に大きく舵取りがされることで今後、これまでのようなわくわくするような製品開発は望めないのかと考えていた中で、今回のCESで突然ともいえる感じで出展してきたのがCrystal LED Display。

ディスプレイ業界はこれまでも多くの技術が登場しては消えていった技術革新が激しい業界です。今秋のソニーのCrystal LED Displayは多くの記者の評価でも、非常に完成度が高く期待される、動画応答性がCRTのようだ、など今後に期待するコメントが多かったようです。まさにきらりと光る革新的な技術と言えるのではないでしょうか。

今年の年頭のこのブログでも触れましたが、いま日本を本気で変革しなければならないと強く感じています。そのための1つに技術革新も含まれます。

これまで日本企業は技術開発の面でも一番風呂に入ることをためらい、何度も悔しい思いをしてきた経験を持っています。少しの可能性にも賭けてみる、そのためのイノベーションを日本企業に期待したいところです。

■米国でも頑張っているキャラクターに感動
今回のソニーの例を見てもまだまだ日本企業は大きな可能性を持っていると確信しています。

もう一つ会場でうれしかったのは日本でも業界で人気のキャラクターが米国でも頑張っていたことだそうです。

それは村田製作所のムラタセイサク君。自転車と一体になった小型ロボットで、米国ではMurata Boy(写真)の名前で得意の細い坂道を自転車で登り、多くの来場者の注目を集めていたとのこと。

Murata Boy

ホームページによると、ムラタセイサクくんのプロフィールは、身長 50cm、体重約5kgのてんびん座生まれ。

趣味はサイクリング、夢は世界一周、座右の銘は七転び八起き、だそうです。ムラタセイサク君をご存知の方は、笑いながら大きくうなずかれることでしょう。

日本生まれで世界に活躍するキャラクターの育成なども日本変革のきっかけをつくる大きな要素といえます。

世界的な不況の風が吹きかかる中、夢と希望を創り出す企業のCESへの意欲的な出展は、私たちに力を与えてくれます。

企業の形をつくりだすのにパブリック・リレーションズ(PR)の手法は有効です。

グローバル市場を求める日本企業がブランド力を高め、世界で成功することが出来るように今年は真剣に取り組んでいきたいと考えています。

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2012年01月09日

今年は美術展の当たり年
 〜中国からも門外不出の至宝が日本へ

こんにちは、井之上 喬です。
皆さんはどのような新年を過ごされましたか?

私は、東京の自宅で映画を見たり好きな本を読んだり、のんびりした正月を過ごしました。

また新年7日には久しぶりに「七草粥」をいただきました。皆さんもご存じのとおり、「せり」、「なずな」、「ごぎょう」、「はこべ」、「すずな」、「すずしろ」、そして「ほとけのざ」といった春の七草を使ったおかゆが七草粥。飽食のあとのおかゆは胃袋を休めるのにも格好の食べ物といえます。

日本で七草粥の習慣が始まったのは古く、平安時代の文献にその記録が残っているといわれます。もともとは中国で無病息災を祈る行事だったようですが、実は現代の栄養学的に見ても大変健康によい食事だそうです。あっさりさっぱりの七草粥からは、お節料理とは違った新鮮な季節感を味わうことができます。

さて、2012年は美術展の当たり年のようです。昨年末の日経MJのコラム欄「オトナ行動学」(12/23)で「専門家によれば12年は美術展の10年に1度の当たり年」と紹介されていました。

「10年に1度の当たり年」となったのは、昨年の大震災の影響で延期になった企画が復活したことも一因となっているようです。それにしても日本に居ながらにフェルメールやセザンヌ、レンブラント、ルーベンスらの作品が見られるのは嬉しいことです。

■中華文明の粋を凝縮
年頭を飾るのが日中国交正常化40周年と東京国立博物館140周年を重ねた特別展「北京故宮博物院200選」(東京国立博物館・平成館:1/2-2/19)。

故宮とは主に中華文明の美術品や装飾品、資料などを収蔵・展示する博物館のことをいい、北京の故宮博物院には約180万点のコレクションが収蔵されています。この特別展は、それらの貴重な文物から約半数が国宝級といわれる選りすぐりの名宝200点が出品。

圧巻は中国・北宋時代(960?1127年)の絵巻で、神品と讃えられこれまで中国国外で公開されたことのない門外不出の『清明上河図』(せいめいじょうかず)。

全長約5メートル、縦24センチの画面のなかに郊外の川べりの風景や荷を満載した船、街道、大小の店、行き交う馬やかごなどが墨と淡彩で描かれ、その様は中国の風俗画の最高峰といわれています。なお、『清明上河図』の公開は1月24日迄です。

昨年12月、私の経営する会社(株式会社井之上パブリックリレーションズ)の中国事業支援室が、中国セミナー「中国最新メディア事情」を開催しました。その際に講師として招いた朝日新聞国際編集部次長の野嶋剛さんの著書に『ふたつの故宮博物院』(新潮社2011)があります。

「故宮は不思議な博物館である。まったく同じ名前の博物館が、中国(北京)と台湾(台北)にそれぞれ存在している。」と野嶋さんは著書の冒頭で語っています。

故宮の収蔵品の一部(約70万点)を台湾に移送することを決定したのは、当時の中華民国総統であった蒋介石でした。毛沢東率いる中国共産党に敗れ、中国大陸を追われた総統は、1949年に収蔵品とともに台湾(国立故宮博物院)へ逃れたのです。

同書では、戦争と政治に引き裂かれた「故宮」の運命をたどり、日本展の実現に執念を燃やした司馬遼太郎や平山郁夫のエピソードなど水面下の動きを紹介しています。

同書に綴られたふたつの故宮の歴史的秘話に触れることで、「北京故宮博物院200選」がさらに味わい深いものになるのではないでしょうか。

■本命はフェルメールか?
それでは故宮展以外の「10年に1度の当たり年」における主な美術展をいささか僭越ながら私の独断と偏見でいくつか紹介します。

●「ボストン美術館―日本美術の至宝」(東京国立博物館:3/20-6/10)
日本にあれば当然、国宝指定を受けるべき『平治物語絵巻』など歴史的名作に加え、長谷川等伯、尾形光琳といった日本美術の秀作約90点を展示。

●「セザンヌ―パリとプロヴァンス」展(国立新美術館:3/28-6/11)
この作品展には、「近代絵画の父」と呼ばれるセザンヌの画業を、彼が作品を残したパリとプロヴァンスとを対比し、芸術的創造の軌跡を捉えようという試みが見られます。

●「マウリッツハイス美術展」(東京都美術館:6/30-9/17)
オランダのマウリッツハイス美術館からフェルメール(2点)をはじめレンブラント(6点)やルーベンスなど17世紀に黄金時代を迎えたオランダとフランドル絵画の名作約50点を公開。なかでも青いターバンを巻いた少女の何か訴えるような表情を描いた『真珠の耳飾りの少女』は、いまから大きな話題となっています。

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昨年、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されたシュテーデル美術館収蔵「フェルメール『地理学者』とオランダ・フランドル絵画展」へ行き、彼の作品『地理学者』や『牛乳を注ぐ女』を見て感動したことを憶えています。この夏は、『真珠の耳飾りの少女』に私も会いに行こうと思っています。

●「出雲大社大遷宮特別展「出雲―聖地の至宝」(東京国立博物館:10/10-11/25)
また、今年は出雲ゆかりの神話が記された『古事記』が編纂されて1300年の節目の年。そして、来年は出雲大社正遷宮の年にあたります。こうしたタイミングで催される「出雲大社大遷宮特別展にも興味津々。是非出向きたいと思います。

そのほかに「大英博物館―古代エジプト展」(東京・森アーツセンターギャラリー:7/7-9/17)、「リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝」(東京・国立新美術館:10/3-12/23)、「ベルリン国立美術館展―学べるヨーロッパ美術の400年」(国立西洋美術館:6/13-9/17)などが楽しみです。

元来、日本で開かれる美術展の集客力には定評があるようです。英国の美術専門紙「The Art Newspaper」が毎年発表している、世界の美術展の入場者数ランキング(1日あたり)では、日本国内で開催された美術展はベスト10の常連となっています。

ちなみに2009年特別展のランキングでは、「国宝 阿修羅展」(15,960人/1日)を筆頭に、「正倉院展」、「皇室の名宝」、「ルーヴル美術展」と上位4位までを日本の美術展が独占した実績があります。

こうした世界的な美術品や文化遺産に接して知識を広げていくことは、グローバル・ビジネスに関わるビジネス・パーソンやパブリック・リレーションズ(PR)の実務家にとって大切なことです。

私もできるだけ時間を見つけて歴史的な出会いをするために、これらの美術館へ足を運ぼうと思っています。

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投稿者 Inoue: 12:12 | トラックバック

2012年01月02日

新年にあたって考えること
〜日本は本気で変革をしなければならない

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

2011年の日本は、私たちの心に深く刻まれた大きな出来事がありました。東日本大震災福島第1原子力発電所事故など長い苦難の中に日本はありました。

一方世界でも、1月のチュニジアから始まったアラブの民主化革命は、エジプト、リビアへと拡大。新しいコミュニケーション・ツールとしてのフェース・ブックやツイッターの出現が民衆レベルの運動を後押しして政治を変えうることを示しました。

また3・11の大震災と福島原発事故は、世界に対して今後の日本の取り組みへの関心を高め、日本の経験を自国の政策に反映させようとさえしています。

しかし日本は、国内はもとより世界の期待に応える確固たるプロセスを示し、解決の道を歩むことが出来るのでしょうか?

新年にあたって、日本の再生にとって重要な2つの課題についてお話したいと思います。これら2つの課題に共通するテーマは「外部環境の変化への調整・適応」です。

米国の生理学者W・B・キャノンは、生物体にはホメオスタシス(恒常性維持)機能があるとし、組織体は外部環境の変化によって自らを維持するために「調整」「適応」が求められていると説いています。

■原発なき社会をどう実現させるか?
最初の課題はエネルギー問題です。

エネルギー資源のない日本は世界最大級のエネルギー輸入国。エネルギー問題が、日本にとってきわめて重要であることはこのブログでもたびたび主張してきました。

近年急速にクローズアップされてきたCO2問題は原子力発電の危険性に覆いを被せ、国家プロジェクトとして原発を推進してきたのも事実ですが、日本のような地震大国で原子力開発が進められてきたこと自体信じ難いことです。

しかし、外部環境が激変する3・11から10ヶ月経た今、除染活動を含め原発事故への対応がいまだ困難を極める状況にあっても、政府に原発推進への肯定的な姿勢が見られるのは何故なのでしょうか?

「電力の確保がないと企業活動に致命的な影響を与える」と産業界が原発推進の大合唱をしているのでしょうか?

電力確保は、現在東京都の猪瀬副知事の天然ガス火力発電所建設(百万KW級:原発1基相当)に見られるように、他の火力発電に切り替えるなど方法は考えられるはず。

ドイツを始め多くの先進国で原発廃止宣言が行われる中、福島原発でこれほどのダメージを受けた日本が何故原発存続に固執するのか理解に苦しむところです。

第2の福島事故が起きたら、日本が再起不能状態に陥ることぐらい危機管理の視点で考えれば当たり前のこと。大震災以降、原発事故再発の可能性が高まったことを外部環境の見直しによって真摯に受け止めなければなりません。

国内での原発事故対策に汲々としている日本が一方で、政府が原発輸出に肯定的な姿勢を示していることへの内外の不信感も高まっています。

今必要なことは、まず原子力発電所の廃止宣言。そして国家の総力を挙げて火力も含めた他のエネルギー開発を工程表と共に発表すること。

そして廃止される原発の具体的工程表を明確にし、国内にとどまらず、広く国際社会に訴えることが求められているはずです。

新たな経済成長と健全な日本社会を維持するために、あらゆるリソースを注入し、新エネルギーの開発に国家的課題として取り組む必要があるのではないでしょうか。

今年の7月からスタートする、太陽光、風力、バイオマスなどの「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が大きな契機になることを期待しています。

■まず自らがリストラを行う
2つ目の課題に国家公務員改革が挙げられます。

私は昨年10月に、朝霞国家公務員宿舎建設問題をきっかけに立ち上がった財務省の「国家公務員宿舎の削減のあり方についての検討会」(座長:藤田幸久 財務副大臣)の委員に任命された際、日本の官僚システムを身近にすることができました。

パブリック・リレーションズ
(PR)の専門家として、度重なる検討会を通して確信したことは、日本の再生は「国家公務員制度改革」なしには実現し得ないということでした。

とりわけ3月11日の大震災と福島原発事故以降、疲弊していく日本にとって、その抜本的改革なしに再生はあり得ないと考えるに至りました。

長い鎖国から解き放たれた明治維新は、日本が強力な中央集権体制で近代化を急ぐ中でさまざまな矛盾を抱え込み、外部環境の変化に対応することなく第2次大戦へ突入し、完全な敗北を期すことになります。

焦土から立ち直った戦後の日本は、1980年代初めには近代工業化社会(機械文明)で世界の頂点に立つものの、その後新しい時代に適応することなく90年代以降、米国の復活と新興国の台頭を許し、いまだにダッチロール状態を続けています。

とりわけ激変する経済環境の中で、日本の民間企業は幾度となく生き残りのための組織改革を行ってきました。度重なるリストラは今もなお、組織に帰属する一般人や日本社会に多大な苦しみを与えています。

国民や民間企業、あるいは一部の地方自治体は、明治時代から幾多の変節を経て、数々の自己調整を行い今日に至っていますが、中央官庁における官僚、官僚制度は、さまざまな外部環境の変化に対して一体どのように調整・適応してきたのでしょうか? 問題はこの点にあります。

1000兆円もの今日の財政赤字は政治の責に帰するべきことは明白であるものの、明治時代からの官僚制度に対する調整・適応がなされなかったことが大きな原因となっていることも否定できません。

現在の日本は、企業を例にとると「破綻企業」の状態。

倒産を避けるために企業がやるべきことはまずリストラで、最初に手をつけるのは、工場や遊休地、本社屋、保養所、社宅・社員寮などの不動産や有価証券の売却。

これらに手をつけることなしに、株主であり顧客でもある国民への増税は、製品価格を引き上げ顧客に赤字を負担させるようなもので、顧客の理解を得られないばかりか、買い控えで倒産に追い込まれることは必定。

いま、世界はさまざまな問題を抱えながらも前進する課題先進国日本の動向を注視しています。

2012年は、日本を始め、台湾、ロシア、フランス、中国、韓国、米国など世界の主要国でリーダーが選ばれる年。とりわけ日本では9月の民主党の代表選挙と自由民主党の総裁選挙。また11月には米国大統領選挙と日米両国でトップ・リーダーが選出されます。

混沌とする社会が長く続くと、強力なリーダー出現への願望が強くなります。選挙で選ばれたリーダーがリーダーシップを発揮するのは当然のこと。民主主義を後退させないためにも忍耐強く選挙で選ばれた強いリーダーの出現を期待し、一日も早く国家のリストラクチャリングが実現されなければなりません。

課題先進国日本がこれらを解決することで、「ジャパン・モデル」を世界に示すことが可能となるはずです。その実現にパブリック・リレーションズ(PR)は欠くことができません。

年頭にあたりこの2012年が、どのような困難な条件下に置かれたとしても、希望を捨てず、未来に向かって進む力が皆さんに与えられますよう、心からお祈り申し上げます。


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井之上パブリックリレーションズ(井之上PR)は2011年5月12日に地方自治体など公的機関向けに「ツイッターマニュアル」を無償で提供することを発表しました。ご興味のある公的機関の皆様は是非、お問い合わせください。詳しい情報はWebサイトでご覧になれます。

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日本パブリックリレーションズ研究所(JPRI)では、東日本大震災で風評被害の深刻な影響を受けた観光業界、とりわけ自治体観光局や観光関連団体に対し、「風評被害を避けるための情報発信方法」の無料相談を5月25日より開始しました。詳しい情報はWebサイトでどうぞ。


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投稿者 Inoue: 15:05 | トラックバック