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2011年04月25日

家族力大賞 ’10
 ?いま求められる家族や地域との「きずな」

家族力大賞 ’10



こんにちは、井之上喬です。
皆さん、いかがお過ごしですか。

今月、第4回目となる「家族力大賞 ’10」(エッセイ・コンテスト)の贈賞式がハイアットリージェンシー東京で催されました。このエッセイ・コンテストは、社会福祉法人の東京都社会福祉協議会(古川貞二郎会長:元内閣官房副長官)が家族や地域との「きずな」をより良い社会実現のために強めていくことを目的に2007年度より実施されています。

今年度の家族力大賞のテーマは昨年と同様に、「家族や地域の『きずな』を強めよう」とし、広く体験談を募集しました。親子や祖父母とのきずな、地域の方々とのきずな、さまざまな「きずな」や「つながり」など応募作品が倍増し、作品の質も高くなっています。若い人の応募が増えたことも嬉しいことです。今回は応募作品の中からこれまで最多の16作品が入賞しました。

贈賞式開会にあたり挨拶した古川会長のスピーチは、東日本大震災復興の「絆キャンペーン」と関連づけ、また、春の甲子園大会での創志学園(岡山県)野山慎介主将の宣誓の中から「人は仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています」を引用し、家族力大賞がテーマとしている「きずな」の大切さや人の善意の輪の広がりに触れた心に響くものでした。

本コンテストの運営委員会(委員長:お茶の水女子大学名誉教授 袖井孝子さん)の委員のひとりとして私もこのコンテストに第1回から関わっています。今回は、16作品の中でも私の心に強く残った2つの作品を中心に紹介したいと思います。

■無縁社会と決別:地域で支えあう力
「介護保険でのケアマネージャーの仕事をしています。『夫が脳梗塞で倒れ、もうすぐ退院するんです。つかまるところがないと起き上がれないので、介護用のベッドを借りたいのですけど、どうしたらいいんでしょう?』『一人暮らしで話をする機会が無くて。デイサービスに通えますか?』など、毎日のように相談の電話が入ります」。

こうした書き出しで始まるこのエッセイは、「東京都知事賞」を受賞した菊池正行さんの作品「支えられて」です。

ある日の午後、病院の送迎バスの運転手さんから介護保険を受けさせてあげたいという患者の安藤さんを紹介されます。

作者の菊池さんは翌日、介護保険制度の説明などのため安藤さんのアパートを訪問します。朽ちているような古い建物で、名前もないアパートの共同玄関から急こう配の階段を上がった2階の一室。

「そこは、敷きっぱなしの布団と少しの衣類、冷蔵庫がやたら目につく6畳間でテレビがありませんでした。」

安藤さんは、亡くなった奥さんが病気で長い入院生活が続き、貯金を使いはたし、年金でギリギリの生活をしていたのです。

菊池さんはこうした事態に対応するため近所に住む友人を頼ることにしました。友人は仲間を集め、曜日を決めて安藤さんのために買い物を手伝うことになります。

こうした日々が続き、ある日仲間が集まった時のことです。「『誰かの為に役に立ってなんだかうれしいわ。』一人が話し始めました。

『本当。でも不思議よね、この間まで全然知らなかった人なのに、今じゃなんだか顔色が悪いわねとか、熱があるんじゃないのかしらとか、ついつい心配しちゃうのよね。』『家族じゃないのに、なんだか安藤さんてみんなの家族みたいよね。』」

ずっとこの関係が続くと思っていた頃、安藤さんの容体が急に悪化したのでした。そして入院して1ヶ月後に亡くなってしまいます。

「この安藤さんの出来事は、ケアマネージャーの私に介護保険のサービス以外に『地域の支えあう力』を教えてくれました」ということばで締めくくられています。

作者の菊池さんをはじめ安藤さんや友人、そしてその仲間との会話を中心にこの作品は構成され、その飾り気の無い自然なやりとりが、この作品の魅力となっています。

■仲良し三人家族の秘訣は
次に紹介するのは、「アラフォー」間近で会社務めをしているバツイチの母親と娘2人の三人家族の日常を描いた金子理恵さんのエッセイ。「運営委員会委員長賞」受賞作品「6畳の幸せ」です。

作者の金子さんは11年前に離婚して、現在、中2と小5の娘さんと三人暮らし。

ホームドラマをみたり、昼間買い物をする母娘連れを見たりすると、「私も専業主婦だったらなあ?」とため息することもあるものの、ポジティブマインドの持ち主。娘たちとの生活がたまらなく楽しく幸せに過ごしている様子が紹介されています。

「長女の友人たちも私たちの会話を聞いてびっくりする。『え?、うちはママとそんな話、しないよ。ママと話してもそんな盛り上がらないし。』そうなのか?中学生にもなると他のご家庭の母親は随分とぞんざいな扱いを娘にされているようだ。それを聞いた長女は『え?、うちはママとディズニーランドとか行くのも好きだよ。友達と行くのももちろん楽しいけど、ママと行くのも楽しいよ。』と友人たちに反論していた。ちょっと嬉しい。いや、かなり嬉かった。」

作者の金子さんは、「『そうか!部屋だ!私たち三人はダイニングキッチンの他は6畳の部屋が一つあるだけのアパートに暮らしている。夜寝るときは布団を2つひいて3人で寄り添うように寝ている。何をするのも同じ部屋だ。』(中略)子供達も言う、『これじゃ引き籠りたくても引き籠れないよ!』と。それはいいことだ。6畳だからこその幸せもある。」と自分たち三人家族の仲の良い秘訣について記しています。

「子供たちがもう少し成長するとさすがに6畳では無理が出てくるかもしれないけれど、今こんなに家族三人で楽しくやっていられるならもう少しここでがんばろう。それに地域の人たちも温かい。(中略)地域の人たちからも見守られ、『随分大きくなったね』と一緒に子供たちの成長を喜んでくれる人たちがいる。」

地域の母子部長になった作者の金子さんは「子供たちもだいぶ手がかからなくなってきたので、これからはもっと小さい子供を抱えて困っているママたちの支援をしなくては。かつての自分がそうしてもらったように。」と感謝の気持ちでエッセイを結んでいます。

これら2作品以外にも心打たれる秀作がありました。作者岡部達美さんの祖母とお友達で認知症のやすさん(86歳)との交流を、17才のみずみずしい若者の目を通して描写。いかに「ことば」が人に対して元気や自信を与えるかを書いた作品『ことば』(東京新聞賞)。

両親が共働きのためにご近所の家族のもとで育ち、半世紀に及ぶ付き合いとなった不思議な出会いを描いた藤井智美さんの作品『もうひとつの家族』(東京都社会福祉協議会会長賞)

失業した父親と学校に行かない娘さんとの心のケアをテーマにした葭田忠正さんの作品『共に生きよう 家族だもの』(運営委員会委員長賞)など。
どの作品もその底流には「きずな」で結ばれた優しさと愛が描かれています。

パブリック・リレーションズ(PR)は「絆(きずな)」づくり。それは目標達成のために、様々な相手と良好な関係構築づくりを行うリレーションシップ・マネジメントです。

東日本大震災で家族や友人を失い、そして地域社会すらも崩壊の危機に当面している今日、改めて「きずな:kizuna」の大切さをこの「家族力大賞 ’10」を通して思い知らされます。

*上の写真の作品集『家族力大賞 ’10?家族や地域の「きずな」を強めよう』には、16編の作品が紹介されています。表紙のイラストは「夢と喜びの風船」をテーマに深山マヤさんが描いたもの。社会福祉法人 東京都社会福祉協議会が発行元です。非売品ですが、20冊程度であればプレゼント可能だそうです。興味をお持ちの方は連絡してみてはいかがでしょうか。


東京都社会福祉協議会
東京ボランティア・市民活動センター
家族力大賞事務局
Tel:03-3235-1171
Fax:03-3235-0050
E-mail: info@kazokuryoku-gp.jp


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2011年04月18日

マスメディアに見る東日本大震災報道
〜早急な情報の一元化を

皆さんこんにちは、井之上 喬です。

東日本大震災から1カ月を過ぎた4月12日、原子力安全・保安院(保安院)と原子力安全委員会(安全委)は、共同で記者会見を催し、福島第一原発事故の深刻度を国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価で、最悪の「レベル7」と発表しました。

同日の各紙夕刊の1面では「福島原発事故最悪レベル7」、「チェルノブイリ級」といった大見出しが躍りました。

とりわけ新聞は、このチェルノブイリと同じ「レベル7」という数字にフォーカスするあまり、多数の死者を出したチェルノブイリと直接の放射能死亡者を出していない福島事故が同様のものであるような印象を与え、一瞬世界中を混乱に陥れました。

しかし読売新聞は翌日の夕刊(4/13)で、国際原子力機関(IAEA)のデニ・フロリ事務次長の12日(現地時間)の記者会見の談話を引用。「福島の事故とチェルノブイリ事故は規模などが全く違うと強調し、(中略)チェルノブイリ原発は稼働中だったが、福島第1原発は停止後で圧力容器の爆発も起きておらず、放射性物質の放出量が大きく異なると指摘した」と同事務次長の抑制のきいたコメントを掲載しています。

また読売はフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のパトリック・グルムロン人体防護局長の12日の記者会見も紹介。「福島の状況は深刻だが、被害の大きさはチェルノブイリ原発事故と比べてはるかに抑えられている」と暗に「レベル7」は高すぎることをほのめかし、日本政府とは異なった見方を示しています。

■混乱:4つの情報源で異なる見解
震災発生以来、発信する情報の混乱が外国人の国外脱出や風評被害などにより経済活動に深刻な事態を引き起こしています。

東日本大震災とりわけ福島原発に関する主要な情報源は、首相官邸をはじめ安全委(内閣府)、保安院(経済産業省)、そして東京電力の4つが挙げられます。

大震災直後から感じていたことですが、4つの異なった情報源から発信されることで、同じ事象に対して4者の説明が食い違ったり発表のタイミングのズレが生ずるなど、情報の混乱を広げる要因をつくっています。

ここでその混乱がどのようなものなのか幾つか紹介したいと思います。

前述の共同会見では、福島第一原発事故発生以降放出された放射性物質の量について、保安院は37万テラベクレル、安全委は63万テラベクレルと大きく異なった推定値を発表。

保安院のスポークスパーソン、西山英彦官房審議官は、第一原発の放出量は1割程度で「チェルノブイリとは相当異なる」とその違いを強調。それなら何故レベル7に引き上げたのか理解に苦しむところ。

この共同会見の発表を受けて政府の枝野幸男官房長官は、「チェルノブイリ原発事故と違って、直接的な健康への被害は出ていない」(4/12日本経済新聞夕刊)とコメント。

一方、同日行われた東京電力の記者会見では、「事故の様相が違うとはいえ、放射性物質の放出量という観点からすればチェルノブイリに匹敵する、あるいは超えるかもしれない」(4/13毎日新聞朝刊)といった政府や保安院とまったく異なる発言。

またTBSテレビが「サンデーモーニング」(4/3放送)で、情報の混乱ぶりを番組テーマに以下のように取り上げています。

入院中の清水社長に代わり東京電力のトップとして会見に臨んだ勝俣恒久会長は、「1号機から6号機まで一応の安定をみることができました」とコメント。

しかしその直後に行われた安全委の会見で代谷誠治委員は、「何が起きるか予断を許さない。そういう状況が続いていると思うのが普通」と東京電力の見解を真っ向から否定。

また、3月28日(月)の会見で枝野官房長官は、「一時溶融した燃料と接触した格納容器内の水が、何らかの経路で直接流出したものと推定される」と2号機の格納容器内で燃料が溶けている可能性を指摘。

するとその直後、東京電力の記者会見では「燃料が溶融して格納容器まで出ていったという可能性を推定させるような情報は、私どもは持ち合わせていない」。

ところが今度は安全委の斑目春樹委員長が「ペレット(固形燃料)も若干溶解したこともあり得たのではないかと判断している」と溶融の可能性を示唆。

今回の混乱は原子力行政の複雑さを反映したものと考えることもできますが、このTBSの番組が指摘しているように、日本は相変わらず断片的に異なった見方を持った生情報をばらばらに出し、全体的な説明がどこで行われているのかはっきりしない危機的な状況をつくりだしているといえます。

■情報の混乱は政府や自治体への不信を招く
4つの情報源が混乱の度を増していく中で、野村総合研究所から「震災に伴うメディア接触動向に関する調査」結果がニュースリリースとして3月29日に公表されています。

この調査によると震災関して重視する情報源は、1位がNHKのTV放送(80.5%)で、2位が民放のTV放送(56.9%)、3位はインターネットのポータルサイト(43.2%)で新聞情報は5位(36.3%)となりました。これは、何よりも映像効果と速報性が重視された結果でしょうか。

また、メディアへの信頼度の変化(「上がった」、「下がった」、「変わらない」、「わからない」から択一)については、信頼度が一番上がったのがNHK(28.8%)で、信頼度が一番低下したのは政府・自治体の情報(28.9%)と伝えています。

菅首相が「福島第一原発周辺は10年、20年住めない」と語ったとされる問題がその真偽も含めて波紋を広げています。

東日本大震災からの復興ビジョンを策定する「復興構想会議」が政府の肝いりで立ち上がったばかりなのに、政府による情報管理の甘さは政府・自治体情報に対する信頼度をますます低下させています。

私は、以前から東日本大震災の政府広報について情報源の統合化と、今回の震災のような国難に直面した際の内閣記者会(官邸クラブ)の制度改正が必要不可欠だと考えていました。

これまでのように枝野官房長官が単独でプレスに情報を提供し、プレスからの質問に答えるといった形態には当然限界があります。質疑応答などカバーすべき領域は多様で専門性も高く、個人で対応することには到底無理があるからです。

先日、私はニューヨーク・タイムスの記者から政府の情報発信体制のありかたについて取材を受けました。

混乱は外国メディアの間にも生じているようで、その記者は政府から発信される情報データでどれを信じていいのかわからないと、情報の混乱が深刻な問題になっていることを明かしてくれました。

今後の対応として、官邸を軸に東電や保安院、安全委からのスポークスパーソンに加えて、地震や原発の専門家、そして広範囲にわたって災害救援活動に従事する自衛隊、消防庁、警察庁の現場のトップなど、必要とする関係機関の人も同席させ官邸での会見に臨むといった形態が望ましいと思います。

この体制であれば、大抵の質問にその場で適切に答えられるし、情報の齟齬や発表のタイミングのズレは最低限防げます。

また記者会見は、官邸クラブのメンバーだけでなく一定のルールのもとに国内メディアや外国メディアの枠を広げ、同時通訳で行います。世界中で情報共有を行うことで、グローバルに蔓延しつつある風評被害を押さえることができるはずです。

現在の外人記者を対象にしたブリーフィングは、情報発信が2元化されることにもなり、通訳ミスなどの危険性をはらみ二重のリスクを背負いかねません。

この日本で起こった複合災害は世界が共通の問題として注目していることから、官邸での一元的な通訳付き記者会見の模様を世界中にネット配信することは海外世論に相当なインパクトを持つものと考えます。

今回のような緊急事態が発生した際には、情報源の一元化は不可欠です。パブリックリレーションズ(PR)における危機管理では、混乱を避けるための情報の一元化が大前提となっているからです。

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投稿者 Inoue: 10:14 | トラックバック

2011年04月11日

東日本ボランティア活動の心得
?「『ごみ』なんて一つもない。わたしにとってはすべて『かけがえのないもの』」

写真

皆さんこんにちは井之上 喬です。

3月11日の東北大震災から今日でちょうど1カ月。甚大な被害を受けた被災地での死者は、9日の警視庁調べで12,915人、行方不明者は同14,921人にのぼっています。

また朝日新聞(4/10)によると避難生活を送っている人たちの数は、9日現在で少なくとも16.4万人。いまだ物資が十分に行き渡っていないところも広範にわたっています。

破壊された家など災害廃棄物も岩手、宮城、福島の3県だけで、2500万トンに達するといわれています。

この4月、学校もなく新学期に登校すらできない児童も多くいるといいます。連日のメディア報道で被災者の悲痛な声が伝えられ、ゴールデン・ウイークが身近にせまるなか、「なんとか助けたい」とボランティア活動を志願する人たちが増えています。

しかし、十分な知識や情報を持たず単独で現地に向かうことは救援を待つ被災者の方々の支援や復旧・復興を遅らせてしまいかねません。

今回はこうしたボランティア志願者が被災地で安全で有効な支援を行うためにどのような心構えで行うべきかについてお話したいと思います。

■被災地に入る前の「事前準備」
3月30日東京で、東日本大震災の被災者支援のための全国的なネットワーク「東日本大震災支援全国ネットワーク」(以下、全国ネットワーク)が結成されました。

この団体は、日本赤十字やNHK厚生文化事業団、ジャパンプラットフォームなどの全国的組織から地方のボランティア組織まで、約230のNPO/NGOで構成された最大規模の民間支援団体ネットワークです。

ボランティアが被災地に入り支援活動を行っても、その活動自体が被災地域に負担をかけてしまったり、自己管理が行き届かず活動中にケガをしたり、悲惨な状況にショックを受けて心に傷を負ってしまうことも珍しくありません。

このような事態を避けるため、この全国ネットワークでは、1日でも早く現地入りを希望するボランティアが安全に活動するための心得とガイドラインをホーム・ページ(HP)で紹介しています。

このガイドラインは、過去災害の教訓やすでに現地で活動するボランティアからの意見を反映し作成されています。

ガイドラインは、「被災地に行く前の事前準備」「被災地に着いてからの活動」「被災地から帰るとき」の3つのフェーズにわけられています。

まず「被災地に行く前の事前準備」では:
自分は被災地に迷惑をかけずに支援できるのか、 最低限のマナーを自己チェック。現地でのボランティアは、日頃慣れない重労働や、被災された人の悲しみや怒りなどの感情と向き合いながらの活動であることを承知しておかなければならないとしています。

そのための被災地情報を綿密に収集・確認することが大切になるとし、知りたいことは被災地の災害ボランティア・センターの手を煩わすことなく、直接電話を避けHP等でまず確認し、交通手段等をチェックすることを勧めています。

つまり、現地までの公共機関の運行状況やボランティア・バスなどの有無、自家用車で行く場合の被災地域までのガソリン等の燃料は自ら確保することとし、被災地での給油は差し控えるよう心がけたり、自分で駐車場の確保を行うことが肝要としています。

また食料・水などの流通状況やガスの復旧状況(自炊や風呂に入れるかなど)、宿泊施設提供の有無や近隣宿泊施設の営業状況(ホテルや民宿の利用も被災地支援のひとつなので積極的に検討する)などのチェックも求められます。

そして、活動予定期間の天候(持参する服装選択の参考に)や現地でのボランティア活動状況(持参備品や服装・装備選択の参考)など。

また災害現場でのボランティア活動は危険を伴いますが、全国ネットワークは被災地に迷惑をかけないためにも、必ず住まい近くの社会福祉協議会で災害特約付きのボランティア保険に事前加入することを勧めています。

地域で事前研修(オリエンテーション)が行われている場合は、必ず受講すること。被災地で安全に活動するために、災害ボランティアの心構え、活動地域の情報、活動内容、スケジュール、予算、活動上の注意すべきことや持ち物等について研修を行っている団体も紹介されています。

また、ガイドラインには初めに現地の状況をよく知る人からのアドバイスを得るよう記されています。

■被災地活動と休息のすすめ
次に「被災地に着いてからの活動」では、地域事情や被災者との接し方・配慮、カメラ撮影、惨事ストレス予防、実際の活動の仕方、注意点などを現地ボランティア・センターのスタッフや現地で先に活動している先輩ボランティアから話しを聞き、安全に活動する準備を整えてから活動を開始するようアドバイスしています。

災害現場での活動は本人の自覚以上に心と体に負担がかかります。最長でも2 週間を目処に、長期でボランティア活動に参加する場合は、概ね2週間に1度は帰郷し温泉宿でゆっくりするなど、リフレッシュが勧められています。

最後に「被災地から帰るとき」は、自分が持ち込んだゴミは必ず持ち帰るようにし、被災地域に負担をかけることは絶対に避けるように指導されています。

また活動現場から帰宅の途につく前に、1日の活動を仲間同士で振り返って話し合うなど、自分がどれだけ大変な活動に取り組んだのか、またどの程度疲れているのかを自覚できる時間を持つことの有意性を論じています。

全国ネットワークのHPの中に、写真と共にボランティアに向かう人のためのこんなメッセージが目に入りました。

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「この景色、あなたはどう呼びますか?わたしは『被災地』とは呼びません。『故郷・わが町』と呼びます」

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「あなたにとっては、『がれき』ですか?わたしにとっては『帰るべき我が家』なのです」

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「『ごみ』なんて1つもない。わたしにとってはすべて『かけがえのないもの』」

これらの言葉から被災地の悲痛な叫びが聞こえてきます。被災地でのふとした一言が相手の心を温かくもすれば、傷つけることもあると訴えています。

また被害者の視点を常に持って行動をとることの重要性が伝わってきます。そして被災された方々に向き合うために必要な心構えとして、復旧や復興の主役は被災者であり、ボランティアはそれをサポートする存在であるということを肝に銘じなければならないとしています。

被災者と接する場合は、相手と同じ目の高さに自分の姿勢を合わせて、自然に接することが大切のようです。なぜならば被災された方々は、その地域で普通に暮らしていた私たちとなんら変わらない人達だからです。

震災後、CSRの一環として被災者支援を行う企業が増えています。CSRをカバーするパブリック・リレーションズ(PR)はリレーションシップ・マネジメント。さまざまな対象となる相手に対してそれぞれの視点を持って行動することが求められます。

被災者の方々が一日も早く困難な状況から解放されることを願うばかりです。

(※写真は2011年3月26日石巻・南三陸で撮られたもの)


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2011年04月04日

災害時のインターネット情報:その光と影
 ?サイバー犯罪者に対する自衛策

こんにちは井之上 喬です。

東日本大震災から早いもので20日以上が過ぎました。地震や津波の被害だけでなく、東京電力の福島原発事故の影響も重なり混沌とした状況が続いています。被災された皆さまに改めてお見舞い申し上げます。

そうしたなかでも季節は着実に春に向かっています。桜の開花とともに新年度がスタート。新入学生、新社会人が新しい人生の第1歩を踏み出しました。

今回の大震災から復興するには、5年、10年はかかることでしょう。それぞれの立場で地域の復旧とともに日本の抜本的な変革のために将来どのようにかかわっていくべきか、日本人全員がしっかりと見据えて行動するときといえます。

自粛ムードが蔓延していますが、過度な自粛は経済を弱体化し被災地支援をままならなくしかねません。1年に1度、この季節のために桜は花を開き日本人を楽しませてくれます。被災地に思いを馳せつつその美しさを今年も楽しみたいものです。

■災害に便乗したサイバー犯罪者
日々、大震災の報道が流れていますが、今回の災害報道では従来のテレビ、ラジオ、新聞に加えインターネット報道の重要さがクローズアップされています。

テレビや新聞などの従来型メディアにどちらかと言えば画一的な報道が多いのに対し、インターネットではさまざまな発信元からリアルタイム情報が世界規模で配信され、災害情報の収集や発信などで貢献しています。

私が経営する会社、井之上パブリックリレーションズ(井之上PR)の多くの外資系クライアントも、原発事故による放射能の影響など特に関心の高い情報については、日本政府の発表よりも自国政府やIAEAなど国際原子力機関の発表をネットでリアルタイムに入手し、これらを基準に行動するケースも多くみられます。

インターネットが今回のような災害時に、人々の行動決定に大きな影響をおよぼす媒体になっていることを改めて知らされました。

その一方で、誤った情報による風評被害の拡大や詐欺メールのトラブルなど、影の部分にも注視しなければなりません。

インターネット・セキュリティ大手のマカフィーは、3月18日のMcAfee Labsブログで「東北地方太平洋沖地震に便乗するサイバー詐欺にご注意ください」と題する情報を配信。大震災に便乗した詐欺に警戒するよう呼びかけています。

それによると、サイバー犯罪者は情報を探しているインターネット・ユーザーをだますため、昨年のハイチ地震と同様に、今回の大震災でも情報や金銭を引き出すオンライン詐欺が数多くみられるとしています。

その中には地震発生からわずか2時間で開設された詐欺サイトなどが多数確認されたとしています。マカフィーによれば、赤十字など正規の救援団体からのメールを装い、被災者への寄付を依頼するメールが確認されており、メールにはクレジットカード情報の入力を求める偽のサイトへのリンクが記載されているとのこと。

マカフィーでは、一人でも多くのユーザーが詐欺を識別し、回避することができるように判明しているメールや検索結果、ソーシャルメディアなどの具体例を紹介するとともに、このような脅威から身を守るためのヒントを紹介しています。(詳しくはこちら) 

■情報を見極める眼力を持つ
被災者や支援者から送られたように見える、金銭的な援助を求めるスパムメールには気をつけなければなりません。

YahooのCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)の別所直哉さんも3月23日の日経産業新聞で、正確性や客観性が担保されていない情報も多いことを留意すべきとし、「公式情報」と「口コミ」をしっかり見極めることが必要だ、と指摘しています。

まさにその通りだと思います。彼はまた、情報を共有する際は公式の情報源をリンクすること、義援金サイトの利用は公式ページからアクセスすることが重要としています。

“なりすまし”によるフィッシング詐欺の手口は、有名企業や金融機関、団体などを装い、無差別にメールを送りつけ、相手のクレジットカード番号や銀行口座番号、暗証番号などを記入させるなど実に巧妙です。

フィッシング詐欺を防止するためには、SSL( Secure Socket Layer )がフォームに利用されているかなど、ウエッブサイトの安全性や真偽を見極めることが重要。

私もパブリック・リレーションズ(PR)に関わる一人として、情報の信頼性を見極める眼力がこれまで以上に求められていることを痛感しました。

前回もお話したように今回の震災では、携帯電話がつながりにくい時にインターネットやSkypeなどを使い情報収集や安否情報を得ていたようです。

またインターネットにアクセスする端末としてはこれまではパソコン、携帯電話などがありましたが、今回の震災ではスマートフォンやタブレットPCが大いにその威力を発揮しました。

便利なネット社会ですが、賢い利用者として情報の真偽を見極める目と情報機器を使いこなす能力を、一人ひとり持つことがますます大切になってきています。

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