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2009年10月26日

病める地球の健全化に向けて
 ?「DEVNET賞」贈賞式より

こんにちは、井之上喬です。
皆さん、いかがお過ごしですか。

私が常務理事を務める国連開発計画NPO法人日本DEVNET協会(JDA:以下DEVNET)は、1986年にガリ元国連事務総長らにより設立された国連開発計画DEVNET ASSOCIATION(本部:ローマ)の一員。同協会の事業活動のひとつとして2005年度より「DEVNET賞」を設け、発展途上国の産業・技術支援、社会・文化支援、人材開発、情報交流、女性の社会的活動・起業支援などの分野で継続的な活動の成果を挙げた個人、団体、組織を表彰しています。先日、その贈賞式が有楽町の日本外国人特派員協会記者クラブで開催されました。

■情報化社会における新たな社会貢献モデル
DEVNETとは、Development-Networkを縮めた言葉。そこには情報交流ネットワークを活用し世界が抱える問題解決に貢献しようとの思いが秘められています。いわば情報化社会における新たな社会貢献モデルともいえます。現在の参加国は100カ国を超え、約50万社に技術情報が提供されています。日本では今年3月まで会長を務められた片方善治さんにより2004年から活動が始まっています。

DEVNET賞は、これまで技術、産業分野での活動に対する「TIPS(Technological Information Promotion System)賞」と女性の社会的活動に対する「WINNER (Women into the New Network for Entrepreneurial Reinforcement)賞」の二つのカテゴリーがありました。2009年度からはこれら二つの賞が片方前会長の「病める地球の健全化に向けて」の目標のもとに「DEVNET賞」として統合されています。

2004年の第1回DEVNET賞「多年にわたり途上国留学生支援活動の継続」(長谷部グループ会長長谷部平吉)を皮切りに、2007年には「途上国の地雷除去活動で献身的な活躍」(山梨日立建機社長雨宮清)と「学校建設など途上国の子どもたちへの支援活動の継続」(国際平和基金財団理事川本貴美江)が選ばれました。

2008年は「太陽光発電装置の技術及びシステムを開発途上国に提供するとともに生活向上のための技術指導に寄与した功績」(京セラ株式会社佐倉ソーラーセンター)と「開発途上国に対して国際的レベルの医療看護の技術転移を行い、また支援・指導の奉仕、及び災害発生時における献身的救護活動の功績」(医療法人徳州会理事長徳田虎男、インドネシア・バリ島タバナン県立病院女医スリ・カルヤワチ)に贈賞されています。

■リコーの地球市民としての取り組み
2009年度DEVNET賞は、「生物多様性を保全するための生態系保全」を目的に、ガーナ、フィリピン、マレーシアなど各地の熱帯性雨林回復に寄与した功績に対して株式会社リコーおよび関連会社で構成されるリコーグループに贈賞されました。この贈賞は、DEVNET賞選考委員会(委員長:濱田泰三早稲田大学名誉教授)が 1)活動の意義とその成果、2)継続性と波及効果、3)応募者(社)の姿勢などについて厳正な審査を行い、決定されたものです。

リコーグループは、1992年に環境綱領を制定し環境保全活動と経営活動を同軸であると捉え、地球市民の使命として自らの責任で地球環境保全に取り組んできました。リコーの社会貢献活動は1976年の環境推進室設置にさかのぼりますが、今回の贈賞となった生物多様性保全プロジェクトは1999年に始まります。当時、オフィス機器事業で紙を扱う企業として限りある森林資源の保全に取り組むべきであるとして環境NGOや問題を抱える地域住民との連携により「森林生態系保全プロジェクト」が開始されたのです。

「熱帯雨林回復」プロジェクトには、いくつかの共通点が認められます。一つは持続的森林農法を普及するための地域住民に対する意識啓発や教育。二つ目は、単に地域の発展モデルを提案するだけでなく、現地政府、行政機関や地域住民と共同でプロジェクトを推進し、技術移転や人材育成を行って持続可能な事業として定着させていることです。興味深いことに、このプロジェクトの責任者(社会環境本部長)は、機械出身で同社の理事・技師長の谷達雄さんです。途上国プロジェクトの奥深さが伝わってきます。

ここにはパブリック・リレーションズ(PR)の手法であるコミュニティ・リレーションズやガバメント・リレーションズが応用されています。
このような賞を通して、発展途上国でパブリック・リレーションズが実践され、その認知やニーズが現地社会で拡がっていくのは私たちパブリック・リレーションズ関係者にとって大変嬉しいことです。

投稿者 Inoue: 10:00 | トラックバック

2009年10月19日

鳩山政権発足一カ月
 ?変革への試練

こんにちは、井之上喬です。
皆さんいかがお過ごしですか?

国民の圧倒的多数で総選挙に勝利し、9月16日に誕生した鳩山政権が今月16日で一カ月を迎えました。60-70%の高い支持率を維持しながら国民の期待を背負う、鳩山政権の概観が見えてきました。新政権が早急に手をつけるべき課題は何かが見えてきた一カ月でもありました。

それにしても今回の政権交代が、明治維新以来の「革命」や戦後のGHQによる制度改革に匹敵するとも言われるゆえんは、バブル崩壊後の長引く不況と未曽有の経済危機で、自民党一党独裁に対する国民の意識が大転換したことによるものとされています。

■試行錯誤
鳩山由紀夫首相は就任早々、国会での所信表明をまたず、国連演説で「温室効果ガスを2020年までに90年比で25%削減する」とする方針表明を行いました。加えて核廃絶・非核三原則堅持などの発言は、国際社会から熱い拍手で歓迎されました。

新政権が世界に存在感を示したのは主に外交面。国連演説やピッツバーグでの20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)に出席。早々と中、米、韓、露などの首脳と会談を行い、一定の成果を上げています。岡田外相とのコンビネーションにより、これまでの官僚主導に頼らない外交を進めようとしている点も評価されているようです。

一方、国内では、就任した閣僚がそれぞれ個性的な動きを見せています。前原国土交通相は、八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設中止表明や民間人を登用したJAL再生タスクフォースの設置。また日本の成長戦略を支えるであろう、羽田空港の国際ハブ化表明。原口総務大臣は地域主権や番組内容への不当介入防止のためのFCC(米連邦通信委員会)的な組織(通信・放送委員会)の設置検討など、矢継ぎ早の政策を発表しています。

しかし地元民や県知事からの反対や来年度の予算案概算要求などの折衝で、担当大臣関の齟齬が見られるなど試行錯誤を繰り返しています。また最近、鳩山首相が指導力を発揮する場面が少ないせいなのか、改めて懸念させられるのは首相直属で総合調整をはかるはずだった「国家戦略局」の姿がいまだに明確になっていないことです。

現実には菅直人副総理兼国家戦略相が担当する戦略局は一体何をするのか不明の状態が続いています。菅副総理の仕事は企業でいえば「経営企画室」で、企業の中枢で戦略構築を行う重要な役割を担う部署。

国家戦略室をめぐっては、まず権限をより強化し、各省庁への指揮命令を直接行うことを可能にするための国家戦略「局」への格上げが目的とされています。「国家戦略局」設置法案は、来春の通常国会で提出される見通しとなっていますが、そこで具体的に何を行うのか国民の関心は高まっています。

■赤字国債増発か公約の修正か?
10月17日朝刊の朝日新聞社説では、10年度の「概算要求の総額を今年度当初予算の88.5兆円以下に抑えるよう指示していたものが、ふたを開ければ95兆円にものぼった」と政権公約実現のために各省庁が盛り込んだ数字が過去最大としています。翌18日、仙谷由人行政刷新相は、10年度予算概算要求が09年度当初予算(約88兆5000億円)に比べ、約6兆5000億円上回ったことに対して、現在の95兆強の概算要求額を92兆程度に圧縮することを表明しています。

経済危機で歳入も当初見込まれた46兆円から40兆円を割り込むことも予想される中、マニフェスト(選挙公約)に掲げられた項目すべてを実施することに無理が生じています。赤字国債増発への舵切りを行ってでも100%成功させようと考えるのか、将来の負担を和らげるために公約の修正を行うのか、いま新政権は難しい判断を迫られています。

そんな中の16日、米政府が2009年会計年度(08年10月?09年9月)の財政赤字が1兆4170億ドル(約129兆円)で史上初めて1兆ドルの大台に乗ったと発表。その赤字幅は対前年度比で約3倍強に膨らみ、国内総生産(GDP)の10%にも及んでいます。

米国の巨大赤字は、昨年9月のリーマン・ショックに端を発した未曽有の金融危機や戦後最長の景気後退に対処するために導入した金融安定化策や景気対策に伴った大規模な経済対策の実施に加え、 所得・法人税減少で歳入が縮小したことによるとされています。

日本に限らず、舵とりが極めて難しい中での改革には時間と痛みが伴います。弱者を保護しつつ成長戦略を描くことで国民に希望を持たせることは政治の役割であるといえます。

いま国民やメディアには忍耐が求められているのかもしれません。国家予算を新しく政権を担った側(これまで野党として政府に十分なアクセスできなかった)が、わずか一カ月でパーフェクトに現状把握し組み立てることが簡単ではないことは明白です。

大切なことは、パブリック・リレーションズ(PR)の手法を駆使し、プロセスを明らかにし、きめ細かなフィードバックで状況把握を行い、さまざまなパブリックに情報を発信することです。そういえば、選挙戦であれほど叫ばれていた霞が関の「埋蔵金」は見つかったのでしょうか?

投稿者 Inoue: 09:30 | トラックバック

2009年10月12日

『体系パブリック・リレーションズ』を紐解く 18
 ?PRの歴史的発展 その8

こんにちは、井之上喬です。
皆さんいかがお過ごしですか?

今週は、『体系パブリック・リレーションズ』Effective Public Relations (EPR)第9版の邦訳:ピアソン・エデュケーション)をご紹介します。EPRは米国で半世紀以上のロングセラーを記録するパブリック・リレーションズ(PR)のバイブル的な本で、日本語翻訳メンバーには私も加わり昨年9月20日に発売されました。早いものでもう1年が経ちました。

20世紀初頭に米国で登場・体系化されたとされるパブリック・リレーションズ。今回は、第4章「パブリック・リレーションズの歴史的発展」(井上邦夫訳)の8回目として抗議運動と市民パワーの時代(1965-1985)の後半におけるエポック・メイキングな事象を紹介していきます。今回は8回に及んだ「パブリック・リレーションズの歴史的発展」の最終回となります。

■キング牧師の有名な演説“I Have a Dream”
本書ではマーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(Martin Luther King, Jr.,1929?68年)が「抗議運動と市民パワーの時代」における象徴的存在として活躍していたことを紹介しています。そして、「キング牧師が国民的指導者へ昇りつめるきっかけとなったのは、1955年、アラバマ州モンゴメリーでバスに乗車中のローザ・パークスが、白人の乗客に席を譲らなかったことを理由に逮捕され、パークスのために立ち上がったときである。」

「キング牧師は、1963年8月28日、ワシントンD.C.のリンカーン・メモリアルでおよそ25万人の聴衆を前に、有名な演説“I Have a Dream”(私には夢がある)と呼びかけた。彼は、暗殺される前日の1968年4月4日には、テネシー州メンフィスで、予言的な演説『私は山の頂上に行ったことがある』と語りかけた。彼は公民権運動の殉教者であり象徴でもあった」と記しています。

公民権運動がもたらしたひとつの成果として1965年の投票権法(Voting Rights Act)と1968年の個人住宅の販売・賃借における人種差別撤廃を促す公正住宅法(Open Housing Law)の法制化が挙げられています。キング牧師と公民権運動は、あらゆる組織体の対内的・対外的なリレーションズ(関係性の構築)に影響を与え、変化と権限委譲の時代を特長づけたのです。

また、公民権運動の成功は、グロリア・スタイネム、ベラ・アブザグ、シャーリー・チゾムたちが先導する男女同権運動にも大きな影響を与え、女性がパブリック・リレーションズ分野や様々な職場へ進出するきっかけともなったと記しています。

■大統領を失脚に追い込んだ市民行動
ベトナム戦争反対運動は公民権運動とともにこの時代を二分した大きな出来事であり「ジェネレーション・ギャップ」、「ヒッピー」、「セックス革命」といった言葉やライフスタイルを生みだしました。そして、その反戦運動はウォーターゲート事件とリチャード・ニクソン大統領(1969-74)弾劾へと発展したと本書に示されています。

学生たちが全国のキャンパスで反戦運動を繰り広げる中、1970年のカンボジア侵略に抗議するデモは最大の悲劇を招きました。この悲劇について本書は「オハイオ州のケント州立大学では国家警備隊が4人の学生を射殺し、ミシシッピ州のジャクソン州立カレッジのキャンパスでは州警察が2人の学生を殺害した」と述べ、「この7カ月後、連邦議会は、米国がベトナムに事実上の宣戦布告をした1964年のトンキン湾決議を破棄した。1973年1月27日、米国、北ベトナム、南ベトナム、ベトコン暫定革命政府の4者は、『ベトナムの平和復興』の合意書に署名した。しかし、市民の行動が公共政策を変更に追い込み、大統領を失脚させたように、市民パワーはもう後戻りすることはなかった。『パワー・トゥー・ザ・ピープル』が合言葉となり、同時にこの時代の本質をうまく捉えてもいた」と結んでいます。

1972年のウォーターゲート事件は、日本でも大きく報道されました。それは、当時野党だった民主党本部のあったウォーターゲート・ビル(ワシントンD.C.)に不審者が盗聴器を仕掛けようと侵入したことから始まりました。当初ホワイトハウスは、この侵入事件とは無関係であるとの立場をとっていましたが、次第に盗聴への関与が明らかになり、世論の反発によってアメリカ史上初めて現役大統領が任期中に辞任に追い込まれる事態へと発展していったのです。

パブリック・リレーションズの専門家が政権の側近に一人もいなかったにもかかわらず、民衆の意見を操作するための策略としてパブリック・リレーションズを利用したと非難を浴びることになりました。こうしたプロセスの中でパブリック・リレーションズが、「民衆の意見を操作しようとする悪」と誤解され、ダメージを被る結果となったのです。

このようにパブリック・リレーションズの歴史は必ずしも順風のなかで発展したものではありませんでした。この事件をきっかけに、実務家には自己の活動に対しより高い倫理感が要求されるようになりました。

奇しくもニクソン大統領が退陣に追い込まれた1974年は、日本でも金脈問題で田中角栄首相が引責辞任し、第2次田中内閣が倒れています。

抗議運動と市民パワーの時代から影響を受けたパブリック・リレーションズは、もはや米国内だけにとどまらず、技術革新とグローバル化を背景に私たちの生きる現代へと大きく進化を遂げていきます。

本書第4章「パブリック・リレーションズの歴史的発展」の最後尾では、「我々はこの時代に生き、この時代が、本書の全体を通じて述べるパブリック・リレーションズの概念や実務を規定する。その意味では、誰もがパブリック・リレーションズの歴史の一片を書き綴る役割を演じるのである」と結んでいます。

また、本章の冒頭には「パブリック・リレーションズの進化の過程を学習すると、その機能、長所、短所を洞察する力が増す。残念ながら、多くの実務家は自分のミッションであるパブリック・リレーションズの歴史的意義を把握していないため、社会における位置や意義を十分に理解していない。(中略)パブリック・リレーションズの歴史的背景を理解することは、今日の専門的実務に不可欠なことである」と語られています。

パブリック・リレーションズの歴史の一片を書き綴る役割を演じる可能性をもつ皆さんは、8回にわたった「パブリック・リレーションズの歴史的発展」からどのようなことを学ばれたでしょうか。

投稿者 Inoue: 11:00 | トラックバック

2009年10月05日

後期授業スタート
 ?早稲田大学「パブリック・リレーションズ概論」

こんにちは、井之上喬です。
皆さんいかがお過ごしですか?

以前このブログで、今春から、昨年一年間休講していた大学での授業再開についてお話ししました。「覚醒した次世代リーダーのために」の副題のもとに、私は2004年から早稲田大学で、パブリック・リレーションズ(PR)の理論を中心とした「パブリック・リレーションズ概論」と実践中心の「パブリック・リレーションズ特論」の二つの授業で講義を行っています。

学際授業を推進するオープン教育センターで今月から始まった後期授業は、「パブリック・リレーションズ概論」。先週、一年ぶりの授業を行いました。受講生の数は200名を超えますが、新しい受講生と90分の初授業を楽しみました。

■パブリック・リレーションズの実務家を育成したい
私のライフワークであり願いは、健全で持続的な社会の発展と繁栄に貢献できる包括的なパブリック・リレーションズを、日本社会のシステムに組み込み広めていくことです。

日本社会は1990年代以降、経済、政治、社会が混迷し出口の見えない、ダッチロール状態が長く続いていました。不祥事をはじめとするさまざまな問題の噴出は多くの場合、倫理観や双方向性を持った自己修正力のあるパブリック・リレーションズ(PR=戦略広報)の欠如からきていることも明白になってきました。

パブリック・リレーションズの実務家の数は、米国では二十数万人を超えるのに対し、日本で広報・PRに携わっている人は多く見積もっても推定2.5万人-3万人と極めて少なく、そのほとんどが大学・大学院で正式な理論を学習したことのない未経験者がこの職に就いているのが現状です。

日本がグローバル社会で役割を果たしていくためには、政治・行政・経済・地域社会など各方面でパブリック・リレーションズの専門家を擁し効果的な問題解決をはかっていくことが求められています。学問的にも実践的にも幅広く、奥行きの深い守備範囲を持つ、日本で圧倒的に不足しているパブリック・リレーションズの実務家育成は喫緊の課題となっているのです。

個人や組織体が最短距離でその目標や目的を達成するパブリック・リレーションズ(PR)とはどのようなものなのか、今なぜ必要とされているのか、早稲田での授業は文系、理系の垣根のない学際的視点に立った、本格的なパブリック・リレーションズの授業です。

■真のリーダーとは
混迷するグローバル社会にあって、今世界は真のリーダーを求めています。リーダーに強く求められるものは、目的達成意欲や確固とした志と共に、倫理をベースにした多様なパブリックへの視点を持つことです。複雑多様化するグローバル社会においては、他者への利益を考えて行動する視点を持つことが重要とされるからです。

最近日本で起こった新しい潮流があります。8月30日の総選挙で民主党が歴史的大勝利を収め、日本でも新しいリーダーが登場したことです。新政権は政権交代早々マニフェストを実行するための新しい政策を打ち出しています。鳩山首相の国連総会での環境スピーチに見られるように、日本の新リーダーは閉塞状態にある日本を革新するための抜本的な転換をさまざまな視点に立ってはかろうとしています。

グローバルの視点で見ると、地球規模で変化が進む中、経済大国日本への世界の期待と関心は相変わらず高いものがあります。これまでの日本は、国の体格に見合った役割と貢献が果たされているとは言いがたい状況にありましたが、鳩山首相の多様な視点に立った数々の政策提言は、いまのところ国民や世界の指導者の信頼を勝ち得ているようです。

以前にもこのブログで紹介しましたが、40年に及ぶパブリック・リレーションズの実践と研究を通して、私は21世紀型の新しいパブリック・リレーションズの形である「自己修正モデル(self-correction model:SCM)」を示しました。「自己修正モデル」は、いままで追い求めた物質的豊かさをベースにした経済至上主義が破綻をきたし、新しい概念が模索される中で提示される21世紀のパブリック・リレーションズの新しいモデルです。

「修正行為に人間が介在し、人間の意思を反映させた、倫理観と、双方向性コミュニケーションの統合された3つの要素により初めて機能する」パブリック・リレーションズにおける新しい概念であり、覚醒された高い精神性を重視しています。また「人間の行動規範」としての適用も可能とし、多様性を抱合した世界平和と繁栄を実現する共生型のモデルとして位置づけています。

理論、知識、実践(技術)力に加えそのスピリットが修得できるこの授業のゴールは、次世代を担う、21世紀のリーダーとしての資質を高め、「自己修正モデル」の3つの原則である、「倫理」「双方向性コミュニケーション」そして「自己修正能力」を体得させることにあります。

一年間の授業を通して、自立した、戦略性を保有する、知的かつ行動的な人間力ある日本人として自覚する、リーダーを育成したいと考えています。受講生のみなさんの成長を楽しみにしています。

投稿者 Inoue: 08:55 | トラックバック