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2011年04月11日

東日本ボランティア活動の心得
?「『ごみ』なんて一つもない。わたしにとってはすべて『かけがえのないもの』」

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皆さんこんにちは井之上 喬です。

3月11日の東北大震災から今日でちょうど1カ月。甚大な被害を受けた被災地での死者は、9日の警視庁調べで12,915人、行方不明者は同14,921人にのぼっています。

また朝日新聞(4/10)によると避難生活を送っている人たちの数は、9日現在で少なくとも16.4万人。いまだ物資が十分に行き渡っていないところも広範にわたっています。

破壊された家など災害廃棄物も岩手、宮城、福島の3県だけで、2500万トンに達するといわれています。

この4月、学校もなく新学期に登校すらできない児童も多くいるといいます。連日のメディア報道で被災者の悲痛な声が伝えられ、ゴールデン・ウイークが身近にせまるなか、「なんとか助けたい」とボランティア活動を志願する人たちが増えています。

しかし、十分な知識や情報を持たず単独で現地に向かうことは救援を待つ被災者の方々の支援や復旧・復興を遅らせてしまいかねません。

今回はこうしたボランティア志願者が被災地で安全で有効な支援を行うためにどのような心構えで行うべきかについてお話したいと思います。

■被災地に入る前の「事前準備」
3月30日東京で、東日本大震災の被災者支援のための全国的なネットワーク「東日本大震災支援全国ネットワーク」(以下、全国ネットワーク)が結成されました。

この団体は、日本赤十字やNHK厚生文化事業団、ジャパンプラットフォームなどの全国的組織から地方のボランティア組織まで、約230のNPO/NGOで構成された最大規模の民間支援団体ネットワークです。

ボランティアが被災地に入り支援活動を行っても、その活動自体が被災地域に負担をかけてしまったり、自己管理が行き届かず活動中にケガをしたり、悲惨な状況にショックを受けて心に傷を負ってしまうことも珍しくありません。

このような事態を避けるため、この全国ネットワークでは、1日でも早く現地入りを希望するボランティアが安全に活動するための心得とガイドラインをホーム・ページ(HP)で紹介しています。

このガイドラインは、過去災害の教訓やすでに現地で活動するボランティアからの意見を反映し作成されています。

ガイドラインは、「被災地に行く前の事前準備」「被災地に着いてからの活動」「被災地から帰るとき」の3つのフェーズにわけられています。

まず「被災地に行く前の事前準備」では:
自分は被災地に迷惑をかけずに支援できるのか、 最低限のマナーを自己チェック。現地でのボランティアは、日頃慣れない重労働や、被災された人の悲しみや怒りなどの感情と向き合いながらの活動であることを承知しておかなければならないとしています。

そのための被災地情報を綿密に収集・確認することが大切になるとし、知りたいことは被災地の災害ボランティア・センターの手を煩わすことなく、直接電話を避けHP等でまず確認し、交通手段等をチェックすることを勧めています。

つまり、現地までの公共機関の運行状況やボランティア・バスなどの有無、自家用車で行く場合の被災地域までのガソリン等の燃料は自ら確保することとし、被災地での給油は差し控えるよう心がけたり、自分で駐車場の確保を行うことが肝要としています。

また食料・水などの流通状況やガスの復旧状況(自炊や風呂に入れるかなど)、宿泊施設提供の有無や近隣宿泊施設の営業状況(ホテルや民宿の利用も被災地支援のひとつなので積極的に検討する)などのチェックも求められます。

そして、活動予定期間の天候(持参する服装選択の参考に)や現地でのボランティア活動状況(持参備品や服装・装備選択の参考)など。

また災害現場でのボランティア活動は危険を伴いますが、全国ネットワークは被災地に迷惑をかけないためにも、必ず住まい近くの社会福祉協議会で災害特約付きのボランティア保険に事前加入することを勧めています。

地域で事前研修(オリエンテーション)が行われている場合は、必ず受講すること。被災地で安全に活動するために、災害ボランティアの心構え、活動地域の情報、活動内容、スケジュール、予算、活動上の注意すべきことや持ち物等について研修を行っている団体も紹介されています。

また、ガイドラインには初めに現地の状況をよく知る人からのアドバイスを得るよう記されています。

■被災地活動と休息のすすめ
次に「被災地に着いてからの活動」では、地域事情や被災者との接し方・配慮、カメラ撮影、惨事ストレス予防、実際の活動の仕方、注意点などを現地ボランティア・センターのスタッフや現地で先に活動している先輩ボランティアから話しを聞き、安全に活動する準備を整えてから活動を開始するようアドバイスしています。

災害現場での活動は本人の自覚以上に心と体に負担がかかります。最長でも2 週間を目処に、長期でボランティア活動に参加する場合は、概ね2週間に1度は帰郷し温泉宿でゆっくりするなど、リフレッシュが勧められています。

最後に「被災地から帰るとき」は、自分が持ち込んだゴミは必ず持ち帰るようにし、被災地域に負担をかけることは絶対に避けるように指導されています。

また活動現場から帰宅の途につく前に、1日の活動を仲間同士で振り返って話し合うなど、自分がどれだけ大変な活動に取り組んだのか、またどの程度疲れているのかを自覚できる時間を持つことの有意性を論じています。

全国ネットワークのHPの中に、写真と共にボランティアに向かう人のためのこんなメッセージが目に入りました。

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「この景色、あなたはどう呼びますか?わたしは『被災地』とは呼びません。『故郷・わが町』と呼びます」

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「あなたにとっては、『がれき』ですか?わたしにとっては『帰るべき我が家』なのです」

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「『ごみ』なんて1つもない。わたしにとってはすべて『かけがえのないもの』」

これらの言葉から被災地の悲痛な叫びが聞こえてきます。被災地でのふとした一言が相手の心を温かくもすれば、傷つけることもあると訴えています。

また被害者の視点を常に持って行動をとることの重要性が伝わってきます。そして被災された方々に向き合うために必要な心構えとして、復旧や復興の主役は被災者であり、ボランティアはそれをサポートする存在であるということを肝に銘じなければならないとしています。

被災者と接する場合は、相手と同じ目の高さに自分の姿勢を合わせて、自然に接することが大切のようです。なぜならば被災された方々は、その地域で普通に暮らしていた私たちとなんら変わらない人達だからです。

震災後、CSRの一環として被災者支援を行う企業が増えています。CSRをカバーするパブリック・リレーションズ(PR)はリレーションシップ・マネジメント。さまざまな対象となる相手に対してそれぞれの視点を持って行動することが求められます。

被災者の方々が一日も早く困難な状況から解放されることを願うばかりです。

(※写真は2011年3月26日石巻・南三陸で撮られたもの)


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投稿者 Inoue: 2011年4月11日 16:10

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