相互リンクはこちら
バナーをどうぞ



« 私の心に残る本 30
堺屋太一の『凄い時代:勝負は2011年』
| メイン | 『体系パブリック・リレーションズ』を紐解く 18
 ?PRの歴史的発展 その8»

2009年10月05日

後期授業スタート
 ?早稲田大学「パブリック・リレーションズ概論」

こんにちは、井之上喬です。
皆さんいかがお過ごしですか?

以前このブログで、今春から、昨年一年間休講していた大学での授業再開についてお話ししました。「覚醒した次世代リーダーのために」の副題のもとに、私は2004年から早稲田大学で、パブリック・リレーションズ(PR)の理論を中心とした「パブリック・リレーションズ概論」と実践中心の「パブリック・リレーションズ特論」の二つの授業で講義を行っています。

学際授業を推進するオープン教育センターで今月から始まった後期授業は、「パブリック・リレーションズ概論」。先週、一年ぶりの授業を行いました。受講生の数は200名を超えますが、新しい受講生と90分の初授業を楽しみました。

■パブリック・リレーションズの実務家を育成したい
私のライフワークであり願いは、健全で持続的な社会の発展と繁栄に貢献できる包括的なパブリック・リレーションズを、日本社会のシステムに組み込み広めていくことです。

日本社会は1990年代以降、経済、政治、社会が混迷し出口の見えない、ダッチロール状態が長く続いていました。不祥事をはじめとするさまざまな問題の噴出は多くの場合、倫理観や双方向性を持った自己修正力のあるパブリック・リレーションズ(PR=戦略広報)の欠如からきていることも明白になってきました。

パブリック・リレーションズの実務家の数は、米国では二十数万人を超えるのに対し、日本で広報・PRに携わっている人は多く見積もっても推定2.5万人-3万人と極めて少なく、そのほとんどが大学・大学院で正式な理論を学習したことのない未経験者がこの職に就いているのが現状です。

日本がグローバル社会で役割を果たしていくためには、政治・行政・経済・地域社会など各方面でパブリック・リレーションズの専門家を擁し効果的な問題解決をはかっていくことが求められています。学問的にも実践的にも幅広く、奥行きの深い守備範囲を持つ、日本で圧倒的に不足しているパブリック・リレーションズの実務家育成は喫緊の課題となっているのです。

個人や組織体が最短距離でその目標や目的を達成するパブリック・リレーションズ(PR)とはどのようなものなのか、今なぜ必要とされているのか、早稲田での授業は文系、理系の垣根のない学際的視点に立った、本格的なパブリック・リレーションズの授業です。

■真のリーダーとは
混迷するグローバル社会にあって、今世界は真のリーダーを求めています。リーダーに強く求められるものは、目的達成意欲や確固とした志と共に、倫理をベースにした多様なパブリックへの視点を持つことです。複雑多様化するグローバル社会においては、他者への利益を考えて行動する視点を持つことが重要とされるからです。

最近日本で起こった新しい潮流があります。8月30日の総選挙で民主党が歴史的大勝利を収め、日本でも新しいリーダーが登場したことです。新政権は政権交代早々マニフェストを実行するための新しい政策を打ち出しています。鳩山首相の国連総会での環境スピーチに見られるように、日本の新リーダーは閉塞状態にある日本を革新するための抜本的な転換をさまざまな視点に立ってはかろうとしています。

グローバルの視点で見ると、地球規模で変化が進む中、経済大国日本への世界の期待と関心は相変わらず高いものがあります。これまでの日本は、国の体格に見合った役割と貢献が果たされているとは言いがたい状況にありましたが、鳩山首相の多様な視点に立った数々の政策提言は、いまのところ国民や世界の指導者の信頼を勝ち得ているようです。

以前にもこのブログで紹介しましたが、40年に及ぶパブリック・リレーションズの実践と研究を通して、私は21世紀型の新しいパブリック・リレーションズの形である「自己修正モデル(self-correction model:SCM)」を示しました。「自己修正モデル」は、いままで追い求めた物質的豊かさをベースにした経済至上主義が破綻をきたし、新しい概念が模索される中で提示される21世紀のパブリック・リレーションズの新しいモデルです。

「修正行為に人間が介在し、人間の意思を反映させた、倫理観と、双方向性コミュニケーションの統合された3つの要素により初めて機能する」パブリック・リレーションズにおける新しい概念であり、覚醒された高い精神性を重視しています。また「人間の行動規範」としての適用も可能とし、多様性を抱合した世界平和と繁栄を実現する共生型のモデルとして位置づけています。

理論、知識、実践(技術)力に加えそのスピリットが修得できるこの授業のゴールは、次世代を担う、21世紀のリーダーとしての資質を高め、「自己修正モデル」の3つの原則である、「倫理」「双方向性コミュニケーション」そして「自己修正能力」を体得させることにあります。

一年間の授業を通して、自立した、戦略性を保有する、知的かつ行動的な人間力ある日本人として自覚する、リーダーを育成したいと考えています。受講生のみなさんの成長を楽しみにしています。

投稿者 Inoue: 2009年10月 5日 08:55

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.inoueblog.com/mt/mt-tb.cgi/785